最新の臨床医学:4月15日<多血症(赤血球増加症)>

赤血球増加症の鑑別診断は、まず循環赤血球量が増加する絶対的赤血球増加症と、増加しない相対的赤血球増加症に大別されます。

 

さらに、前者は真性赤血球増加症二次性赤血球増加症とに鑑別されます。

 

二次性赤血球増加症とは、血清エリスロポイエチンが高値となることによって赤血球が増加するもので、原因としては、低酸素状態やエリスロポイエチン産生腫瘍等があります。

 

なお、慢性骨髄性白血病以外の骨髄増殖性腫瘍(真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症)に共通してJAK2遺伝子が見られます。

 

また、真性赤血球増加症の診断基準の大項目にJAK2V617FもしくはJAK2exon12変異を認めることが盛り込まれています。

 

わが国では、JAK2阻害薬でルキソリニチブが2015年に保険適応になりました。

 

 

高円寺南診療所でも、しばしば多血症(赤血球増加症)を発見しますが、そのほとんどが相対的赤血球増加症です。その原因は、喫煙、慢性的なストレスや疲労、高血圧によるものがほとんどでした。

 

 

赤血球増加症の鑑別

赤血球