日々の臨床 ①:12月17日日曜日<日本補完代替医療学会HPから>

統合医学(東西医学、代替・補完医療)

 

<日本補完代替医療学会HPから>

 

興味深い学会のHPを発見しました。そのままコピーして、ご紹介することにします。

 

ただし、私、飯嶋正広個人のコメントを挿入し、コメント文は⇒青字で表記しました。

 

私の情報収集法は、常に批判的検証を通して行っています。

 

その一端をお示しいたします。是は是としますが、鵜呑みにするのではなく、非は非として問題提起しながら情報を収集するように心がけています。

 

 

代替医学・医療とは

 

代替医学・医療とは一般の方には、なじみの少ない言葉です。

 

また、その定義についてもいろいろ議論されていますが、日本補完代替医療学会では、[現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称]と定義しています。

 

⇒この学会では、①補完代替医療を現代西洋医学領域に限定していること、②科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系とすること、そのいずれにも特徴があります。かなり限定的であるという印象を持ちました。

 

アメリカでは、alternative medicine(代替医学)またはalternative and complementary medicine(代替・補完医学)という言葉が使われています。また、ヨーロッパでは、complementary medicine (補完医学)という言葉が好んで使われることが多い様です。

 

しかし、なかには現代西洋医学と同等かあるいはそれを凌駕する医療が存在する以上、当学会はalternative medicine(代替医学)という用語を用いることとしました。

 

⇒現代西洋医学と同等かあるいはそれを凌駕する医療が存在する、と判断した段階で、上記コメントの②と矛盾しているように思われます。つまり、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系である段階では、そもそも現代西洋医学との優劣を比較することはできないとするのが通常の科学的思考法だと思います。

 

いずれにせよ、通常の医学校では講義されていない医学分野で、通常の病院では実践していない医学・医療のことです。

 

⇒この学会の立場からすると、高円寺南診療所は、通常の病院ではなく、また通常の病院では実践していない医学・医療にも関与している、ということになりましょうか。もっとも、水氣道®は基本的に現代西洋医学に矛盾しないように体系化していますが、多分に東洋医学的要素を内包しているので、そもそもこの学会が定義する代替医学・医療には該当しないとみることもできるでしょう。

 

 

代替医学・医療の種類

 

近年、新聞、雑誌、テレビ、インターネット等をはじめとする高度情報化の情勢もあって、これら代替医療を求める患者が我が国でも急増しています。

 

一方、他国においても同様な状況が見られ、代替医療が世界的に新しい医学の潮流となりつつあります。

 

アメリカにおいては、1992年米国議会がNIH(米国国立衛生研究所)内において世界的な最先端医学研究施設の一つとしてOAM(代替医療事務局)を設立し、現在、OAMには年4千万ドルの資金が充てられています。

 

OAM設立以来、この分野の科学的研究は急速に進み、ハーバード、コロンビア、スタンフォード大学など10ケ所に研究センターが設立され、一部学生に対する講義も始まっています。

 

 

 代替医療の範囲は広く、世界の伝統医学・民間療法はもちろん、保険適用外の新治療法をも含んでいます。

 

さて、人口比率からみると現代西洋医学の恩恵に預かっている人達は意外に少なく、国連世界保健機関(WHO)は世界の健康管理業務の65から80%を“伝統的医療”と分類しています。

 

つまり、これら伝統的医療が西洋社会において用いられた場合は代替医療の範疇に含まれることになるわけです。

 

代替医療とは具体的には、中国医学(中薬療法、鍼灸、指圧、気功)、インド医学、免疫療法(リンパ球療法など)、薬効食品・健康食品(抗酸化食品群、免疫賦活食品、各種予防・補助食品など)、ハーブ療法、アロマセラピー、ビタミン療法、食事療法、精神・心理療法、温泉療法、酸素療法、等々すべてが代替医療に包含されています。

 

⇒ここで、中国医学(中薬療法、鍼灸、指圧、気功)等を代替医療の具体例に挙げていますが、この学会の立場とは異なり、WHOは現代西洋医学以外の医療も代替医療の範疇として認めているということです。

 

確かに、これらの中には、非科学的であり西洋医学を実践する医師にとっては受け入れ難い内容のものもありますが、作用機構や有効性が科学的に証明されているものが急増しているのも事実です。

 

国立図書館医療目録データベース(MEDLINE)において“代替療法”の名での引用は、1966年以来、年12%の割合で増加しており、在来医療の文献の増加率の約二倍であることがそれを裏づけています。

 

 

代替医学・医療の現状

 

我が国には残念ながら代替医療に取り組む政府機関がなく、この分野では欧米に比し遅れていると見る向きもあります。

 

しかし、実は代替医療を最もよく実践している国が日本だと考えられます。

 

日本では古来より中国薬用植物療法を取り入れ“漢方薬”として使用してきた歴史があり、また世界的に見ても漢方薬を保険薬と認めている数少ない国の一つです。

 

また、鍼灸、柔道整復などの東洋医学も保険適用となっており、多くの患者が日常的に利用しています。

 

一方、アメリカにおいて鍼が医療器具として認められたのはつい昨年のことです。

 

 

医療制度の崩壊が叫ばれている今日においても、我が国は最新・最鋭の現代西洋医学を実践している国であることに変わりはありません。

 

代替医療は、概して毒性が少なく、また患者に対して侵襲の少ない治療法であり、これまで諦めらめていた(⇒諦めていた?学術団体の公式HPのトップ記事としては、校正が不十分なようです。)難病の患者さんにも朗報をもたらすものです。

 

また、薬品による副作用、環境汚染、経済問題、医師に対する不信感など今後21世紀の諸種の医学の問題点を解決し、かつ医療の質の向上に大いに貢献するものと期待されます。

 

このように、患者にとっては、すばらしい選択肢が与えられることになりますが、逆に現代西洋医学を完全に否定し、超自然主義を唱えて科学的根拠のない治療法を押し付け、原始時代へ逆行する愚かなことは当然避けるべきことと考えます。

 

⇒どちらの方面に向けて発信しているのかが不明瞭です。

難病患者が自分の個人的な経験による信念によって他の患者にも同じ方法を半ば強制する現象に対しての継承でしょうか。

それとも国家資格を持たない民間療術家に向けてでしょうか。

まさか、日本の医師免許を持つプロフェッショナルが現代西洋医学を完全に否定したとすれば、医師免許を保持していること自体が自己矛盾となるのではないのでしょうか。

このコメントはナンセンスの極みだと思いました。