木村英一さんより、水戸の高校吹奏学部の教え子に自律訓練法、イキイキ体操を行い、その結果をレポートとして頂きました。

 

今回はその第4回目(最終回)です

 

2018年3月25日~17日の合宿での感想です。

 

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<トロンボーン>

中学の時も少し体操をしていたが、それよりもたくさん動いてすっきりした状態で吹けてとても良かった。

みんなで声を出すということが団体行動を大切にしなくてはならない吹奏楽部には良い影響を与えると思った。

体操する前より後の方が素直に音が出せた。

覚えて定期的にやりたいと思う(緊張ほぐしにもなりそう!!)(3年生)

 

ストレッチすることによって、普段の生活で使わない筋肉が動かされたのが、よくわかりました。

楽器を吹くことは、スポーツではないですが、全身を使って楽に吹くことが重要だと思います。

いつも演奏のときに肩が上がったり、上半身が力みがちな癖があるので、上半身はリラックス、下半身は安定して吹けたと思います。(3年生)

 

演奏に効果があったのも そうですが、普段使わないような筋肉がたくさんあること再確認できました。

この体操で使った筋肉はきっと演奏する上でも必要になってくると思うので、鍛えていきたいです。(2年生)

 

普段あまり使われないようない筋肉を使ったような気がして、いい運動になったと思う。

体操でのびをしたりするのがとても気持ち良かったです。そのおかげで、少しスッキリとしたかんじで合奏することができました。(2年生)

 

<ユーホニューム>

からだがのびて、のびのびと吹けた(3年生)

 

体がのびることで、楽に吹けた気がします(2年生)

 

<テューバ>

体操後は体がほぐれた感じがして、楽器が構えやすかった。慣れない動きであったし、初めてやったことだったから、少し筋肉痛になったけれど、とても効果のある体操なので、これからも続けたい(3年生)

 

やる前より吹きやすくなった。無駄な力が入らなくなった(2年生)

 

<コントラバス>

体操をしたことで体がとてもほぐれて、いつもより ひきやすいな と感じました!

特に朝やるととても良いなと思いました!!

これからもやっていきたいと思います!(2年生)

 

<打楽器>

あまり力まず、脱力した良い音につながった!!(3年生)

 

定期的にこの体操をやりたいと思った、体操をやると肩などがほぐれるので、たたきやすかった。(3年生)

 

私は力が入りやすくなってしまうので、体操をやって力をぬいて たたけました。(2年生)

 

体の脱力が感じられた。体を動かすことで、自然な動きで演奏ができた!(2年生)

 

演奏面ではあまり違いが感じられませんでした。でも、動きは良くなったかなと思いました。続けたいです。(2年生)

 

 

この他にコントラバスと打楽器の講師からも体操後は楽に楽器を演奏できたとの感想を頂けました。

 

様々な意見を頂きましたが、イキイキ体操は楽器の演奏に対しても良い効果があることを改めて実感致しました。

 

    2018年4月2日

      木村英一

身体計測と認知症予防について

 

高円寺南診療所の「体組成・体力測定表」によるチェックは、認知症を予測できる

 

 

高円寺南診療所では、従来から身体計測を行ってきました。

 

概ね3か月に1回、つまり季節の変わり目ごとに「体組成・体力測定表」にしたがって健康測定をして、定期通院中の皆様に、その結果を説明し、情報を提供しています。

 

この「体組成・体力測定表」による個別データの集積により、健康年齢を評価したり、治療効果の判定の一助として役立てたり、複数の健康関連因子の中で、とりわけ評価が低い項目を、どのようにすれば向上させていくことができるのかについてアドバイスしたりしてきました。

 

水氣道®や聖楽院は、そのような背景の中から考案され、実践を続けています。

 

 

さて、超高齢社会を迎えて、認知症に対する国民的関心がますます高まりつつあります。

 

高円寺南診療所でも例外ではありません。「体組成・体力測定表」の測定項目のなかで、身長と体重によりBMI(体格指数)を計算することができますが、中高年の肥満(BMI:体格係数で評価)は認知症のリスクを高めることは以前から知られていました(論文A)。

 

その他、最近、胸幅、腹囲、大腿中央部の周囲長が認知症の予測因子であることが明らかになってきました(論文B)。

 

高円寺南診療所オリジナルの「体組成・体力測定表」の項目には、上記論文AおよびBにおいて示された評価因子のうち、胸幅の項目が欠けています。

 

そこで、今後の「体組成・体力測定表」による定期フィットネス測定において、胸幅の測定を追加することによって、身体計測による認知症予測を積極的に推進していこうと考えられます。

 

水氣道®はもとより聖楽院におけるヴォイス・トレーニングは、これら認知症関連因子を改善する効果が期待されているので、私たちにとってとても良い指標ができたことを喜びたいと思います。

 

 

 

 

論文A

体格指数と認知症のリスク:

 

130万人からの個人レベルのデータの分析

 

英国・ロンドン大学(UCL)のMika Kivimaki氏らは、BMIと認知症との関連について検討を行いました(Alzheimer's & dementia誌オンライン版20171120日号)。

 

背景:中年期の高BMIは、認知症リスクを高めることが示唆されています。

 

しかし、認知症発症前の体重減少が、このような影響を隠している可能性があります。

 

方法:

39件のコホート研究より抽出された、認知症でない対象者1349,857例で検討を行いました。ベースライン時にBMIを評価しました。フォローアップ時の認知症発症は、電子健康記録を用いて確認しました(6,894例)。

 

仮説:

認知症発症の数十年前にBMIを評価した場合、BMIはほとんど影響を受けず、より認知症発症に近い時点の診断でBMIを評価した場合、多くの影響を受けると仮定しました。

 

結果:

・認知症診断に対するBMI5kg/m2増加あたりのハザード比:

10年前で0.7195CI0.660.77)、1020年前で0.9495CI0.890.99)、20年超前で1.1695CI1.051.27)でした。

 

結論:

BMIと認知症との関連は複数の過程に起因する可能性が高いです。

 

1)長期フォローアップで観察される高BMIの有害作用

 

2)短期フォローアップ時に、高BMIを保護的に見せる因果の逆転効果

 

原文

Body mass index and risk of dementia: Analysis of individual-level data from 1.3 million individuals.

 

Journal

Alzheimer's & dementia : the journal of the Alzheimer's Association. 2017 Nov 20; pii: S1552-5260(17)33811-6.

 

Author

Mika Kivimäki, Ritva Luukkonen, G David Batty, Jane E Ferrie, Jaana Pentti, Solja T Nyberg, Martin J Shipley, Lars Alfredsson, Eleonor I Fransson, Marcel Goldberg, Anders Knutsson, Markku Koskenvuo, Eeva Kuosma, Maria Nordin, Sakari B Suominen, Töres Theorell, Eero Vuoksimaa, Peter Westerholm, Hugo Westerlund, Maria Zins, Miia Kivipelto, Jussi Vahtera, Jaakko Kaprio, Archana Singh-Manoux, Markus Jokela

 

Abstract:

INTRODUCTION : Higher midlife body mass index (BMI) is suggested to increase the risk of dementia, but weight loss during the preclinical dementia phase may mask such effects.

 

METHODS :

We examined this hypothesis in 1,349,857 dementia-free participants from 39 cohort studies. BMI was assessed at baseline. Dementia was ascertained at follow-up using linkage to electronic health records (N = 6894). We assumed BMI is little affected by preclinical dementia when assessed decades before dementia onset and much affected when assessed nearer diagnosis.

 

RESULTS :

Hazard ratios per 5-kg/m(2) increase in BMI for dementia were 0.71 (95% confidence interval = 0.66-0.77), 0.94 (0.89-0.99), and 1.16 (1.05-1.27) when BMI was assessed 10 years, 10-20 years, and >20 years before dementia diagnosis.

 

CONCLUSIONS :

The association between BMI and dementia is likely to be attributable to two different processes: a harmful effect of higher BMI, which is observable in long follow-up, and a reverse-causation effect that makes a higher BMI to appear protective when the follow-up is short.

 

 

 

論文B

胸部の幅、胴回(腹囲)り、太ももは認知症の予測因子

 

台湾・亜東技術学院のPei-Ju Liao氏らは、認知症発症リスクと身体測定値との関連について調査を行いました(International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版201854日号)

 

背景と目的:

これまで、認知症と特定の身体測定値との関連を調査した研究は、ほとんど行われていませんでした。

 

方法:

200008年における台湾の医療センター健康診断部のデータより、6,831例の人体3D計測によるスキャニングデータ(38の身体測定値を含む)を収集しまし。そのうち236例が、10年のフォローアップ期間中に認知症を発症しました。データ解析には、多重Cox回帰分析を用いました。

 

 結果:

・認知症発症予防の予測因子:胸幅(ハザード比:0.9095CI0.830.98)、右大腿中央囲(ハザード比:0.9395CI0.900.96

 

・認知症発症のリスク因子:腹囲(ハザード比:1.0395CI1.021.05

 

・認知症発症リスクが最大となる組み合わせ:腹囲の値が大きく、右大腿中央囲の値が小さい人(ハザード比:2.4995CI1.544.03)。

 

結論:

身体測定は、臨床医学と予防医学の両方において、将来の応用や科学的なメリットの糸口となる

 

 

原文

Liao PJ, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2018 May 4. [Epub ahead of print]

Chest width, waist circumference, and thigh circumference are predictors of dementia.

 

Journal

International journal of geriatric psychiatry. 2018 May 04; doi: 10.1002/gps.4887.

 

Author

Pei-Ju Liao, Tzu-Yu Lin, Ming-Kuo Ting, Tsung-I Peng, Wen-Ko Chiou, Li-Hsuan Chen, Kuang-Hung Hsu

 

Abstract

OBJECTIVE :

Few studies have investigated the relationship between specific body measures and dementia.

 

METHODS :

Three-dimensional anthropometric body surface scanning data containing 38 body measures were collected from 6831 participants from the health examination department of a medical center in Taiwan during 2000 to 2008, and 236 dementia cases were identified during the 10-year follow-up. A multiple Cox regression analysis was performed.

 

RESULTS :

Specific body measures, namely chest width (hazard ratio [HR] = 0.90; 95% confidence interval [CI] = 0.83-0.98), and right thigh circumference (HR = 0.93; 95% CI = 0.90-0.96), were protective predictors to dementia occurrence. Waist circumference (HR = 1.03; 95% CI = 1.02-1.05) was a risk factor in dementia occurrence. Among the combinations, dementia risk was higher in participants with a larger waist circumference and a smaller right thigh circumference, with the highest HR of 2.49 (95% CI = 1.54-4.03).

 

CONCLUSION :

The body measures provide clues for future applications and scientific merits in both clinical and preventive medicine.

 

 

 

<帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛について>

 

帯状疱疹の原因は何でしょうか?

子どものときにかかった水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が、水ぼうそうが治癒した後も、脊髄近くの神経節と呼ばれる部分に潜み、疲れやストレスなどで身体の免疫力が低下したときに再び活性化することで、神経を通って皮膚に水疱ができます。日本人では5~6人に1人がかかるといわれています。

また、帯状疱疹の名前は、神経に沿って赤い斑点(疱疹)が皮膚に帯状にできることに由来しています。

 

 

帯状疱疹の痛みの種類

帯状疱疹に関連する痛みには、皮膚症状が出現する前に起こる「前駆痛」、

皮疹が出現しているときに起こる「急性帯状疱疹痛」、

そして皮疹が治癒した後も続く「帯状疱疹後神経痛」があります。

 

「前駆痛」や「急性帯状疱疹痛」は、主に皮膚の炎症による痛みですが、

帯状疱疹後神経痛は神経が傷ついたことによる痛みで、発症のしくみが違います。

 

 

帯状疱疹後神経痛の症状は?

帯状疱疹の皮疹(水疱など)が消失し、帯状疱疹が治癒した後も続く痛みのことです。

 

帯状疱疹後神経痛の代表的な症状は、“持続的に焼けるような痛みがある”、“一定の時間で刺すような痛みを繰り返す”といったものがあるそうです。

 

感覚が鈍くなる状態(感覚鈍麻)や、触れるだけで痛みを感じる状態も引き起こします。

 

 

帯状疱疹後神経痛になりやすい人は?

○高齢者

○帯状疱疹の初期症状が重症(皮疹がひどい、痛みが激しい)

○帯状疱疹の時、触れただけの刺激を痛みとして感じる、大きく感覚が低下している方

○免疫力が低下している方

 

 

前回(No.94)国立感染症研究所にありましたが、帯状疱疹後神経痛は「ワクチンによる制御が重要である。」とありました。

 

50歳以上の方は、帯状疱疹予防のための水痘ワクチン接種が自費で受けられます。

 

気になる方は、野口まで気軽に声をかけて下さい。

 

本稽古

杉十小温水プール

参加者総数15名(記録未記入者2名)

 

 

結果1)基本データ

 

○高血圧(収縮期血圧≧160mmHg,または拡張期血圧95≧mmHg)

稽古前:0名

稽古後:1名(141⇒166mmHg)

 

○境界域高血圧(収縮期血圧≧140mmHg,または拡張期血圧90mmHg)

稽古前:4名

稽古後:2名

 

○正常血圧該当者

稽古前:9名

稽古後:10名

 

 

考察1)

稽古前に明らかな高血圧者はみられませんでした。

 

境界域高血圧者4名を除いて、他の参加者は正常血圧でした。

 

しかし、稽古後には、境界域高血圧者の1名が高血圧領域となりました。

 

その原因については、精査および確認の後、該当者に説明する予定です。

 

 

 

結果2)

統計解析データ

 

○収縮期血圧(平均±標準偏差)

 

稽古前:124.2±13.7mmHg

 

稽古後:126.5±20.9mmHg

 

 

○拡張期血圧(平均±標準偏差)

 

稽古前:76.2±9.9mmHg

 

稽古後:77.4±11.6mmHg

 

 

○脈拍数(平均±標準偏差)

 

稽古前:87.4±12.9 拍/分

 

稽古後:83.1±13.4 拍/分

 

 

収集できたデータ標本数は13でした。

 

収縮期血圧、拡張期血圧および脈拍数のデータのそれぞれについて正規性の検定をしたところ、いずれのデータも正規分布(上側検定、危険率5%)とみなすことができました。

 

これにより、いずれのデータもパラメトリック検定を用いることの妥当性を確認することができました。

 

そこで、関連のある2群(稽古前データ群および稽古後データ群)の母平均の差の検定と推定のために、対応のあるt検定を行ったところ、いずれのパラメータも統計学的に有意(両側検定、危険率5%)な変化を認めませんでした。

 

 

 

考察2)

杉十温水プール会場での5月23日(水)午前9:00からの本稽古参加者数は15名で、有効データ数は13でしたが、パラメトリック検定による統計解析が可能でることが示されました。

 

そこで参加者が概ね15名以上であれば、今後もデータの統計解析を継続していく意義は少なくないものと思われます。

 

母集団の血圧および脈拍数のそれぞれの平均値と標準偏差によると、今回の参加者は概して良好に管理されているといえます。

 

稽古の前後において統計学的に有意な変化はみられませんでしたが、その理由は、

 

第1に母集団のデータが概ね正常範囲であるために、高血圧者および頻脈者などに対する水氣道による介入効果を検証する目的では不十分であること、

 

第2に母集団のサンプル数が13と少数であるため、特異的な反応を示した1ケースの影響力が少なくないこと、

 

第3にデータは会場の1階で計測し、地下1階で記録し、さらに地下2階の温水プールにて稽古するという、プール外での異動に伴う運動負荷などの条件による影響があること、などを考慮すべきであると思われます。

 

 

また、稽古の前後において統計学的に有意な変化はみられない、ということは良好な血圧および脈拍数の状態を維持したまま稽古できることを意味し、水氣道の安全性や安定性を支持する一側面を示すものでもあります。

 

さらに、参加者全体の特徴を把握することによって、それとは異なる反応を示す参加者について、個別に検討することによって、病態の把握や治療効果あるいは今後の介入方法を検討する上で有益な情報となる可能性があるものと思われます。

 

 

 

総括)杉十温水プール会場での水曜日午前中の水氣道(本稽古)は、水氣道発祥以来、最も長い歴史をもっています。

 

稽古の前後において統計学的に有意な変化はみられない、という結果は、水氣道の効能を否定するものではないことに注意していただきたいと思います。

 

今後、水氣道による稽古の効果を検討していく上では、体温(額部)、動脈血酸素分圧濃度など客観的な計測値やボルグ尺度(主観的運動強度)などの評価項目を加え、新たなる側面からの解析を加えることも検討しています。

 

杉十会場は、他に月曜日午後の本稽古も発足以来、順調に発展し、参加者も増加していますので、午前中の稽古と午後の稽古との成果を比較検討することにより、稽古時間帯による効果の違いなども今後の課題の一つになっています。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「膏肓(こうこう)」です。

IMG_2464

 

場所は、肩甲骨の内縁の真ん中にあります。

 

 

「喘息」「気管支炎」「寝汗」「貧血」「神経衰弱「肩背痛」「慢性胃炎」等に効果があります。

 

 

風邪の初期によく使うツボです。お灸がよく効きます。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

水氣道(半稽古)

土曜日ハイジア会場 

 

参加者フィットネスデータを報告します。

 

 

参加者総数24名、

有効データ数22件、

不完全記入2件

 

毎回のデータが大切です。

 

遅れて到着したり、帰りを急いだりする場合でも、可能な限り基本データのチェックを省略しないようにお願いいたします。

 

 

 

統計学的な処理方法:

 

<対応のあるt 検定>により関連のある2群の差の検定を行いました。

 

1基本データ

 

1)稽古前データのまとめ

 

収縮期血圧

平均値126.2±19.4 mmHg

最高184、最低101

 

拡張期血圧

平均値79.9±13.8 mmHg

最高124、最低64

 

脈拍数

平均値 82.1±15.2

最高110、最低63

 

 

参加者全体の稽古前の収縮期血圧、拡張期血圧および脈拍数の平均値は、正常域血圧のうち、正常血圧の分類に該当します。

 

基準がより厳しい家庭血圧の目標値(若年、中年、前期高齢患者)

 

収縮期血圧/拡張期血圧(135/85mmHg)と比較しても良好な成績でした。

 

今回の稽古参加者は、全体的に良好なコンディションでした。

 

なお、参加者のうちで最高の高血圧者は高血圧(Ⅲ度高血圧)に該当し、

 

一方、最低血圧者は正常血圧(至適血圧)に該当しました。

 

 

成人における血圧値の分類  

血圧

 

 

2)稽古後データのまとめ

 

収縮期血圧

平均値123.5±13.0 mmHg

最高151、最低105

 

拡張期血圧

平均値77.5±11.8 mmHg

 最高102、最低59

 

脈拍数

平均値 78.7±15.4

最高112、最低46

 

 

参加者全体の稽古前の収縮期血圧、拡張期血圧および脈拍数の平均値は、正常域血圧のうち、正常血圧の分類に該当します。

 

なお、参加者のうちで最高の高血圧者は高血圧(Ⅱ度高血圧)に該当し、一方、最低血圧者は正常血圧(至適血圧)に該当しました。

 

 

3) 稽古介入による変化

 

収縮期血圧

平均値の差 ⁻2.7 mmHg

P値(両側確率)0.28>0.05

 

拡張期血圧 

平均値の差 -2.5 mmHg

P値(両側確率)0.09>0.05

 

脈拍数

平均値の差 -3.4 収縮/分

P値(両側確率)0.12>0.05

 

 

水氣道の稽古によって、参加者全体の収縮期血圧、拡張期血圧および脈拍数の平均値は、それぞれ、若干減少していますが、統計学的に意味のあるほどの低下はみられませんでした。

 

 

考察

稽古前のデータから、今回の参加者は全体的に、血圧の管理が良好に行われていることが示されました。

 

しかし、中には最重度である第Ⅲ度の高血圧者が含まれていました。

 

一方で、収縮期血圧100mmHg以下の参加者はありませんでした。

 

水氣道の稽古の前後で統計学的に意味のある変化が見られなかったのは、全体的に血圧の管理が良好に行われている集団であったためであることが推定されます。

 

 

そこで、高血圧傾向(収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上)

 

または頻脈傾向(脈拍数85/分以上)を抽出して解析してみました。

 

 

 

2.抽出データ

 

1)稽古前データのまとめ

 

収縮期血圧

平均値(データ数8)

146.3±16.4 mmHg  

最高184

 

拡張期血圧 

平均値(データ数7)

89.9±12.4 mmHg

最高124

 

脈拍数

平均値(データ数10)

96.7±9.0 

最高110

 

 

2)稽古後データのまとめ

収縮期血圧

平均値(データ数8)

134.9±12.2 mmHg

最高151

 

拡張期血圧

平均値(データ数7)

85.6±10.1 mmHg

 最高102

 

脈拍数

平均値(データ数10)

89.5±10.8

最高112

 

 

3) 稽古介入による変化

 

収縮期血圧

平均値の差(データ数8)

-11.4 mmHg

P値(両側確率)0.04<0.05

 

拡張期血圧

平均値の差(データ数7)

-4.3 mmHg 

P値(両側確率)0.88>0.05

 

脈拍数

平均値の差(データ数10) 

-7.2 収縮/分 

P値(両側確率)0.03<0.05

 

 

 

結果:

 

高血圧傾向および頻脈傾向に該当するデータを抽出して解析したところ、稽古後には、収縮期血圧はマイナス11.4mmHg, 脈拍数はマイナス7.2、いずれも統計学的に優位な低下が見られました。

 

拡張期血圧に関しても平均でマイナス4.3低下しましたが、統計学的な意味は認められませんでした。

 

 

 

考察:

土曜日のハイジアでの水氣道は半稽古(45分程度)参加者全体の稽古前の収縮期血圧、拡張期血圧および脈拍数の平均値は、126.2 / 79.9mmHg、82.1/分でした。

 

これは家庭血圧の目標値(若年、中年、前期高齢患者)収縮期血圧/拡張期血圧(135 / 85mmHg)と比較しても十分良好な成績でした。

 

土曜日の参加者の中には、元来、多数の高血圧患者が含まれていましたが、全体的には極めて優秀な健康管理水準を達成している集団であると評価することができるでしょう。

 

 

高血圧傾向者の収縮期血圧をマイナス11mmHg以上、および頻脈者の脈拍数を7以上、それぞれ統計学的に優位に低下させる効果があることが実証されました。

 

一方、参加者の中には稽古の前後で、いずれにおいても低血圧者や極端な徐脈者はいませんでした。

 

水氣道は、薬物療法とは異なり、高血圧傾向者の降圧効果や頻脈傾向者の脈拍数安定作用があるばかりでなく、正常血圧者および正常脈拍数者にとっても安全に実施できるエクササイズであることの一端が示されました。

 

なお、収縮期高血圧の血圧降下作用と頻脈の脈拍数正常化作用は、疲労状態や不安・緊張等の状態にある方に対する水氣道によるリラクゼーション効果であると解釈することも可能かもしれません。

 

 

展望:

土曜日のハイジアでの半稽古は、水氣道の発展・改良のために有益なデータを収集できる可能性が十分あります。

 

そのため、今後は、体温、動脈血中酸素分圧濃度、自覚的疲労度など、参加者の皆様の負担を考慮して測定項目を追加する予定です。

 

 

 

推奨:

コース別プログラムが主体であることを上手に活用してみましょう。

 

たとえば、稽古当日に高血圧あるいは高脈拍が顕著な方は、第3レーンの金澤組(理気航法)、もしくは第4レーンの中川組(自由航法)に参加して、まずはリラクゼーションをはかるなどの工夫も可能だと思います。

 

積極的な体力強化を図りたい方、あるいは個別の強化課題をお持ちの方は、通例、第1組もしくは第2組のリーダー(総長、組長もしくは班長)に、遠慮なくご相談ください。

 

新しい測定項目を追加することによって、よりきめの細かい対応が可能になるものと思われます。

 

木村英一さんより、水戸の高校吹奏学部の教え子に自律訓練法、イキイキ体操を行い、その結果をレポートとして頂きました。

 

今回はその第3回目です

 

2018年3月25日~17日の合宿での感想です。

 

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<ファゴット>

体操をやる前とくらべて発音が変わった気がする(2年生)

 

 

<ホルン>

前より吹きやすくなりました!余分な力が入らなくなった気がします。(3年生)

 

肩こりがひどくて、うでもあがらないことがあったので最初は痛くて全部やりきるのが大変だったけれど、3日目には肩こりもよくなってきて、息も少しいれやすくなった。続けたもっと楽に吹けるようになるかなと思った(3年生)

 

体操をやる前とやった後では体の動きが全然違った。息が自然と楽器に入る気がした。(3年生)

 

バキバキだった肩が、あの体操をしただけで、とても楽になった。うでがとても楽に上がるようになった。音も楽にでるようになってとてもよかった。でも、しばらくしてすぐ力が入ってしまったので気をつけたい。(3年生)

 

肩が軽くなった感じがしました。楽器を吹くのに力がとれた感じがした。(2年生)

 

筋肉がほぐされてリラックスした状態で演奏できた。音がいつもよりスムーズにでた。体を動かすことで気分的にも前向きになれたし、音も明るくなった(2年生)

 

 

<トランペット>

肩こりがなんか治りました。高音がすごく当たりました。楽しかったです。息が吸いやすくなった。(3年生)

 

3日間やって、体操することで、体が温まって楽器が吹きやすくなった。たのしかった(3年生)

 

体操をやってから楽器を吹くことで、体の力を抜いて、リラックスした気持ちでできました。(3年生)

 

指がいつもより動かしやすかった。息が少しラクに吸えた。たのしかった。(3年生)

 

体操後に体が軽かった。(2年生)

 

体操する前よりリラックスし吹けるようになった(2年生)

 

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先週末の鹿児島での学会(第83回日本温泉気候物理医学会)では、高円寺南診療所および水氣道®のために有用な発表が多数ありましたので、報告します。

 

なお朱文字はコメントです。

 

 

【総会講演】より

 

○ウェアラブルセンサーで幸福度、コミュニケーション活性度、医療技術熟練度を測定する:温泉療法の客観的効果判定への応用

 

島岡要、三重大学大学院医学系研究科分子病態学

 

ウェアラブルというのは身体装着可能な、という意味です。水中でも装着可能な装置が開発されていますので、今後、水氣道の臨床効果を分析して、プログラムのさらなる改善を図るうえで参考になりました。

 

【シンポジウム】より

 

○継続的日帰り温泉利用と浴中セルフストレッチが心身にもたらす効果

 

後藤康彰ら、日本健康開発財団

 

週に1回の水氣道参加者であっても家庭での入浴療法を組み合わせれば、さらなる治療およびフィットネス効果を期待できるのは、高円寺南診療所でも実証済みです。

 

 

○慢性疲労症候群と慢性疼痛にたいする和温療法の効果

 

増田彰則、増田クリニック

 

 和温療法というのは、鹿児島大学医学部の鄭忠和教授が開発した遠赤外線乾式低温サウナ療法です。

 

この和温療法は、室内を均等の60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ治療室で全身を15分間温めて、サウナ出浴後さらに30分間の安静保温を追加して、最後に発汗に見合う水分を補給する治療法です。

 

この治療法は、すでに国際的な評価を得ています。

 

水氣道との相違点は、水氣道は概ね30℃の室内気温と30℃程度の水温での有酸素運動を行う方式であること、実施時間は45~90分程度であること、集団での訓練であることなどです。

 

水氣道の歴史は18年以上におよび和温療法より古いこと、和温療法より以前から、慢性疲労症候群や線維筋痛症をはじめとする慢性疼痛の治療に成功してきたことは誇りにできます。

 

しかし、残念なことに知名度低く、今後の啓発普及が必要です。鄭教授が最近出版されたご著書:なぜ微熱は体にいいのか<毛細血管が生き返る生活術>【講談社、2018】を一冊購入してきました。

 

鄭先生が「和温療法」というタイトルを考えていたところ、編集者から、「和温療法」は知名度が低いので本が売れないと注意され、上記のタイトルに落ち着いたというエピソードを鄭先生から直接伺いました。

 

なおさらのことですが、水氣道はさらなる努力が必要なようです。

 

 

【一般演題】より

 

○線維筋痛症患者の入浴習慣と温泉嗜好

 

雨宮久仁子ら、国際全人医療研究所

 

 興味深い演題でしたが、質疑応答の時間がありませんでした。

 

 

○入浴指導により便秘が改善され減薬が可能となった高齢者の一例

 

井上宏貴、内田病院内科

 

 水氣道は生涯エクササイズ用にデザインされていますので、もちろんこのような高齢者をも想定しています。超高齢社会の健康維持増進には大きな力を発揮できるという自信があります。

 

 

○当院入院患者における、水中運動で自主訓練・個別指導が股関節外転筋力に与える影響

 

小川貴大ら、栃木県医師会立塩原温泉病院

 

水氣道は、概ね4級(高等訓練生)以上の会員には、定期的に自主稽古(自主訓練)をすることを推奨しています。

 

また、全体訓練の他に、組別>班別>さらには必要に応じて個別指導を行っていますが、股関節外転筋力は特別に意識しなくとも自然に強化されるプログラムになっております。

 

この種の筋力トレーニングは、姿勢の維持・平衡機能を高め転倒リスクを軽減します。

 

万が一、転倒しても、水中であるため骨折などの事故を未然に防ぐことも可能であることも、水中運動のメリットの一つです。

 

 

○水中運動によって、立ち上がり動作が改善した症例

 

田中祈ら、栃木県医師会立塩原温泉病院

 

体位の変換や姿勢の矯正により、動作ばかりでなく呼吸パタンがより健康的になることも水中運動の強みでありましょう。

 

 

○各種の疼痛性疾患に関する温泉療法に関する報告の現状

 

 小山祐介、福山市民病院麻酔科・がんペインクリニック

 

 線維筋痛症、変形性関節症、骨粗鬆症、関節リウマチ、脊柱管狭窄症など運動器の疾患の他に、脳卒中後遺症、パーキンソン症候群、さらには癌の方など、永らく痛みや運動困難で苦しんできた患者さんのほとんどが水氣道の適応になります。

 

中には、手術前の方、手術後の方もいらっしゃいます。

 

手術予定の方も、あらかじめ水氣道で準備をしてから手術に臨むことによって、治療成績を向上させ、術後のリハビリテーションもスムーズに進行できるという利点には計り知れないメリットがあります。