聖楽院週例コンサート 》往く週《 & 《 来る週 》

》往く週《 11月1日:第31回聖楽院週例コンサート(60分プログラム)

 

 

担当ピアニスト:鈴木 美穂 (聖楽院特任ピアニスト)

 

 

この回をもって、水曜ミニサロン・コンサート初回から101回目、発足3周年目に突入しました。

 

そこでこの回は、水曜ミニサロン・コンサートの原点に戻り、シンプルに親しみのある演奏を心掛けました。

 

とは言っても、聖楽院週例コンサートは、かつての水曜ミニサロン・コンサートから大きく発展し、

 

オープニングでは今月のテーマとなる聖歌、シューベルトのアヴェ・マリア、ピアノ伴奏により、冨士田紗季のバリトンサックスで旋律を奏でてもらいました。

 

はじめての試みのため、不慣れな点はご勘弁いただくとして、今後もこの形を踏襲していくことにより、聖楽院コンサートの特色を表現していきたいともいます。

 

 

第一部は小倉百人一首で歌うシリーズ2曲が定番となりました。今年の前半でコンコーネ50番を歌い上げ、後半からはトスティ50番に入り、それも、はや30番台です。

       

No.33 藤原道信朝臣<明けぬれば暮るるものとは知りながら>

       

No.34 源兼昌<淡路島通ふ千鳥の鳴く声に>

 

 

この34番の曲は、日本人の心の琴線に触れるタイプの旋律であり、源兼昌の情趣に満ちた歌の世界の視覚化を促してくれるものと感じていました。

 

<淡路島 通ふ鳥の鳴く声に 幾夜寝覚めぬ 須磨の関

 

荒涼とした冬の夜の須磨では、海向かいに見える淡路島から千鳥が渡ってくる。 その寂しい鳴き声に、関守は、幾夜も眠りを妨げられ目覚めてしまうことであろう。

 

真夜中に、こうして過ごしている自分の孤独な境遇は、まさにこのようなものだ。

 

鑑賞:飯嶋正広 

 

 

この曲の演奏を聴いてくださっていた森様(さる高名な画伯の孫)という常連のお客様が「懐かしい光景が目に浮かんできました」と仰いました。

 

 

彼は神戸市須磨千守町の御出身で、そこはしばらく空き家になっているとのことでした。

 

この地名は、まさに兼昌の歌に因んで名づけられたのではないかと思える位に、地名の漢字四文字が歌われています。

 

ただの偶然でしょうか。偶然であるとしても、お客様がこのように感じてくださったことは、大きな喜びでありますし、益々精進したいという意欲を与えていただきました。

 

 

その後の演奏は、鈴木美穂のピアノ演奏、なつかしの日本歌曲など、演奏者同志、お客様との対話を交えながらのアットホームなコンサートになりました。

 

特に、日本歌曲の九十九里浜(作詞:北見志保子/作曲:平井康三郎)は、音海店主の片野匡博さんからも、情景が生き生きと心に映ってきました、とのご感想をいただくことができました。

 

ささやかながら、とても有意義な時間をお客様と共有できたという大きな感謝に包まれています。

 

 

 

来る週11月8日:第32回聖楽院週例コンサート(60分プログラム)

 

担当ピアニスト:齋藤亜矢子(第2週先任ピアニスト)

 

 

斎藤さんとの稽古は久しぶりです。

 

ですからコンサートでも、皆様に新鮮な演奏をお届けしたいと考えています。

 

齋藤さんは、伴奏ピアニストとして専門的なキャリアを積んでこられて、聖楽院でもピアノ伴奏科主任としてご活躍いただいております。

 

これまで、課題としながらもなかなか実現できなかったかドイツリートのレッスンも、彼女の御蔭でレパートリを拡げることができ、ベルリンやウィーンでも披露することができました。

 

特に、最近はシューベルトのチクルス『美しき水車小屋の娘』では根気強くお付き合いくださいました。

 

この曲は全部で20曲なのですが、一気に歌いきることは現在の私の力量ではすこぶる至難の業です。そこで、

 

 

まず10曲ずつをご披露させていただくことにしました。

 

 

斎藤さんのピアノ演奏は3つの名曲をお届けします。

 

ノルウェー出身でイプセンの戯曲、組曲「ペールギュント」で有名な<北欧のショパン>とも称せられるグリークとスウェーデン系でフィンランド出身、交響詩「タピオラ」を生んだシベリウス、いずれも北欧の作曲家の作品です。

 

齋藤さんはドイツ留学組のお一人ですが、彼女のピアノの世界には、しばしば北欧三国の繊細な風光や景色が反映しているかのように感じられます。私は、いまからとても楽しみにしています。

 

 

<今後の外部演奏会の予定>

 

11月5日(日)バロック・アンサンブル<アジア・コレギウム・ムジクム>

 

チェンバロ奏者として荻原由実(聖楽院協力ピアニスト)が出演します。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

場所:青山学院大学のIVY HALL (アイビーホール)5F / GLORY CHAPEL(グローリーチャペル)

 

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷4丁目4番25号

 

開演18:15 開演18:30

 

 

11月23日(勤労感謝の日)第1回聖楽院レッスン生内部発表会

 

第一部のレッスン生発表会は無料です。

 

第二部の指導者コンサート(ソプラノ小松奈津子、テノール藤原拓海、フルート八木華沙璃)プログラムを添付いたします。

 

 

12月3日(日)Le Salon de Clavier コンサート(午後の音楽会事務局主催)

 

フルーティストとして西巻有希子(聖楽院協力フルーティスト)が出演します。

 

13:30 開場 14:00 開演 JR 田端駅北口より徒歩7分

 

入場料 ¥2,000 (全席自由)

 

ご予約・お問い合わせ yukiko.nishimaki.flute@gmail.com (西巻)

 

 

12月24日(土)音楽之友社ホール(神楽坂)

 

17:50ベルタガラ・クリスマスコンサート

 

<及川音楽事務所主催>にテノール飯嶋正広が出演します。ピアノ伴奏:向阪由美子

 

私の本番の演奏時間は19:05-19:20の予定です。

 

クリスマス・イヴの夜に皆様の御健康と世界の平和を願って、

 

ラテン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語 そして 母国語で歌います。

 

演奏曲目:C.フランク作曲 / 天使の糧(Panis Angelicus)

     T.ジョルダーニ作曲 / 愛しい女よ(Caro mio ben)

           G.フォーレ作曲 / リディア(Lydia)

     F.シューベルト作曲 / 音楽に奇す(An die Musik)

     平井康三郎作曲 / 平城山

 

 

チケット¥3,000(全席自由)

 

 

 

2018年1月28日(日)タカギクラヴィア松濤サロンコンサート(及川音楽事務所主催)に出演予定、演奏曲目、ピアノ伴奏者未定

 

 

2018年2月25日(日) タカギクラヴィア松濤サロンコンサート(及川音楽事務所主催)に出演予定、演奏曲目、ピアノ伴奏者未定