日々の臨床 9月20日水曜日<原発性肝癌>

消化器系の病気

 

原発性肝癌

 

わが国の癌のうちで、肝細胞癌は男性で4位、女性で6位なので頻度が高い方です。

 

意外な盲点であったかもしれません。

 

年間の死亡数は約3万人です。

 

肝細胞癌にも種類がありますが、95%が肝細胞癌です。つまり、原発性の肝がんです。

 

 

原発性というのは、発病原因が特定の臓器や器官の障害にあることが明確な病気のことです。

 

脳腫瘍や原発性肝がんの他に脳腫瘍などがあります。

 

これに対して、別の原因によって特定の臓器や器官などに障害が起こる病気のことを、続発性または二次性疾患と言います。

 

たとえば、腎機能や内分泌機能などの障害によって起こる二次性高血圧や、

 

腎機能異常に原因がある二次性副甲状腺機能亢進症などがこの例にあたります。

 

 

国民二人に一人は癌にかかるとされています。

 

それでは、盲点であったかもしれない肝がんにならないためには、どのようにしたらよいでしょうか。

 

そのような場合は肝がんの原因を考えてみることです。

 

それでは、列記してみます。

 

 

肝炎ウイルス、アルコール、かびの生えたピーナッツ(かびが産生するアフラトキシンが原因)、ホルモン剤(特に、経口避妊薬)など。

 

 

肝がんにならないためには、B型やC型の肝炎の予防もしくは治療を徹底しておくこと、

 

お酒を飲み過ぎないことの他に、ピルがあるのです。

 

このことも盲点かもしれません。

 

ピルには様々な副作用がありますが、ご使用になっている女性は、一応、頭の片隅に置いておくことをおすすめいたします。

 

 

また危険因子としては、肝硬変、慢性肝炎(C型、B型)、男性、高齢、アルコール摂取、喫煙、肥満、糖尿病などがあります。

 

 

なお、肝がんに限らず、喫煙と糖尿病は多くの癌の危険因子です。

 

喫煙の癌リスクは肺癌だけだと考えている方がまだたくさんいらっしゃるので気になるところです。

 

 

肝臓がんは、自覚症状に乏しいので、気づかれにくいです。

 

癌が進行して初めて腹水・黄疸が出現することが多いです。

 

全身倦怠感、腹部膨満、腹痛などが比較的初期の症状として現れることがあります。

 

 

早期発見のためには、超音波検査と腫瘍マーカー測定が重要です。

 

また、C型慢性肝疾患、B型慢性肝疾患、非ウイルス性肝硬変がある方は肝細胞癌のスクリーニングを定期的に行うべきであるとされています。