日々の臨床③:12月26日火曜日

一般内科(循環器・消化器・内分泌・代謝・栄養関連の病気)

 

<胸痛について>

 

外来診療において胸痛の訴えは、とても慎重に扱わなければ命取りになるので、経験豊富な内科医にとっても、一定の緊張感を伴います。

 

患者さんにとっての不安の大きさは計り知れません。

 

 

高円寺南診療所で経験してきた共通のほとんどは肩こりや腰背部痛を伴う筋肉痛、肋間神経痛、線維筋痛症、胃食道逆流症(逆流性食道炎)による胸焼け、喘息や慢性気管支炎による呼吸苦にともなう胸痛、過換気発作やパニック発作にともなう胸痛、心気症(心臓病ノイローゼ)にともなう胸痛などが多いですが、狭心症も少なくはありません。

 

喫煙者、肥満者、高血圧や精神的ストレスをかかえている方などに多いです。

 

逆に、高齢者や糖尿病の患者さんでは、症状が目立たないこともあり、どうしても発見と診断が遅れがちになるため、かえって危険が伴います。

 

 

胸痛は直接、生命にかかわることがあるので、一般の皆様もある程度の知識があるに越したことはないと思います。

 

主な心疾患における胸痛の特徴と鑑別のポイント(表1)を、ご参考に供するためにまとめてみました。

1230表1

 

 

つぎに、心疾患で代表的な狭心症心不全については自覚症状の程度で重症度がわかります。そこで、それらの重症度の目安も参考にしてください。

 

 

心不全というのは、一般の皆様がイメージしているのより広範な水準のものを含みます。

 

とりわけ、心不全の初期症状は放置されがちなので、警鐘を鳴らしておくことが必要であると考えています。

 

 

心不全を疑う初期症状は、まずは疲労です。

 

ついで、動悸呼吸困難感、そして狭心痛です。

 

進行してくると症状出現のため日常的な活動でさえも制限されてしまいます。

 

1230表2

 

狭心症をはじめ心不全にならないように、きちんとした継続的セルフケアの習慣を身に着けることはとても大切です。

 

そうはいっても、多忙で精神的ストレスに満ちた毎日を逞しく過ごしていかなければならないのが、現代社会に生きる私たちの多くの宿命です。

 

過労死や自殺が社会問題化して久しいですが、疲労がキーワードだと思います。

 

その日の疲れをその日のうちに解消できる環境にあれば理想的ですが、せめてその週の心身の疲労は、その週のうちに癒しておくことが望ましいです。

 

 

医師である私自身も例外ではないため、水氣道聖楽院での活動を続けている次第です。

 

水氣道や聖楽院の強みは、心身両面に及んでいる自ら気づけていない疲労を含めて、一日を待たずして解消できることにあります。

 

ですからこのメリットの大きさは計り知れません。皆様もご一緒してみませんか。