木村英一さんより、水戸の高校吹奏学部の教え子に自律訓練法、イキイキ体操を行い、その結果をレポートとして頂きました。

 

許可を頂きましたのでこちらに掲載します。

 

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水戸の高校吹奏学部の教え子(クラリネット)が音楽大学に進んだのですが、指が動かない時があるというのを聞きました。

 

ハリ治療を試みてるらしいのですが、精神的の部分もあるかもしれないため、自律訓練(背景)を試してみました。

 

その結果、動かない指(右手薬指)にしびれを感じたそうです。

 

演奏の本番直前でもあったので、体をほぐすことも兼ねてイキイキ体操を一緒に行いました。

 

体がほぐれてスッキリしたということで、再度 自律訓練を行なってみました。

 

先程しびれを感じた指は、今度は全然しびれを感じなかったそうです。

 

 

本番後に様子を聞いたところ、イキイキ体操を行う前よりも指が動いたそうです。

 

私自身も楽器の練習前には、自律訓練をしてからイキイキ体操を行っておりますし、水氣道の時もまず自律訓練から初めております。

 

イキイキ体操の効果は明らかですが、自律訓練との併用で更なる効果がありそうな気がしております。

 

次に2018年3月25~27日の日程で行われた水戸の高校吹奏学部の合宿でイキイキ体操を2~3回行った時の生徒たちの感想をご報告いたします。

 

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以下は原文をPDFにしたものです

 

イキイキ体操の効果①

今回は、現代の生活習慣病を考えるうえで最も根本的な病態の一つについて振り返ってみることにしました。

 

診療指針の基本は「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017」に準じます。そこでは動脈硬化性疾患のリスクカテゴリーの分類が提示されています。

 

この分類に応じて脂質管理目標を目指し、原則としてスタチンを使用します。

 

特にLDLコレステロールのレベルが重視されています。

 

いずれも予防目的なので、生活習慣管理が重要です。

 

しかし、薬物療法を行う場合には、筋障害(筋痛、筋力低下)、肝障害、CPK上昇などの副作用に対し、患者-医師の相互で確認しながら治療を継続していくことが必要です。

 

なお、このガイドラインでは従来のものが改訂されています。

 

 

そこで、改訂のポイントをまとめてみました。

 

1)高リスク群の評価

 

動脈硬化リスクを広く集めようという観点から,リスクの評価は吹田研究を採用し,10年間の冠動脈疾患の発症を予測するツールが作成されました。

 

その結果、高尿酸血症睡眠時無呼吸症候群もリスクとして考慮すべき病態として取りあげました。

 

また,冠動脈疾患の既往糖尿病脳血管障害は,その管理状態や合併症の有無,重積する危険因子により,より積極的な加療が必要となる症例が存在する病態であるため、どのようなケースにおいてさらに強化した管理を必要とするか,を詳述しています。

 

たとえば高中性脂肪血症も血中TG(中性脂肪)が500mg/dL以上であれば重度高TG血症です。

 

その場合は、急性膵炎の予防を考慮すべきなので、フィブラートを積極的に検討します。

 

高LDL-コレステロール、高TG血症が併存する場合は、まずスタチンを優先し、非HDL-コレステロールを指標にして管理します。

 

 

2)二次予防における高リスク病態での厳格なLDL-コレステロールの管理

 

家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia:FH)や急性冠症候群など,二次予防での高リスク病態においては,現在の低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein:LDL)コレステロールの基準を100mg/dL未満よりさらに厳格な管理、すなわち70mg/dL未満を提言しました。

 

二次予防あるいは低下させるべきLDL-コレステロール量の落差が30mg/dL以上の場合、ストロングスタチンが必要であることが多いです。

 

 

3)家族性高コレステロール血症の記載の拡充

 

家族性高脂血症は、遺伝性の脂質異常症ですが、ヘテロタイプの症例であれば、日常遭遇することも少なくないため、見落としに注意を要します。

 

なお新薬の登場,小児FHへのスタチンの適応拡大などに伴い,家族性高コレステロール血症の診断・治療の記載を詳細に行い,治療法に関してはフローチャートを用いていることを推奨しています。

 

 

まとめ 

「最新の臨床医学」というタイトルで、主に内科学の各専門領域の最新の動向を把握するうえで、「診療ガイドライン」は最重要の情報源であるといえるでしょう。

 

ただし、忘れてならない基本が生活習慣管理にはじまり、食事、運動、および心理社会的側面でのマネージメントにあります。

 

こうした側面が無視されているわけではないのですが、注目度が低下しつつあることは否めないように思います。

 

日常診療において大切なことは、患者さん自身のセルフケアをサポートすることにあります。

 

その基本を忘れないように精進して行きたいと思います。

 

GWは如何お過ごしでしたか。

 

私の場合、年末年始とGWは、心静かに過ごすために、なるべく予定を入れないように心がけています。

 

しかしながら、せっかくの休暇を心静かに過ごせるかどうかは、いままでのところ、その折々の成り行き次第でした。

 

 

今回のGWの幕開けは、郷里の母の入院で始まりました。

 

数年間安定していた持病の喘息の発作でした。まるで休火山が一変して活火山になったようなもので、本人は相当なショックのようでした。

 

そこで、私はなるべく母の入院先の個室で数時間ずつを過ごすようにしていました。

 

母が眠っているときは、書物とともに傍らで時を過ごしていました。

 

 

私にとって休日の友は、何といっても書物です。

 

それも手軽に携帯できる文庫サイズの書籍が不可欠です。

 

移動中も滞在中も退屈ということはありません。

 

 

それから、必須のアイテムとしては4色(黒・緑・青・赤)ボールペン付きのシャープペンシルと手帳と消しゴムです。

 

これらが揃えば、仕事の計画を練ることができます。

 

 

私の読書の対象は、医学やスポーツ関連のものを除いては歴史書と語学書それに音楽関係の書籍です。

 

こうした傾向は、診療所内での仕事ばかりでなく水氣道や聖楽院での活動の反省や計画案を考えながら読書していることが多いからだと思います。

 

 

たとえば、語学書ですが、英語の他、ドイツ語、フランス語、イタリア語、それに最近ではスペイン語などが加わっています。

 

それは、私が歌う曲の歌詞のレパートリーに重なっていることに気づきます。

 

ロシアの歌曲もしばしば歌いますが、ロシア語は中国語と同様に、本格的に取り組むまでには至っておりません。

 

 

高円寺南診療所のHPの外国語版は、現在、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語の4か国語ですが、より実用性の高い隣国の中国語や韓国語(ハングル)は掲載していません。

 

その理由は、私自身が読んで理解できていない言語を掲載することにはためらいを感じるからです。

 

そのかわり、スペイン語の追加を検討しています。

 

スペイン語は、外来診療において今後も実用性の高い言語であり、私にとって馴染み易い言語でもあるからです。

 

 

目下、英語版の改訂作業中です。

 

本日さっそく英国人のSimon先生のチェックを受けるとともに、私のテレフォン英語の指南役である在日米国人のMrs.Cheney, Mr.Wilcoxの両先生にもアドヴァイスをいただく予定です。

(日本旅行医学会の公式HPを参考として、一部簡略化して掲載しました。)

 

病原体

破傷風の病原菌である破傷風菌は、芽胞を形成する嫌気性グラム陽性菌です。破傷風は、汚染された創傷部で破傷風菌が栄養型に変化して増殖することにより産生する強力な神経毒によって引き起こされます。

 

 

感染経路

破傷風菌の胞子は自然環境の中のどこにでもみられ、傷ついた皮膚から体内に入る可能性があります。

 

通常は屋外で、ケガをしたときに傷口から菌が入ります。

 

しかし、明らかに清潔な浅い傷、外科的処置、虫刺され、歯科感染、開放骨折、慢性の潰瘍や感染、薬物の静脈内注射も特に破傷風の原因になっています。

 

ただし、破傷風はヒトからヒトへと伝染することはありません。

 

 

発生地域

破傷風は世界のあらゆる所で起きます。

 

ほとんどが適切な予防接種を受けていない人たちに限られています。

 

旅行によって破傷風のリスクが増大することはありません。

 

動物やヒトの糞で汚染された土壌または媒介物が感染を伝播します。世界的には、破傷風は農業地域と、土壌あるいは動物の排泄物と接触する可能性が高く、しかも予防接種が不適切な地域で多くみられます。

 

発展途上国では予防接種を受けていない母親から生まれた新生児の破傷風(新生児破傷風)が破傷風の中で最も一般的な形です。

 

 

予防接種を適切に受けている旅行者にはリスクはありません。

 

旅行してもしなくても、適切に予防接種を受けていない人が汚染された物体により傷を負ったり、薬物注射をしたり、非衛生的な状態の中で手術または歯科治療を必要としたときにはリスクが増大します。

 

 

臨床症状

破傷風の急性症状の特徴は、筋肉の硬直と痛みを伴う痙攣で、しばしば顎と首の筋肉に始まります。

 

重症の破傷風は呼吸不全となり死亡につながることがあります。

 

潜伏期間は通常3~21日(平均10日)ですが、創傷の性格、範囲、部位などにより1日から数か月と幅があります。

 

ほとんどの場合14日以内に起きます。一般に創傷の汚染がひどいと、破傷風は重症となり、予後が不良で、潜伏期間も短い傾向があります。

 

 

全身性破傷風

全身性破傷風が最も頻度の多い形態で、80%以上を占めます。

 

新生児破傷風は臍帯断端からの感染により起こります。

 

最も一般的な初発徴候は開口障害です。

 

開口障害に続いて頚部、体幹、四肢の筋肉群の痛みを伴う痙攣および全身性の強直性の発作様の活動または重症のケースでは明らかな痙攣が起こります。

 

全身性破傷風は自律神経系異常や、重度の痙攣を伴った長期の入院が必要なさまざまな合併症を伴うこともあります。

 

全身性破傷風の臨床経過は事前の免疫の程度、存在する毒素の量、患者の年齢や全身の健康状態により異なります。

 

集中治療を行っても、全身性破傷風の致死率は10%~20%です。

 

 

局所性破傷風

局所性破傷風は破傷風のまれな形態で、創傷の部位に近い領域に限定されて筋肉の痙攣が起こります。

 

局所性破傷風はしばしば部分免疫の人に起こり、通常は軽度ですが、全身性破傷風への進行は起こりえます。

 

 

頭部破傷風

最もまれな形態である頭部破傷風は頭部または顔面に病変が起こるもので、耳の感染(中耳炎)に関係があると報告されています。

 

潜伏期間は短く、通常1~2日です。頭部破傷風は全身性破傷風や局所性破傷風と異なり、痙攣よりむしろ弛緩性の脳神経麻痺を起こします。

 

開口障害も認められます。頭部破傷風は局所性破傷風のように全身性の形態へ進行することもあります。

 

 

 

診断

破傷風は確認する検査がない臨床症候群です

 

菌が感染部位から見つけ出されることはまれで、通常判別可能な抗体反応もありません。そのため、診断は臨床的に下されます。

 

破傷風の特徴はまず咬筋と頚筋、続いて体幹の筋肉に痛みを伴う筋収縮が起こります。

 

年長児や成人で破傷風を示唆する最初の徴候として一般的なのが腹部硬直ですが、ときどき硬直は創傷の領域に限定されます。

 

全身性の痙攣が起きますが、それはしばしば感覚的刺激により誘発されます。

 

破傷風の痙攣の典型的な特徴は、後弓反張の姿勢と「痙笑」として知られる、引きつって笑っているような顔の表情です。

 

 

 

治療

破傷風は医学的緊急事態で、入院、抗破傷風ヒト免疫グロブリン(TIG)(ヒト免疫グロブリンが入手できなければウマの抗毒素)の投与、破傷風トキソイドの追加免疫接種、筋痙攣を抑えるための薬剤投与、および創傷の積極的治療と、必要であれば抗生物質の投与による速やかな治療が必要です。

 

抗破傷風ヒト免疫グロブリン3,000-6,000 IUを筋注投与します。免疫グロブリンが入手できなければ、破傷風抗トキソイド(ウマ由来のもの)を、過敏症検査を行った後、静注で単回大量投与します。

 

 

メトロニダゾールは最適の抗生物質です。

 

回復時間が最も短く致死率が最も低いものです。7~14日間大量投与すべきで、それにより必要な筋弛緩剤と鎮静剤の量を減らすこともできます。

 

創傷は可能であれば幅広く壊死組織を切除して取り除きます。新生児の臍帯の断端の場合には、幅広い壊死組織の除去は適応となりません。

 

 

重症度によっては人工呼吸と自律神経系を安定させるための薬剤が必要となります。

 

気道を適切に確保し、必要に応じて鎮静剤を使用します。筋弛緩剤を使用し、気管開口術もしくは経鼻気管内挿管および器械による呼吸補助を併用すれば救命ができるでしょう。

 

治療とともに能動的予防接種も同時開始すべきです。

 

 

 

旅行者のための予防法

 

個人的保護対策

全国民に行われる沈降破傷風トキソイドによる能動的予防接種を受けていれば、10年以上の間継続的に予防されます。

 

初期の一連の基礎免疫接種完了後、単回の追加免疫を受けることにより、高レベルの免疫が獲得されます。

 

旅行者は初期の3回の破傷風トキソイドによる基礎免疫接種と、最後の接種から10年を越えていれば追加免疫を受けて、破傷風に対する適切な免疫を持つようにすべきです。

 

能動的予防接種を受けた母親の乳児は受動免疫を獲得し、新生児破傷風から守られます。

 

破傷風から回復しても免疫ができたとは限りません。

 

第二の発病が起こりえますので、回復後に初期の予防接種が必要になります。

 

 

創傷治療の際の破傷風の予防法 創傷を負った患者の破傷風の予防法は、創傷が清潔なのか汚染されているのかを入念に診察すること、患者の免疫状態の評価、破傷風トキソイドまたは破傷風免疫グロブリンの適切な使用、創傷の洗浄、必要な場合には外科的壊死組織切除、および抗生物質の適切な使用に基づきます。

 

しかし、汚染されていない小さな傷が破傷風を起こしやすいかどうかを判断するのは難しいかもしれません。

 

そうした状況下では、予防接種を3回以上受けている人には、最後の接種から5年を超えていれば、医師は追加免疫としてTdを投与することを考慮すべきです。

 

 

ワクチン

7歳を超える小児は、ジフテリアと破傷風トキソイドのワクチンを混合した無細胞性百日咳ワクチン(DTaP)の5回の接種を完了することが推奨されます。

 

DtaPの一連の接種を完了するために前倒しのスケジュールを使用することも可能です。

 

百日咳ワクチンの禁忌がある場合、2種の抗原(ジフテリアと破傷風)の混合ワクチンの接種も可能です。

 

百日咳の予防接種を完全に受けていない7~10歳の小児で、百日咳のワクチンが禁忌ではない小児は、百日咳を予防するためにTdaP(破傷風とジフテリアと百日咳の混合ワクチン)の単回接種を受けるべきです。

 

破傷風とジフテリアのトキソイドを含んだワクチンの追加免疫が必要であれば、7~10歳の小児は、遅れを取り戻すための指針に従って接種を受けるべきで、初回接種はTdaPが好ましい選択です。

 

 

11~18歳の青年は、推奨される小児用の一連のDTwP/DtaPワクチンを完了していてしかもTdaPを過去に受けていなければ、破傷風、ジフテリア、百日咳に対する追加の予防接種にはTdaPの単回接種をTdの代わりに受けるべきです。

 

過去にTdaPを受けていない青年では、創傷に対する予防法としてTdの代わりにTdaPを使用すべきです。

 

 

19~64歳の成人で過去にTdaPを受けていなければ、破傷風、ジフテリア、百日咳に対する追加の予防接種には破傷風トキソイドを含むワクチン(Tdなど)の最後の接種からの期間に関係なくTdの単回接種の代わりにTdaPの単回接種を受けるべきです。

 

 

65歳以上の成人で、12ヶ月未満の乳児に密接な接触がある、または接触が予想される人で、過去にTdaPを受けていない人は、百日咳を予防し、伝播の可能性を低減するためにTdaPの単回接種を受けるべきです。

 

その他の65歳以上の成人で過去にTdaPを受けていない人は全て、Tdの代わりにTdaPの単回接種をしてもよいです。

 

 

百日咳、破傷風、またはジフテリアの予防接種を受けたことがない青年と成人で、免疫が不完全であったり、免疫が不確かな人は、Td/ TdaPのために作成された遅れを取り戻すためのスケジュールに従うべきです。

 

一連の接種の中のTdの接種はどれについてもTdaPが代わりになります。

 

重度に免疫が低下したまたはHIVに感染した小児と成人については、破傷風トキソイドは、免疫反応が最適にならなくても、正常の免疫の人と同じスケジュールと用量が適応となります。

 

急性腎障害(AKI)と慢性腎臓病(CKD)は、いずれも比較的最近になって提唱された疾病概念です。

 

それぞれに定義がありますが、両者の関係については、これまで十分に議論されてきませんでした。

 

先月の日本内科学会の第2日目の講演で、すでに報告済みですが、重要項目でもあり、今後とも検討が加えられる課題だと思われるので再掲することにしました。

 

 

第2 日―平成30 年4 月14 日()― 講演会場(京都市勧業館(みやこめっせ)第3 展示場)

 

パネルディスカッション 14 時40 分~16 時40 分(120 分)

日常診療における難治性疾患への対応とピットフォール………司会 自治医科大学 永井良三     高知大学 横山彰仁

 

急性腎障害(AKI)慢性腎臓病(CKD):その移行メカニズム………京都大学 柳田素子

 

急性腎障害(AKI)とは、数時間から数日の間に、急激に腎機能が低下する病態であり、入院患者の数%が罹患する頻度の高い疾患です。

 

AKIは致死率が高いのみならず、末期腎不全や慢性腎臓病(CKD)に至る予後の悪い疾患であるということが、近年にわかに明らかになってきました。

 

AKIでは、腎臓の機能単位ネフロンの近医尿細管が主として障害されるのに対して、CKDでは線維化と広汎なネフロン障害が特徴になります。

 

特に高齢者ではAKIがCKDに移行し易く、高齢腎における三次リンパ組織形成は、AKIからCKDへの移行を防ぐ新たな治療標的として有望とされます。

 

 

近年、がんと腎臓病の関わりを捉えたオンコネフロロジーが注目されています。

 

抗癌薬使用時には高頻度にAKIを発症します。

 

AKIがCKDに移行し、腎機能が十分に回復しなければ、抗がん薬投与の継続が困難になり、生命予後が悪化するため、AKIがCKDに移行するのを防ぐための方法の確立が望まれています。

 

 

柳田先生のレクチャーは、シンプルでわかりやすいものでした。

 

腎臓の尿細管は薬物障害を受けやすいことは常に念頭におくべきでしょう。

 

急性腎障害は高い死亡率があり、20%は慢性腎臓病に移行すること、また、慢性腎臓病に急性腎障害が生じると予後が悪いことはよくわかりました。

 

ただ残念なことに治療法が未開拓です。

 

それでは、来週から高円寺南診療所ではどのような取り組みをすべきか、今後も引き続き勉強していこうと思います。

ゴールデンウイークも終わりました。

 

連休中は、いかがおすごしでしたか?

 

 

Nogucciは社会福祉士の勉強をしていました。

 

5月15日に最初の提出があるので、一生懸命課題に取り組んでいました。

 

4月中旬からテキストを読んだり勉強はスタートしていましたが、ペースが掴めていない感じでした。

 

連休でまとまった時間が取れたので、とても勉強がはかどりました。時間を作って、テキストを読んで、課題に取り組んでを繰り返していました。

 

 

ペースを掴めていなかったなりに、勉強を継続していたので直ぐに勉強に取り掛かれたのだと思います。

 

課題を紹介します。クイズ感覚で挑戦してみて下さい。

 

<問題>

社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

 

①社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている民間資格である

 

②社会福祉士及び介護福祉士法には、誠実にその業務を行わなければならないという誠実義務が規定されている。

 

③社会福祉士は、クライエントが指導に従わない場合は、クライエントの秘密をインターネット上に公開してもよい。

 

④社会福祉士の資格を喪失した後は、業務上知り得た秘密を守る必要はない。

 

 

こうした課題が25問、論述問題が5問ありました。

 

これからも頑張っていきます。

 

 

 

答えは②です。

わが国の悪性リンパ腫の罹患率は人口10万人当たり約13で、年々増加の傾向があります。

 

男女比は約3:2と男性にやや多く、65~74歳が発症のピークです。

 

 

悪性リンパ腫は、血液細胞に由来するがんの1つで、白血球の1種であるリンパ球ががん化した病気です。

 

全身のいずれの場所にも病変が発生する可能性があり、多くの場合は頸部(けいぶ)、 腋窩(えきか)、 鼠径(そけい)などのリンパ節の腫(は)れが起こりますが、消化管、眼窩(がんか:眼球が入っている骨のくぼみ)、肺、脳などリンパ節以外の臓器にも発生することがあります。

 

 

発症の原因はまだ明らかではありませんが、細胞内の遺伝子に変異が加わり、がん遺伝子が活性化することで発症すると考えられています。

 

また、一部にはウイルス感染症が関係することや、免疫不全者に多いことが知られています。

 

 

組織学的にホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されますが、90%以上がが非ホジキンリンパ腫です。

 

 

近年腫瘍領域で開発されている薬剤の多くは分子標的治療薬です。

 

腫瘍に特異的な分子を標的とするため、腫瘍に特異的に作用することが期待されています。

 

従来の抗悪性腫瘍薬でみられるような脱毛や悪心・嘔吐などの有害事象は比較的軽いことが多いですが、一方で、下痢や皮膚障害などの有害事象が強く現れたり、間質性肺炎や銅静脈血栓症などの重篤な有害事象が生じたりすることがあります。

 

 

悪性リンパ腫の治療は病型により異なります。

 

CD20陽性のB細胞リンパ腫では、リツキシマブを単剤もしくは化学療法との併用で用います。

 

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫〔DLBCLでは、R-CHOP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)が治癒を目指せる標準療法です。

 

濾胞性リンパ腫(FL

高腫瘍量の場合、リツキシマブ+ベンダムスチンやR-CHOP療法などが行われます。

奏功例ではリツキシマブ単独療法が選択肢となります。

 

低腫瘍量の場合、無治療経過観察やリツキシマブ単剤療法が選択肢となります。

 

 

節外性NK/T細胞リンパ腫では、アントラサイクリン系薬を含まない多剤併用化学療法が行われます。

 

 

殺細胞性抗悪性腫瘍薬

 

アルキル化薬:DNAをアルキル化してDNA複製を阻害して細胞死をもたらす

ニトロソウレア類のラニムスチン(MCNU)が用いられることがあるが遅発性骨髄抑制があります。その他にはプロカルカジンがあります。

 

代謝拮抗薬:核酸やタンパク合成過程の代謝物と類似構造をもつ化合物で、核酸合成を阻害するなど細胞を傷害する

 

ピリミジン代謝拮抗薬:GEMが用いられます。

 

プリン代謝拮抗薬:フルダラビンは低悪性度非ホジキンリンパ腫に、クラドリビンは低悪性度B細胞腫に適応があります。

 

白金製剤:DNA鎖内または鎖間結合あるいはDNA蛋白結合を作ってDNA合成を阻害

シスプラチン(CDDP)が代表的薬剤です。

 

トポイソメラーゼ阻害薬:トポイソメラーゼはDNAに一時的に切れ目を入れてDNA鎖のからまり数を変える酵素です。

1)トポイソメラーゼⅠ(一本鎖DNAに作用)

イリノテカン(CPT-11)骨髄抑制や高度の下痢に注意

2)トポイソメラーゼⅡ(二本鎖DNAに作用)

エトポシド

 

 

分子標的治療薬

分子標的治療薬は、従来の抗悪性腫瘍薬と異なり、癌の発生や増殖に関わり、癌細胞にとっては「アキレス腱」ともいえるような分子を標的とすることで抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。

 

予め分子標的を特定し、それに作用するように薬剤が合成されます。

 

剤型から、抗体製剤(主に注射薬)、小分子化合物(主に内服薬)の二つに分けられることもあります。

 

 

抗体製剤

放射線同位元素標識抗体(イブリツモマブ チウキセタン)

CD20に対するマウスモノクローナル抗体にラジオアイソトープ(⁹⁰Y)を結合したもの

CD20陽性低悪性度B細胞リンパ腫とマントル細胞リンパ腫に対して有効だが、晩発性骨髄抑制に注意する。

 

 

悪性リンパ腫の予後も、病型が大きく関与します。

 

しかし、わが国の統計データはありません。

 

ただし、ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫全体での5年生存率で比較すると、欧米のデータとは異なり、日本ではホジキンリンパ腫は非ホジキンリンパ腫より5年生存率の成績が不良でした。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「中府(ちゅうふ)」です。

 

IMG_2454

 

場所は、鎖骨の外端の下の窪みを探しそこから真下に親指の横幅分下にあります。

 

 

「咳」「喘息」「気管支炎」「胸痛」「肋間神経痛」等に効果があります。

 

 

喘息の人はこの部位に圧痛がある事が多いです。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

胆石症に関しては、これまでの常識が、つまり私が30年前に受けた医学教育の内容とは大きく変わってきているので注目しています。

 

かつてであれば、手術による胆のう摘出を勧めたはずの症例が、いまでは薬物療法による経過観察でよいとする症例も増えてきました。

 

 

胆石は腹部超音波検査で簡単に検出し、大きさを計測することも容易なうえ、胆石溶解療法の反応が良いものが多かったため、手術待機中に胆石が消失した多数の成功例を経験してきました。

 

 

高円寺南診療所の外来での胆石症患者の再発予防には、規則正しいバランスの取れた食事が有効であることを説明したうえで、実行し記録を提出していただいております。

 

具体的には食物繊維やカルシウムが多く、動物性脂肪が少ない食事としますが、若干の脂肪摂取は、胆嚢の収縮機能が残存している間は、胆嚢の収縮を促すために勧めています。

 

また胆石患者では適切なエネルギー摂取と運動により肥満にならないように指導しています。

 

また、比較的まれではありますが、急性胆管炎を疑う患者では急激な状態の悪化があるため、緊急入院を要しないと判断される場合であっても、帰宅後も注意深い観察が大切であり、場合によっては救急車を呼ぶことも必要であることを伝えています。

 

 

無症状の胆石では、胆嚢癌発生の危険因子になるとのエビデンスは無く、胆嚢癌発症の合併症について考慮しつつ経過観察とすることになりました。

 

また、胆石症は、かつて女性に多い疾患でしたが、2013年の日本胆道学会の調査では男性に多いことが判明しました。

 

 

胆石症診療ガイドラインでは、無症候性胆石では結石充満型など画像診断で胆嚢壁の評価が困難な症例を除いて原則的に手術をせず、経過観察することが推奨されました。

 

 

胆汁酸利胆薬による経口溶解療法は、胆嚢の機能が正常で直径15mm未満のX線陰性あるいはCT値<60HUのコレステロール結石に対して有効です。

 

胆石は溶解し始めると、その後加速度的に溶解が進みます。消失後は4~6ヵ月ごとに経過を見ます。

 

再発率は3年までで30~40%ですが、再投与によって溶解し易いです。

 

再発防止のために、肥満の抑制、朝食の十分な摂取、食物繊維の摂取、性ホルモンの使用禁止、就眠前UDCA200mg程度の服用などが勧められます。UDCAはCDCAに比べて安全性や有効性の面で優れます。

 

肝内結石はビリルビンカルシウム結石が多く、胆汁酸利胆薬による有効性は少ないです。

 

ただし、胆石発作急性胆嚢炎などの合併症や胆管炎を繰り返す有症状例では抗菌薬の使用など急性期の治療後に腹腔鏡下胆のう摘出術など侵襲の少ない外科的治療が適応となるほか、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が勧められます。

 

腹腔鏡下胆嚢摘出術の普及で、溶解療法やESWLによる治療は減少しています。

 

総胆管結石は胆管炎を起こし致命的になることがあるため、内視鏡的乳頭切開術、バルーン拡張術、結石除去術などの積極的な処置を行います。

 

 

ESWLと溶解療法の適応の違いは、主に胆石の大きさと数にあり、大部分は重複します。

 

浮遊する多発症結石(グレードA),その他のX線陰性のコレステロール石(グレードB)です。

 

効果判定は3ヵ月ごとに行います。大きさが5~10mm(中胆石)や10mm以上(大胆石)では6ヵ月・1年後に再度判定し、径の縮小がなければ無効と判定し投薬を中止の上、1~2回/年の間隔で経過を観察します。

 

 

ESWLによる破砕成功率は75~100%です。破砕片が消失するまでUDCAを併用し、破砕片の1年後の完全消失率は63~90%です。

 

径2㎝以下1個の純コレステロール石(グレードA),その他の径3cm以下、3個以下のX線陰性コレステロール結石(グレードB)です。破砕片の膵管閉塞による膵炎の合併に注意します。

 

 

参照:胆石症診療ガイドライン2016(日本消化器病学会)

ウイルス感染症のうち感染後長い潜伏期を経て発症し進行性の経過を示すものを言います。

 

変性疾患様の発症の仕方をし、慢性進行性の経過により、死の転帰をとります。

 

亜急性硬化性全脳炎進行性多層性白質脳症プリオン病クロイツフェルト‐ヤコブ病などがあります。

 

 

今回は、麻疹の流行などとの関連で注目すべき亜急性硬化性全脳炎(SSPEおよび原因ウィルス抗体陽性率の高い進行性多層性白質脳症(PMLについて紹介します。

 

 

亜急性硬化性全脳炎(SSPEは、麻疹罹患後長期間(平均6~8年)経ってから発症し、ウイルスが脳細胞に潜伏持続感染することにより起こります。

 

高度弱毒化ワクチン接種が行われるようになってからは発生数は著減しましたが、近年のワクチン接種率低下に伴い、増加傾向にあります。

 

小児(18歳以下がほとんどで、ピークは6~8歳)に好発します。麻疹感染後または麻疹ワクチン接種後に3~10年の潜伏期間を経て発症します。

 

発症から死亡までの期間は平均6年と伸びていますが、未だ予後不良です。

 

麻疹ワクチンの接種でもSSPEは起こりえますが、自然感染と比較数と発症率は極めて低いです。

 

診断には髄液所見(麻疹抗体価↑↑)が最も重要です。

 

 

進行性多層性白質脳症(PMLは、宿主の免疫機能低下(HIV感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、ステロイドの投与など)により、JCウイルスが乏突起膠細胞(オリゴデンドログリア)に感染し、脱髄を生じる病態です。

 

腎臓に無症候性に持続感染していたJCウイルスが免疫能の低下に伴い病原性の強いウイルスに変異し、脳に感染してPMLを来します。

 

発症は25~77歳(平均53歳)で発症します。近年では特にAIDSに合併する頻度が最も高く、他にホジキン病、白血病などに合併します。

 

有効な治療法はありません。

 

ナタリズマブ使用患者での進行性多巣性白質脳症(PML)の多発は良く知られています。

 

その他、最近ではフィンゴリモド、フマル酸ジメチルでも報告が続いています。

 

JCウイルスは成人の70%以上が感染していて、JCウイルス抗体陽性率の高いわが国では、十分なモニタリングが必要です。