診察室から:7月31日(火)

久しぶりの東京大学:認知行動療法研修

 

 

7月29日(日)は朝から夕方まで丸一日を掛けて認知行動療法研修を受けてきました。

 

講師は、国立精神・神経医療研究センターの中堅医師や東大心療内科の若手医師たちでした。

 

受講生は大多数の若手に混じって、末松弘行東大名誉教授、その他現役の医学部教授をはじめ心療内科学会の重鎮がこぞって熱心に受講していました。

 

つまり、孫弟子のレクチャーを師匠筋が受講する、という何とも珍しく、しかも新鮮な光景に触れてきました。

 

 

神経性過食症に対する認知行動療法が保険収載(平成30年4月1日)されたものの、実際に16回の治療で過食症を治すのは簡単ではありません。

 

それでも、この講習を受講しないと、実質的に認知行動療法の保険診療ができません。

 

そこで、旧世代の大御所の先生方も受講生として参加しなければならない仕組みです。

 

受講しただけではなく、そのあと関東信越厚生局に「特掲診療科の施設基準に係る届出書」を添えて資格申請をして、施設認定を受けなければなりません。

 

認定が受けられた暁には、HP上で改めてご報告いたします。

 

 

高円寺南診療所では、神経性食欲不振症(拒食症)の継続的診療実績は乏しいですが、神経性過食症の方の診療は合併する内科疾患とともに根気強く対応しています。

 

最近では、肥満者や糖尿病者対応も増え、病的肥満者や糖尿病患者にも認知行動療法が有効であることもわかってきました。

 

ただし、これらの疾患に関する認知行動療法は、たとえ有効な結果を導けるとしても保険収載されていないため、実質的に医療機関側の無料奉仕ということになります。

 

 

保険診療にも様々な縛りがあって、一般の受診者の皆様がイメージしているような自由な世界ではありません。

 

医療の根幹をなす部分にこそ正当な経済的評価を与えられるべきだと考えます。