Nogucciの懺悔録 No.94 <帯状疱疹予防>

2016年3月、50歳以上の人に帯状疱疹(ほうしん)予防の目的で水痘(水ぼうそう)ワクチンを接種することが承認され、帯状疱疹予防が自費で可能となりました。

 

激しい痛みを伴う帯状疱疹(ほうしん)は、体の奥に潜んでいた水ぼうそうウイルスが再活性化して発症します。

 

帯状疱疹は痛みが長引く場合もあります。そのまま放置すると帯状疱疹後神経痛で慢性的な痛みが残ることもあります。

 

 

以下は国立感染研究所HPの引用です

 

帯状疱疹:

宮崎県における調査によると、80歳までに3人に1人という高頻度での発症が推定されている。

 

小豆島での調査では、水痘抗原皮内テストが帯状疱疹のリスク評価の指標となることが示された。

 

帯状疱疹は、皮疹だけではなく、前駆痛から疱疹後神経痛の痛みにより、生活の質(QOL)が著しく低下する。

 

また、帯状疱疹の1病型で、顔面神経麻痺を伴うRamsay Hunt症候群は難治性である。

 

早期治療により軽症化を図れるが、抜本的にはワクチンによる制御が重要である。

 

帯状疱疹の発症と細胞性免疫能の低下に相関がある。

 

水痘ワクチンで細胞性免疫能を増強し帯状疱疹を予防できるかが検討され、米国では2006年に米国食品医薬品局により帯状疱疹ワクチンが承認された。

米国での臨床治験では、帯状疱疹発症頻度、疱疹後神経痛の発生、重症例が、それぞれ50%以上減少した

 

わが国の水痘ワクチンは、米国の帯状疱疹ワクチンと同じ岡株であり、同程度の力価を持っている。

 

 

水痘ワクチンの安全性:

ゼラチンフリーとなった2000年以降、健常児への接種で重篤な副反応は発生していない。

※「重篤」とは、死亡、障害、それらに繋がるおそれのあるもの、入院相当以上のものが報告対象とされているが、必ずしも重篤でないものも「重篤」として報告されるケースがある。

(厚生労働省「乾燥弱毒生水痘ワクチンの副反応疑い報告状況について。」より)

 

 

まとめると

〇帯状疱疹の発症は免疫の低下が関係している。

 

〇水痘ワクチンの接種で、帯状疱疹が発症する頻度、帯状疱疹後神経痛が出ることやその痛みが重症化した例が50%以上減った。(米国)

 

〇ワクチンの安全性は、2000年以降、健常者への接種で重篤な副反応が出ていない。