中欧研修レポート:第12日目

日本日時3月26日11:00pm

(現地 Frankfurt日時:3月26日3:00pm)

 

 

ザクセンの古都ドレスデンの素晴らしい時間は、わずか一泊です。

 

やはり疲れと開放感のためか、次第に起床時間が遅くなって、本日は現地時間で8:30amに朝食を摂りました。この時間になると朝食レストランは宿泊客でごった返しています。

 

やはり、できるだけ早起きして、気持ちの良い環境で朝食を摂りたいものです。

 

基本的には、見知らぬ人同士の相席ができる雰囲気ではありませんから、席はすぐに埋まってしまいます。旅を急ぐ人にとっては落ち着いて朝食を摂ることはできません。

 

幸い、本日の出発はゆっくりなので、ゆっくりと食事を楽しむことができました。

 

私の中欧旅行においては、朝食が主食の役割を果たしました。

 

せっかくのドレスデン、しかも風致地区内の最高の立地にもかかわらず、観光もせず、すぐ目の前の有名な歌劇場でのオペラも楽しむこと無く時間をすごしましたが、最初からガイドなしでドレスデンを堪能できると考えてはいませんでしたので、今後の楽しみです。ポイントは2泊を確保することです。

 

中欧旅行において、最も時間をロスするのは、移動です。ですから、移動をなるべく効率的に行うための事前の準備が必要です。

 

基本的に一泊旅行は、現地の土地勘を得るための視察と考えています。気に入ったら、いつかまたゆっくりと来ればよい、そんな考え方です。

 

いよいよ駅に向かうというチェックアウト直前まで、ホテル周辺を散歩しました。天気にも恵まれた素晴らしい週末です。

 

 

チェックアウトでのやりとりも慣れてくれば楽しいものです。

 

最後に感想を聴かれるのが常です。<お蔭様でゆっくり快適に過ごせました。気に入ったので、また来てゆっくり滞在します。>というと、満面の笑顔で喜んでくれます。

 

 

来年オープン予定の国際クリニックでも、<きょうの診療はいかがでしたか>と患者さんに尋ねることがあっても良いように思えました。早速、検討課題にしたいと思います。

 

 

天気に恵まれ、空気もきれいな旧市街の通りをガラガラ音を立てて駅に向かいました。

 

駅にはReise Zentrum (旅行センター)があって、ここで切符の手配を行います。

 

入り口には整理券自動発券機があり、それに印字された番号が電光掲示板にカウンター番号と共に顕れて来るのを待ちます。

 

実は、ここからが問題なのです。待ち時間が長いのです。一人あたり3分以上かかることがあります。結果的に30~40分待たされることもザラなので、それで乗り遅れることがあります。

 

日本ですでに予約しているのにもかかわらず、予約がとれていなかったなど、珍しくはありません。

 

それでも主要都市間では、次の列車を当日予約すれば良いのですが、本数の少ないローカル線ではとんだことになりかねません。ですから、出国前日には空港に近い主要都市に宿泊していることが肝要だと思います。

 

 

さて、名残惜しいドレスデンですが、Reise Zentrumのカウンターのおばさんには困りました。

 

聞き取りにくい言葉で、何を言っているのかさっぱりわからないのです。

 

私のドイツ語は通じているようなのですが、彼女はさらに早口になります。仕方がないので、英語に切り替えたら、英語はわからないという。

 

これで3分を要し、またもやギリギリ乗り遅れとなりました。そこで、改めて1等車用の整理券のボタンを押して、再び待ち始めたところ、今度はすぐに番号が掲示されました。2等車用の整理券ではさらに30分以上待たされたことでしょう。

 

今度のカウンターは先ほどの隣で、ドイツ語でのやりとりた。ただし、1等車は予約満杯なので、2等車で良いかときかれたので、それで良いとしました。

 

ウィーン国際空港でも経験しましたが、担当者間の対応能力には大きな格差があるので、当たりはずれがあることは、覚悟する他ありません。

 

そういえば、旧東ドイツ圏の鉄道は、いくぶんではありますが、かつての共産圏の名残を残しているのかもしれない、と感じることがあります。

 

<時は金なり>、といいますが、外国旅行をしていると身に沁みます。お金でサービス内容が変わるのは合理的と言えば合理的です。お金を出し惜しみして貴重な時間とチャンスを失うのは賢明ではありません。

 

結局0:21pm発のところ1:14pm発となって、2:00pmにLeipzig着の列車に乗車できました。人身事故等もなく快適でしたが、到着は310到着でした。

 

多少の時間の遅れは、普段ならきにならないのですが、外国でのこととなると、列車を乗り間違えたのではないか、など要らぬ心配が生じてしまいます。

 

 

無事Leipzigに着きました。初回と2回目では気分は大違いです。

 

最初は2年前次女と来ました。そのときは、ベルリンからミュンヘンに向かっての強行軍で、ライプチッヒで途中下車して、アウエルバッハという老舗のレストランで昼食をとり、聖トーマス教会土曜午後3時からのモテット付の礼拝に参加し、その足でミュンヘンへ向かったのでした。

 

今回は、駅を下りて右手すぐのIntercity Hotelに宿を取りました。受付の若い女性は愛想が良く、日本通とみえてか、一通り型通りのやり取りを済ませてから、「ようこそおいでくださいました。」と美しい日本語で迎えてくれました。

 

言葉の力は大きいです。Sie spricht ganz schönes Japanisch!(あなたはとってもきれいな日本語をお話になりますね!)と返すと、Danke schön!ととびっきりの笑顔が返ってきました。

 

エレベータに乗ろうとしていると、「いいじまさん、いいじまさん。」と呼ぶ声がしました。受付の彼女が私のニット帽を手渡してくれました。Danke schön! Bitte Schön! とあいさつを終える間もなくエレベータのドアが閉まりました。彼女は、きっと日本留学もしくはホームステイの経験があるのでしょう。

 

 

Intercity Hotelは主要な駅の近くにあって、交通のアクセスが良いのが大きな魅力です。

 

外国旅行では、目的を相当絞ってかからないと時間に追いまくられることになります。それも大抵は、こちらの都合ではなく、お国のシステムの事情です。

 

日本という国のインフラがどれだけ整備されているのかを、欧州の先進国に行っても感じ取ることができます。きっと、パスモの使い方を知らない旅行客のようなものでしょう。

 

 

ドイツでは日曜日となると、繁華街でも人通りが閑散となります。今回も聖トーマス教会に立ち寄り、ゴスペル月の礼拝に預かることにしました。

時間は6:00pmなので、ホテルでインターネットを接続して、一仕事した後でも十分に余裕がありました。

 

ゴスペルを歌うのは教会の信者たちおよそ20人ほどで、男性は5名、ゴスペルというので英語の歌でした。

 

他にベース1、ギター2、キーボード1、ドラム1によるモダンな構成でしたが、そこは伝統ある聖トーマス教会、後部中央の高みにはパイプオルガンとその奏者がスタンバイしています。

 

前回はモテットで、高度な訓練を受けている聖歌隊による演奏であったのと比較すると、大分世俗的な礼拝コンサートでありました。

 

プロテスタント色が明確で、厳かさの中もフレンドリーな雰囲気に満たされていました。二年前の女性牧師とは別の女性牧師だったように思います。今回の牧師の声は清らかに澄み渡り、ルターの聖書の朗読も、音楽的で癒されました。

 

5ユーロ札しか残っていなかったので、それで献金しました。カトリック教会のミサでは、いつも1,000円献金することを習慣にしているので、少し安かったかなとも思いましたが、ここでの相場のようでした。教会は魂の病院なのだと思います。

 

 

ライプチッヒで最大の教会といえば、カトリックのニコライ教会で、今度こそは尋ねてみようと考えていたのですが、疲労と尿意に負けて、ホテルに引き返しました。

 

私の患者さんで水氣道の会員でもある、ある女性は、ヨーロッパはトイレを探すのが大変なのが難点だと言っていましたが、同感です。

 

今回は、それを痛切に感じました。とくに古い教会などは、わざわざWCと表示しておきながら、近くにいってみると厳重に施錠されて使用できないということがしばしばありました。

 

そんなときは、神様ごめんなさい、と多少不信心な皮肉をこめて、教会の近くの茂みを探すほかありません。

 

主要な駅のトイレを捜すのも、慣れていないと大変です。案内板が日本ほど親切ではなく、やっとたどりついても有料だったりします。使用料は1ユーロなのですが、やっとほっとして膀胱括約筋が弛緩してからのコイン漁りは喜劇を通り越してパニック寸前です。ましてや女性の場合、くれぐれもご用心!

 

 

その夜は、ホテルのレストランで久しぶりの夕食を楽しみました。

 

わたしは、旅行先で仕事を終えた日の夜は、地酒と地元の料理を楽しみますが、国内では日帰りのことも多いので、その楽しみの機会も減ってきました。

 

ライプチッヒといえば18歳の次女がはじめてビールを経験した土地です。地元産のビールをオーダーするとカウンターの女性が、Helles oder Dunkles?(淡色それとも濃色)と尋ねてきました。Ein Dukles bitte.(濃い色のビールを一つ)と答えました。

 

料理はミックスサラダとGulasch(グーラシュ)にしました。このGulaschは同じ綴りでも、地方によって発音も、料理の内容も違ってくるので面白いです。ベルリンではグラッシュと発音していましたが、ライプチッヒはウィーンと同じでグーラッシュと発音していました。もっとも、ウィーンのそれはスープ状でしたが、ライプチッヒのは味も色も濃い目のシチューのようでした。軽い夕食を考えていましたが、夕食を軽めに抑えていた私にとっては結構ヘビーでした。

 

Gulaschの皿をきれいに平らげたかったので、Ein Brötchen bitte! (小さい丸いパンを一つください)とオーダーしたところ、待ってましたとばかりに、手ごろな大きさの5切れのパンの入った籠を持ってきてくれました。

 

Gulaschのお皿はすっかりきれいになりましたが、私のお腹は一杯になりました。

 

すぐに寝てしまうのは良くないので、今回の学会で知り合った方々にメールを書いたりしてから、いつの間にかに寝ていました。