日々の臨床9月11日月曜日<意識障害の対応①>

総合内科

 

<意識障害の対応①>

 

現在の高円寺南診療所に不足している点は何か、と改めて考えてみると、

 

その一つは救急対応システムではないかと反省しています。

 

そこで、しかるべき時期にJMECCの指導者講習会を受講しようと考えています。

 

JMECCとは、日本内科学会主催の心肺蘇生の講習会です。 (Japanese Medical Emergenct Care Course)の略になります。

 

 

日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会というのもありますが、

 

これまでの心肺蘇生講習会のICLSは、基本的に目の前に居る

 

「心肺停止の患者さんに対する心肺蘇生」 という状況のみを訓練していました。

 

基本的にすべての患者さんで、初めから心肺停止の状態であることを前提にしています。

 

確かに実際に、心肺停止の患者さんをいきなり発見することもあり得ます。

 

「そういった状況に出くわしたときに、すぐにBLSを行うことが出来るようになる」というのはとても重要です。

 

 

しかし、現実に医師になってから出くわす心肺停止状態の状態としては

 

容体がかなり悪い患者さんを診察→そのまま急変して心肺停止という状況に遭遇したりすると、

 

対応に苦慮してしまうのではないか、ということが懸念材料です。

 

そういう状況のシミュレーションは必要か、ということですが、

 

心肺停止になる患者さんは、80%に前駆症状があるという見解があります。

 

JMECCはそういう患者さんの初期段階から自信をもって診られるように(鑑別診断・治療)をしつつ、

 

その後の急変対応(心肺停止へ移行)した際にも対応できるようにする、

 

ということを目標したいとする立場から、今後是非必要なトレーニングだと考えているところです。

 

 

さて、JMECC講習会ではSAMPLEを参考に病歴聴取を行うように指導されるとのことですので、少しだけ予習をしてみました。

 

 

SAMPLEとは「SAMPLE history」と呼ばれる問診法です。

 

元来、救急隊が救急現場で傷病者に接触し、現病歴や既往歴などの問診を聴取する時の問診法です。

 

重症傷病者の場合、救急現場は時間との戦いになります。

 

そのため、問診は必要最低限な情報を簡潔かつ正確に聞かなければなりません。

 

問診を正確かつ簡潔に行うためにまとめられたのが、このSAMPLEというわけです。

 

●SAMPLE history SAMPLE historyとは以下のそれぞれの頭文字をとってつけられました。

 

Signs / Symptoms:主訴、症状

 

Allergies:アレルギーの有無、何によるアレルギーか

 

Medications:薬の服用の有無

 

Pertinent past medical history:既往歴(かかっている病気、手術歴など)

 

Last oral intake:最後に食事を摂取した時間、食事量

 

Events leading to the injury or illness:現病歴(何をしていたか、いつからか)

 

 

こうしてみると、高円寺南診療所の初診時問診票に一致していることを、再確認することができます。

 

高円寺南診療所の標榜専門科目の一つであるアレルギーが救急医療、

 

心肺蘇生の救急医療の根本に深くかかわっているということの認識を新たにした次第です。