最近、ワクチン接種を希望される方が増えてきました。それに伴い、いくつかの質問をお受けします。
しかし、そのほとんどは厚生労働省のHPで紹介されているQ&Aを読んでいただければ解決します。
今回は、高円寺南診療所にてそれを簡略化し、重要部分に下線を施したものをご紹介します。なお、麻しん、はすべてはしかに書き改めました。
Q&A
Q.1
なぜ、平成19・20年に10代から20代の人を中心に流行したのですか?
A.1
10代から20代の人たちの中には、今まで一度もはしかの予防接種を受けていない人がいます。
そもそも予防接種は、一度で十分な免疫が獲得できるとは限りません。
はしかワクチンを一回接種しても、数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。そのような人達が蓄積していたものと考えられています。
幼少時にワクチンを1回のみ接種していた当時の10代から20代の人は免疫が強化されておらず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まって来ている人がいたことも原因の一つと考えられています。
Q.2
妊娠しているのですが、はしかの流行が心配です。どうしたらよいでしょうか?
A.2
妊娠中にはしかにかかると流産や早産を起こす可能性があります。
妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討すべきです。
ただし既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることができません。
その場合ははしか流行時には外出を避け、人込みに近づかないようにするなどの注意が必要です。
また、はしか流行時に、同居者にはしかにかかる可能性の高い方(例えばはしかワクチンの2回接種を完了していない者で、医療従事者や教育関係者などはしかウイルスに曝される可能性が高い者など)がおられる場合はワクチン接種等の対応について、かかりつけの医師にご相談ください。
Q.3
外国ではしかになると大変なのですか?
A.3
特にはしかの発生がない、あるいは非常に少ない国・地域では、滞在中にはしかを発症すると、感染の拡大防止のため、発症した本人の移動制限だけでなく、同行者の移動も厳しく制限されることがあります。
Q.4
海外渡航に際して、はしかについて注意すべきことはありますか?
A.4
依然として多数の患者の報告があるのは、主にアジア及びアフリカ諸国です。
中でも、中国、インド、モンゴル、パキスタン、ナイジェリアなどからの報告数が特に多いです。
日本を含めたほとんどの先進国では、はしか対策としてはしかを含むワクチン(主にMMR【はしか・ムンプス・風しん】ワクチン)の2回接種法がとられています。
こうした対策の結果、世界各国でははしか排除を達成する国が増加しています。
しかし、はしかにかかった(検査で診断された)ことがない方が海外渡航される時には、あらかじめはしかの予防接種歴を確認し、はしかの予防接種を2回受けていない場合、または接種既往が不明の場合には予防接種を受けることをおすすめしています。