第115回日本内科学会(京都)報告②:4月14日(土)その3

教育講演9.13 時00 分~13 時20 分(20 分) 座長 日本大学 橋本修

COPDの治療管理………東北大学 黒澤一

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)=肺気腫+慢性気管支炎

 

喫煙者の15%が罹患、約500万人 患者数が多く、認知度が低いのが問題

 

これは、心身症、心療内科も同じ悩みを抱えている。

 

認知度80%を目標に掲げているが…

 

主流煙流2μm、副流煙粒2μ

 

COPD診断と治療のためのガイドライン2018(第5版)

 

<炎症>というキーワードは消えたが、より広範な疾患概念に発展。

 

喫煙歴のある中高年者の場合、症状が無くても疑う

 

空気を出しにくく、空気が肺に溜まってしまう。

 

気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーでFEV₁/FVC<70%

 

治療は、禁煙(受動喫煙の防止を含む)、ワクチン接種、早期介入、疾患認知

 

非薬物療法が不可欠:身体活動の向上と維持(生命予後を決定する!)、呼吸リハビリテーション導入・維持

 

(教育・運動・栄養)

行動変容:生活習慣が望ましい方向に変わる

 

動機付け、強化など、SpO₂<90%で酸素療法

 

慢性閉塞性肺疾患の治療は、薬物療法のみでは限界があり、非薬物療法で補う必要があるということです。

 

非薬物療法としては、認知行動療法や運動療法が注目されています。推奨していますが、残念ながら積極的に実施しているところは限られています。

 

大学病院で大げさに運動療法を始めてどうしますか。入院期間も限られているので、呼吸器リハビリプログラムも中途半端だと聞き及んでいます。

 

やはり、内科の発想では薬物療法が主体であって、非薬物療法は付け足しという扱いだから、運動療法が出遅れるのではないかと思います。

 

やはり、ここは高円寺南診療所方式がスタンダードにならなければ、多くの患者さんは救えません。手遅れにならないうちに今から水氣道®、楽しく始めるなら聖楽院の聖楽療法です。

 

 

特別講演 13 時20 分~14 時00 分(40 分) 「がんプレシジョン医療」の現状と課題 ……座長 第115 回日本内科学会講演会会長 河野修興  シカゴ大学 中村祐輔

 

「プレシジョン医療」(オバマ大統領)=「オーダーメイド医療」

 

がんは早く見つけられるものほど治癒率が高い。

 

ただし、早期に発見しても治癒が困難な癌がある。

 

がんの検診率、簡便なスクリーニング法の開発

 

がんの超早期再発診断法の開発・超早期治療

 

新しい免疫療法:ネオアンチゲンワクチン、オンコアンチゲンワクチン(ニボルマブ)

 

がん特異的CTLのクローニング⇒TCR導入、T細胞療法

 

大きなデータベース⇒人工知能の活用

 

クラウドシステム(医療・DNA情報)

 

がんゲノム医療:遺伝的・後天的なゲノムの多様性

 

米国FDA承認:医療機関を介さずに、遺伝子検査を受けることができる

 

リキッドバイオプシー:その人の癌の個性を明らかにすることができる

 

検出率は、癌の種類によりほぼ100%から60%まで、疑陽性率は1%程度

 

画像診断より6~9か月早く、転移・再発を感知することができる

 

がん由来のDNAを検出することにより

 

抗がん剤の薬剤応答性による4分類

 

ヒトゲノム暗号全解析2001

 

遺伝子HLA-B*3101はカルバマゼピンによる薬疹の発症リスクと関連する

 

免疫チェックポイント抗体治療で腫瘍縮小がみられる割合、縮小率は25%以下

 

結局は、どんな抗ガン治療も、患者さん自身が持つ免疫力が前提となる

 

ネオアンチゲン予測

 

T細胞受容体導入T細胞療法

 

これはとても興味深いテーマですが、さすがに解説するのが難しいです。腰を落ち着けて、ゆっくりと機会を改めてご紹介したいと思います。