希少疾患は稀な病気という意味のRare Diseaseの日本語訳です。

 

今年も、全国で希少疾病に関するさまざまなイベントが開催された模様です。

 

 

本年1月に厚生労働省で開催された厚生科学審議会疾病対策部会で、

 

特発性多中心性キャッスルマン病

A20ハプロ不全症

関節型若年性特発性関節炎

ほか3疾患が、新たに指定難病に追加される見込みとなりました

(新規は1疾患、既存疾患への統合は5疾患)。

 

 

これにより、4月から331疾患が指定難病の対象疾患とされます。

 

これらの疾患は公費による診療や研究への助成が行われることになります。

 

希少疾病ライブラリでは、今回追加される予定の「キャッスルマン病」の

 

概要を紹介しております。

 

 

キャッスルマン病

 

http://navi.mail.carenet.com/c0/ex/3VlQ1ucvdz66u4cGRoHOGijHV_DIfEAtquiU5qNKBOE/www.carenet.com/report/library/general/rare/castleman.html

 

2月以降に新規に公開した疾患は次のとおりです。

 

 

アイザックス症候群

 

http://navi.mail.carenet.com/c0/ex/3VlQ1ucvdz66u4cGRoHOGijHV_DIfEAtquiU5qNKBOE/www.carenet.com/report/library/general/rare/isaacs.html

労作性狭心症は、日常的な病気です。この病気の診断は必ずしも簡単ではありません。

 

運動負荷心電図や補助診断として心筋シンチグラフィ(²⁰¹Tl,⁹⁹mTc心筋血流製剤)を行うことがあります。

 

慎重で厳密な診断を試みるために待機し過ぎると、手遅れになったり、負荷試験が大きなリスクを伴たりします。

 

 

発作時は安静にして心筋酸素消費を減ずるようにします。

 

しかし、速やかに症状が軽快しない場合はニトログリセリンを用いったりすることがあるため、高円寺南診療所では早期に治療的診断を行います。

 

5ないし10分毎に3回用いて改善が不十分な場合は心筋梗塞への移行を警戒します。

 

実際には、この状態は生命の危機に関わるので、この状態に至らないように事前に手立てを講じておく必要だと思います。

 

 

非発作時にはβ遮断薬が中心となります。

 

ただし、経過によっては冠攣縮の合併も考え、硝酸イソソルビド(ASDN)、カルシウム拮抗薬を併用するようにしています。

 

また、冠血栓の予防には低用量のアスピリン製剤を投与します。

 

 

虚血性心疾患の薬物療法は、一般に危険因子の軽減、生活習慣の改善の上で、抗血小板薬、スタチン、β遮断薬、ACE阻害薬などの内科的治療を至適に行います。

 

急性および慢性虚血性心疾患への抗血小板薬として、アスピリン以外に血小板ADP受容体(P2Y₁₂)阻害薬(クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル)が使用可能となりました。

 

ただし、基礎及び臨床研究においてエビデンスの多い抗狭心症薬はβ遮断薬であり、しかも、心筋梗塞後の二次予防として長期生命予後を改善することが証明されています。

 <診療所移転・新クリニック開設計画>

 

 

平成29年度の最終月を明後日に迎えます。

 

平成31年7月には、私、飯嶋正広が高円寺南診療所の開設者・管理者となって30周年を迎えます。また改元が行われ新しい時代の幕開けとなります。

 

私にとって高円寺南診療所の歴史は、平成という時代にほぼ重なっています。

 

そこで、平成時代の幕引きを見届けてから、私たちも新しい時代と共に再出発をすること、

 

つまり、これを機に、<診療所移転・新クリニック開設計画>に着手することにしました。

 

 

そもそも、<高円寺南診療所>という医療機関名称は、昭和61年に定まり、私はその名称をそのまま継承して現在に至っております。

 

高円寺南診療所という看板を背負って、若干29歳から、この地に30年間の歴史を刻むことにより、臨床医として実に得難い経験ができたことに感謝しております。

 

ただし、30年の医療実践の集積の結果、多くの問題点や限界も見えてまいりました。

 

この間、社会構造や医療環境も大きく変化してきました。また高円寺南診療所の建造物の老朽化は限界に近付きつつあります。

 

 

計画立案に伴い、新クリニック名称を「杉並国際クリニック(仮称)」とします。

 

杉並国際クリニック(仮称)」は、外国語診療が可能な医療機関であると同時に、労働衛生コンサルタント事務所、水氣道®の本部事務局、聖楽院本校を束ねる組織になります。

 

 

また医療機関も労働の場であり、労働の場は生活の場でもあります。

 

生活の場の環境を整備することも、医療提供者として欠かせない責務であると思います。

 

医療設備の充実とともに、健康で文化的な居心地の良い環境を整備することは、患者の皆様の治療効果にも大きなメリットを提供できることでしょう。

 

 

現時点において「杉並国際クリニック(仮称)」は実在しません。

 

あくまでも、試行錯誤の段階での構想に過ぎません。つまり、精神性の産物です。

 

杉並国際クリニック(仮称)」は、資本主義体制下の株式会社等の物的会社ではなく、精神性の産物である人的会社です。

 

したがいまして、その精神的なオーナーは、現在の高円寺南診療所の患者の皆様に他なりません。

 

 

杉並国際クリニック(仮称)」は、現在の高円寺南診療所の患者の皆様の希望や期待に最大限に応えるデザインをもとに構築することによって、世界に通じる、日本の新しい時代の都市型モデルクリニックを目指したいと考えております。

 

 

高円寺南診療所の患者の皆様には、直接口頭で、あるいはアンケート等により、様々な角度からご意見、ご要望などを承りたく準備を進めて参りますので、その節はご支援の程、どうぞよろしくお願いいたします。

 

中東呼吸器症候群(MERS)は中東諸国で患者やラクダとの接触後、1週間程度の潜伏期を経て発熱、咳などの呼吸器症状、嘔吐・下痢などの消化器症状で発症する感染症です。

 

重症化すると肺炎・腎不全などにより20~40%の致死率であるとされます。病原体はMERSコロナウイルスで、接触・飛沫でヒト-ヒト感染すると考えられています。

 

 

2012年にサウジアラビアで最初の症例が報告されて以来、主に中東地域を中心とした流行が報告されていました。

 

しかし、2015年に韓国で大流行し、日本への波及が懸念され、2類感染症に指定されました。

 

まだ国内での報告例はありませんが、高円寺南診療所では中東周辺諸国からの出身者も受診していることから考えても、海外から感染者が入国した場合に、適切な対応を取るための情報整理は必要であると考えています。

 

 

発症者は何らかの基礎疾患を有しており、これまでの流行の多くは医療施設内でおこっていることから、予後不良因子として、免疫不全、合併症(肥満・糖尿病・心疾患・肺疾患など)、併発する感染症、低アルブミン血症など栄養障害、65歳以上の高齢者などとされます。

 

したがって、対策としては、栄養障害を是正し、免疫力を保持強化し、一般的な感染症を予防し、肥満・糖尿病などの生活習慣病のコントロールをすることが肝要であると思われます。

 

 

以上より、水氣道®の発展は中東呼吸器症候群(MERS)をも予防し、世界を救いうると真剣に考えています。

 

ギー 第3報:ココナッツオイル、MTC(中鎖脂肪酸)オイル>

 

No.79で「次なるココナッツオイル」と出てきたけど、ココナッツオイルの説明がないよ?

あと前回出てきた「MTCオイル」も一緒に説明してください。

 

とのことで、「グラスフェッドバター」に続いて「ココナッツオイル」「MTCオイル」です。

 

ヤシの実の胚乳からとれるのがココナッツミルク、ミルクから油分を分離させたのがココナッツオイルです。

 

 

オイルといえば食べ過ぎると

「健康に良くない」

「太る」

「脂っぽい肌になる」

というイメージでしたが

 

ココナッツオイルは

「健康に良い」

「ダイエット効果もある」

「美肌効果もある」

と三拍子そろったオイルです。

 

 

ココナッツオイルが多く含まれているのは、中鎖脂肪酸です。

 

この中鎖脂肪酸が健康や美容、ダイエットに効果があると注目されています。

 

ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が60%含まれます。

 

MTCオイルはココナッツオイル等から中鎖脂肪酸を抽出したオイルで、100%中鎖脂肪酸です。

 

 

<中鎖脂肪酸の働き>

中鎖脂肪酸は肝臓で分解されると「ケトン体」という物質になります。

 

そしてケトン体が増えると体の中の脂肪が燃えやすくなり、「お腹が空く感じ」も感じにくくなると言われていています。

 

そのケトン体を利用したダイエット法が、ケトン体質ダイエット法と言われています。

 

 

 

中鎖脂肪酸はコレステロールがつきにくく、またエネルギー代謝を活発にして肥満の原因である中性脂肪がつきにくいという特徴もあります。

 

 

中鎖脂肪酸は認知症やアルツハイマーの予防に効果があるとも言われています。

 

認知症やアルツハイマーは脳のエネルギーであるブドウ糖をうまく使えなくなるそうです。

 

中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体に分解されるとブドウ糖に代わって脳の栄養源になってくれます。

 

ガス欠(ブドウ糖の欠如)で失いつつある記憶力や判断力がケトン体という燃料を得て症状を改善してくれます。

 

 

ダイエット効果と脳の活性化、夢のような効果です。

 

どちらもNogucciが目指しているものです!

 

体重減とミスを減らすことの両立を目指しています。

高円寺南診療所の受診者は、東京という土地柄のせいか、地方出身者が大半をしめています。

 

そして、どういうわけか九州や沖縄地方の御出身の中年以降の方が少なくありません。

 

こうした背景の方が、発熱、倦怠感を訴えてこられた場合に、念頭においておかなければならない病気の一つが、成人T細胞白血病(ATL)です。

 

 

この病気は、RNAレトロウイルスのHTL-1感染により起こります。

 

CD4陽性、CD25陽性の成熟T細胞腫瘍であって、T細胞受容体の再構成を認め白血病や悪性リンパ腫として中年以降に発症します。

 

主に母乳により子に感染し、子はキャリアになります。

 

 

高円寺南診療所はアレルギー科を専門標榜している関係で、皮膚病の相談も受けています。

 

皮膚に、結節、丘疹、紅斑、紅皮症などを発見した場合には、この病気の皮膚浸潤を疑う必要があります。

 

その場合には、リンパ節腫大や、肝脾腫といって肝臓や脾臓が腫大していないかの診察は欠かせません。

 

 

血液検査では一般的な末梢血の白血球が増加し、核が花弁状を示すT細胞を認め、血清カルシウムの増加(高カルシウム血症)、LDHの増加などが見られます。

 

 

やや特殊な追加検査として、可溶性IL-2受容体、血清抗HTLV-1抗体の検出の他、細胞性免疫低下所見(ツベルクリン反応陰性)なども参考にします。

 

 

確定診断のためには、サザンブロット法によりHTLV-1プロウイルスDNAのモノクローナルな組み込みを証明することとされます。

 

 

治療は、臨床型別に対応します。

 

①急性型・リンパ腫型:多剤併用化学療法(LSG15療法)

 

②慢性型・くすぶり型:無症状例では経過観察、若年者には造血幹細胞移植

 

③高カルシウム血症:ビスホスホネート製剤、生理的食塩水輸液+ループ利尿薬

 

ただし、化学療法に対する反応は不良

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「気海(きかい)」です。

 

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場所は臍から指2本分下にあります。

 

 

「尿閉」「頻尿」「月経不順」「月経痛」「腹痛」「便秘」「下痢」「胃腸炎」等に効果があります。

 

 

<参考文献>

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

高円寺南診療所では、初診をはじめしばしば尿検査を実施しています。

 

とくに高齢の患者さんが受診された場合には、腎障害の有無を確認しておく必要があります。

 

そして、高齢者で腎障害を認めた場合には、まず他院から処方されている薬剤を疑うようにしています。

 

 

最初に、簡易尿検査で蛋白尿・血尿の有無を見ます。

 

もし、これらが陰性もしくはごく微量であった場合でも軽視は禁物であり、尿中β₂MGなどで尿細管の障害の有無を予め検査する必要があります。

 

 

診断や治療目的で投与された薬剤によって、腎障害が新たに発症したり、既存の腎障害がさらに悪化したりすることがあります。

 

これらを総称して薬剤性腎障害といいます。

 

 

主な臨床病型と原因薬剤を列挙してみます。

 

①電解質異常(NSAIDs、ビタミンD、ビタミンCなどの製剤)

 

②急性腎障害(NSAIDs、各種抗精神薬、脂質異常症治療薬、抗菌薬、アロプリノール、カルシニューリン阻害薬)

 

③慢性腎機能障害(NSAIDs、利尿薬、下剤)

 

④蛋白尿・ネフローゼ(NSAIDs、カプトプリル)

 

⑤近位尿細管障害(アミノグリコシド系抗菌薬)

 

⑥遠位尿細管障害(カルシニューリン阻害薬)

 

 

消炎・鎮痛薬として広く用いられているNSAIDsや抗菌薬は代表的な腎毒性物質であるといえます。

 

これらの薬剤を長期に亘って内服している場合は、必ず腎機能のチェックが必要です。

 

高齢者に対する鎮痛薬や抗菌薬の多用、特に脱水状態のときにこれらの鎮痛薬を内服すると急性尿細管障害を起こしやすいので要注意です。

 

その他、造影剤腎症があります。ヨード造影剤投与後に発生します。腎機能低下者、60歳以上、糖尿病、脱水傾向者では要注意です。

 

 

2016年、薬剤投与量調節のための最適な腎機能評価法としてeGFRより畜尿による内因性クレアチニン・クリアランスが推奨されました。

 

 

参照: 薬剤性腎障害診療ガイドライン2016(薬剤性腎障害の診療ガイドライン作成委員会)

 

肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、若年者に発症し、予後不良で特発性の肺高血圧症の他に、膠原病などに合併する肺高血圧症を含む分類です。

 

 

肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)によると、肺高血圧は原因別に第1群から第5群の5種類に分類されます。

 

第1群:肺動脈性肺高血圧症(PAH)例:門脈肺高血圧症、強皮症

 

第2群:左心性心疾患に伴う肺高血圧症 例:心臓弁膜症、左心不全

 

第3群:肺疾患および/または低酸素血症に伴う肺高血圧症 例:睡眠時無呼吸症候群

 

第4群:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)

 

第5群:詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症

①血液疾患:慢性溶血性貧血

②全身性疾患:サルコイドーシス

③代謝性疾患:糖尿病、甲状腺疾患

④その他

 

 

実際は、特発性PAH(IPAH)や膠原病に合併するPAHがその代表です。

 

高円寺南診療所の患者さんの多くは、残念ながらアレルギー科およびリウマチ科専門医が、膠原病を専門にしていることをご存じないようなので、この病期について紹介させていただくことにしました。

 

 

さて膠原病に合併するPAHは、特に全身性強皮症・混合性結合組織病(MCTD)・全身性エリテマトーデス(SLE)での合併頻度が高いです。

 

MCTDやSLEではシクロホスファミド+副腎皮質ステロイドを中心とした免疫療法が有効です。

 

また肺血管拡張薬も併用されることが多いです。

 

 

治療法として、抗凝固療法に加え、軽・中等症例(WHO分類Ⅱ~Ⅲ)にはエンドセリン受容体拮抗薬やDPE-5阻害薬、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬(慢性血栓塞栓性肺高血圧症CTEPHにも唯一の適応)も使用されます。

 

抗凝固薬は特発性肺動脈性高血圧症(IPAH)患者の生存率を改善しますが、他のタイプのPAHについては明確なエビデンスはありません。

 

エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)は、いずれのWHO機能分類でもエビデンスレベルが高い製剤です。

 

また、経口プロスタノイド製剤として、セレキシパグが初めて臨床症状の悪化・死亡リスクを抑制しました。

 

重症例にはPGI₂の持続静注が予後を改善します。これらの効果は、最低でも3か月はみる必要があります。効果はふつう6か月から1年後に現れます。

 

 

近年、PAHの治療費が公費負担での処方可能となりました。

 

2014~2016年にかけて新たな機序の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬リオシグアニドおよびエンドセリン受容体拮抗薬マシテンタン、PGI₂誘導体イロプロスト(吸入剤)が保険適用になりました。

 

そこで、これら種類の異なる薬剤を治療開始時より多剤投与する治療戦略(upfront combination therapy)が試みられるようになりました。

 

 

2015年ESC/ERSガイドラインでは、WHO機能分類別の単剤および併用による治療が推奨されています。

 

 

肺高血圧症治療における肺血管拡張薬の開発が進み、現在では3系統の薬剤があります。

 

すなわち、①エンドセリン受容体拮抗薬、②NO経路作用薬(PDE-5阻害薬およびグアニル酸シクラーゼ刺激薬)、③プロスタサイクリン製剤です。

 

 

ただし近年開発されたPAHの治療薬は、肝障害や視力障害などの副作用に注意する必要があります。

 

NO(供与)剤であるDPE-5阻害薬同士の併用は禁忌です。

 

また、エンドセリン受容体拮抗薬であるアンブリセンタン(ヴオリブリス®)は間質性肺炎を増悪することがあります。

 

 

参照:肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)(日本循環器学会ほか)