内分泌・代謝・栄養の病気

 

<情緒不安定、易刺激性、うつ状態は内科の病気かも?>

 

4回シリーズ(第四話)

 

 

42歳女性。公務員。情緒不安定でイライラしやすく、

 

部下にうっかり暴言を吐きパワハラを訴えられ、

 

うつ状態になり、某有名病院の神経科を受診していました。

 

諸事情により高円寺南診療所を受診、精査の結果、原発性副甲状腺機能亢進症の診断を得ました。

 

 

<治療方針>

 

第一段階:

婦人科専門医の処方薬、女性ホルモン、活性型ビタミンD製剤の即時中止⇒血清カルシウム値漸減

 

 

第二段階:

精神科専門医の処方薬、抗うつ剤の漸減・中止⇒気分不安定は変わらないが、悪化しなかった。

 

 

第三段階:

カルシウム受容体作動薬の投与⇒PTH分泌を抑制し、

 

高カルシウム血症を改善⇒胃部症状、背部疼痛消失

 

 

第四段階:

消化器内科専門医の処方薬、消化管潰瘍治療薬の漸減、中止

 

 

第五段階:

手術のための説得。本例のように高カルシウム血症による多彩な症状を呈する場合には手術の適応になります。

 

腺腫の局在部位はすでに確定していること、若年(50歳未満)であること、

 

顕著な骨所見(重症骨粗しょう症の合併、病的骨折の既往)なども手術を勧めるファクターです。

 

 

<転帰>

高カルシウム血症を最初に指摘した、某共済病院にて手術。

 

術後は一過性に出現する可能性がある低カルシウム血症や、

 

テタニーなどのけいれん発作も生ずることなく、

 

ほとんどの愁訴は解消したとのことでした。

 

短期間の入院ののち、現場に復帰して精力的に公務をこなしているとのことです。

 

今回は「番外編 その1」です。

 

この夏、私は北アルプスに登ってきました。

 

そこで、山で経験した「HELP!力」についてお話ししたいと思います。

 

 

山では様々な(暗黙の)「譲り合い」「助け合い」に遭遇します。

 

山道は狭いところもあり、そこでは「登る人優先」という暗黙のルールがあります。

 

すれ違う時に下る人はスペースを見つけて、登る人に道を譲ります。

 

ただ、登る人が譲ることもしばしばあり、そこは状況に応じて臨機応変にお互い声をかけ合います。

 

「先、どうぞ」や「先に行きます」など。

 

 

また歩くペースも人それぞれなので、遅い人は速い人が来たら道を譲ります。

 

 

山小屋では100人以上が宿泊します。

 

水源も限られ、風呂もなく、寝床も3畳に6人ということもあり、個人の十分なスペースはありません。

 

食事は食堂で皆一斉に取り、あるいは持参して自分で作って食べたりします。

 

疲れて早く眠る方もおり、騒いだりすると迷惑になるので、静かに過ごします。

 

 

このように、限られたスペースや資源の中、お互いが嫌な思いをしないように、

 

山では皆が暗黙のルールを守り、たくさんの譲り合い、助け合いが必要となります。

 

(次回へ続く)

 

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子

心臓・脈管 / ・泌尿器の病気

 

<むくみを見たら癌を疑え!>その3

 

 

二次性膜性腎症の原因は、リウマチ専門医療機関でもある高円寺南診療所にとって深いかかわりがあります。

 

 

悪性腫瘍:胃がん、大腸がん、乳がん、肺癌、リンパ腫

 

感染症:B型肝炎、梅毒

 

膠原病SLE(ループス腎炎クラスⅤ)、関節リウマチ

 

薬剤:金製剤、D-ペニシラミン、ブシラミンなどの抗リウマチ薬

 

 

二次性膜性腎症の治療は、原因疾患の治療が原則です。

 

ネフローゼでの血栓予防のために抗血小板薬や抗凝固薬を併用します。

 

治療抵抗例では腎不全に移行します。それが悪性腫瘍に起因するものであれば予後は不良です。

 

このように、腎臓病などの多くが、アレルギーやリウマチに深く関与していることが次々に明らかになってきました。

 

アレルギー科、リウマチ科を標榜する専門医は、

 

生涯にわたって自己研鑽を続けなければ、

 

その職責を果たすことは、到底不可能であることを再認識せざるを得ません。

 

 

私は、焦らず、怠けず、コツコツと、しかも決して無理をすることなく、

 

皆様と一緒に勉強を続けていきたいと考えている次第です。

 

 

呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

<鑑別困難な膠原病類似疾患>IgG4関連疾患

 

 

IgG4関連疾患は、日本が世界に向けて発信してきた新しい疾患概念です。

 

全身性の自己免疫疾患としての考え方が国際的にも確立されつつあり、注目されています。

 

 

まずこのような疾患群が高円寺南診療所の日常診療に重要な意味を持つのかについてですが、

 

この疾患群が各臓器の悪性腫瘍や類似疾患である膠原病類縁疾患群

 

(シェーグレン症候群、原発性硬化性胆管炎、血管炎、サルコイドーシス)との鑑別が重要になってくる疾患である以上、

 

アレルギー・リウマチ科を専門標榜し、膠原病類縁疾患を多数例診療している高円寺南診療所 としては

 

一定の心構えをもって認識しておかなければならないと考えています。

 

 

IgG4関連疾患は、リンパ球やIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤(IgG4/IgG陽性細胞比≧40%、かつIgG4陽性形質細胞>10/HPF)と線維化により、

 

全身諸臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認める慢性炎症性疾患です。

 

IgG4関連疾患は、たしかに高ɤ-グロブリン血症、高IgG血症(135mg/dl以上)、

 

ステロイド治療が有効であることなど自己免疫性疾患の特徴を備えているものが多いです。

 

しかしながら自己抗体陰性例も多いため標的抗原も不明であり、ターゲットを絞った治療ができないという課題を抱えています。

 

 

無治療でも自然軽快することがあることが知られています。

 

そのため病変が涙腺や唾液腺などに限局して自覚症状も乏しい場合に限り、

 

経過観察することが許される可能性があります。

 

治療を開始する場合は、原則として副腎皮質ステロイド剤が有効であるとされます。

 

 

ステロイド治療の効果が認められない場合は、

 

①診断の誤り、②他の病変の混在、などが考えられます。

 

ここで注意すべきなのは、悪性腫瘍もステロイド投与により一過性に改善する可能性があるため、

 

予め悪性腫瘍の除外を行わない段階で診断的に治療を開始することは推奨されていません。

 

日 時 平成29年8月14日  13時20分より14時45分

 

参加者 飯6名:飯嶋、林、大塚、金澤、野口、堀田(敬称略)

 

 

以下は、水氣道の新規稽古場候補の「なみの湯」についての視察レポートです。

 

これは主に林亮博氏(水氣道従弐段下)の基礎報告によるものです。

 

他に金澤克彦氏(水氣道少初段上)、野口将成(水氣道准3級)の報告は、

 

とくに下線を施し<姓>を記して区分しました。

 

各項目末尾の コメントは飯嶋正広の所見です。

 

10月24日(火曜日)に第二次視察団を派遣します。

 

参加者若干名を募集します。

 

希望者は日本水氣道本部事務局(℡3318-1822)まで、

 

問い合わせてください。

 

 

 

【 稽古場所までの経路 】

 

地図はホームページで確認してください

 

駐車・駐輪スペースはありません

 

診療所からは徒歩10分。

 

午後1時20分に現地に集合、遅刻厳禁

 

開店作業があり、後から入れない<野口>。

 

⇒ 診療所での集合は、午後1時まで。

 

 

 

【 着替え場所 】

 

貸し切り状態なので安心。

 

着替えがスムーズにできる。

 

更衣室が広く使える。快適(野口)。

 

終了後の各器具の使用は料金が発生する。

 

料金は事前に用意すること。

 

 

【 プール槽に入水する際の注意点 】

 

プールに降りる梯子階段がある。

 

これには注意が必要、踏み外す危険あり<野口>。

 

プールに入るときは逆向きになって入水するように。

 

その時には脚を踏み外さないように慎重に行うこと。

 

⇒ プール槽から出た直後の転倒リスクも忘れずに。

 

 

 

【 団体利用の際の基準案 】

 

最大参加人数を考えた場合5~6人。

 

参加人数によって工夫が必要。

 

少数精鋭のときは、ゆったり利用できる。

 

ただし、参加者が多いときは思いやりの心で稽古。

 

直後の印象では6人ではやや狭い感じ<野口>。

 

一定方向の水の流れを作りやすく、いつもと違う水流抵抗運動ができた<野口>。

 

スペースは通常のプールと比較して相対的に狭いです。

 

それがむしろ、いつもと違う感覚を喚起するメリットもあります<金澤>。

 

⇒ 妥当な定数について、事後評価では6人までは適切。

 

  ただし、肥満者が多いと4人までが適切。

 

 

 

【 プール環境 】

 

水深:1m均一、外観から想定した以上の十分な水深。

 

(比較:杉十1.4~1.2m傾斜、藤村1.1m/1.5m平坦2種、ハイジア1.2m平坦)

 

 

水温:34℃、一般的な室内温水プールの水温は30~31℃

 

水質:pH8.0(アルカリ性)、高度135mg/L(軟水)天然水、水の滑らかさを感じた。

 

常に一定した条件であるのか確認したい。(水温、水質、薬剤)

 

 

プール水槽内壁に手すり棒がある。

 

それを稽古のために有効活用することができる。

 

⇒ 水深が浅めなので小柄な会員向き。

 

水温が若干高めなので冷え症の会員向き。

 

アルカリ性天然軟水なので皮膚が過敏な会員向き。

 

 

 

【 昇級・昇段審査会場として利用する場合 】

 

横幅が狭いので工夫が必要。

 

また施設管理者との協議が必要かと思います。

 

⇒ 4級までの昇級審査会場として活用可能。

 

 

 

【全体的な所見】

 

杉十温水プールと比較して浴室内が温かく感じられた。

 

狭いスペースのため熱がこもり易く、少し蒸し暑く感じる<野口>。

 

銭湯ならではのアトラクション的な感じ。それが楽しかった<金澤>。

 

稽古終了後、シャワーの使用、湯船に入れた。

 

終了後に湯船に入れて気持ちよかった(野口)。

 

時間に余裕をもって稽古ができる。

 

時間当たり費用効果は本人の工夫、努力次第。

 

体を充分動かしたい方には不向きかもしれません。

 

⇒ 垂直梯子階段のため、杖・車いす使用者には不向き。

消化器系の病気

 

<B型肝炎給付金の受給要件>

 

 

B型肝炎ウイルスに感染しているかどうか検査したい場合は,

 

お住まいの市区町村での検診や,お住まいの都道府県の保健所などで,

 

低額(自治体によっては無料)で肝炎ウイルス検査を受けることができます。

 

詳しくはお住まいの市区町村にお問い合わせください。

 

 

B型肝炎給付金の受給要件のひとつとして

 

「B型肝炎ウイルスに持続感染していること」という項目がありますが,

 

これは,血液検査の結果が以下の(1)または(2)のいずれかの場合であることが要件とされています。

 

(1)6ヵ月以上の間隔をあけた連続した2時点における,

 

〇HBs抗原(陽性)

 

〇HBV-DNA(陽性)

 

〇HBe抗原(陽性)

 

 

(2)HBc抗体陽性(高力価)

 

※そのほか,医学的知見を踏まえた個別判断により,B型肝炎ウイルスの持続感染が認められる場合があります。

 

 

B型肝炎の給付金制度では,出生時(母子感染)や,乳幼児期の集団予防接種などによりHBVに持続感染した方を受給対象としています。

 

成人後の感染による持続感染者は対象外です。

 

ところでB型肝炎ウイルスは,遺伝子レベルでの分類がされており,これまでA型からH型までの8つの遺伝子型が確認されています。

 

この遺伝子型のことをジェノタイプと呼びます。

 

そのため,平成8年以降にB型肝炎ウイルスの感染が判明した方については,ジェノタイプがAe型(A型の一種)ではないことを証明する検査結果が必要となります。

 

これは,ジェノタイプAe型が平成8年以降に日本で感染例が確認されており,成人後の感染であっても10%前後の方が持続感染化するからです。

 

 

なお,B型肝炎の給付金請求に際して,B型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した検査結果(HBV分子系統解析結果)が必要な場合があります。

 

 

 

1一次感染者の場合

父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合,

 

父親からの感染でないことを証明するための資料として,

 

父親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較したHBV分子系統解析結果が必要となります。

 

 

2二次感染者(母子感染)の場合

 

母子感染の場合,一次感染者である母親からの感染であることを証明するための資料として,

 

母親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較したHBV分子系統解析結果が必要となる場合があります。

 

 

3二次感染者(父子感染)の場合

 

父子感染の場合,一次感染者である父親からの感染であることを証明するための資料として,

 

父親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較したHBV分子系統解析結果が必要となる場合があります。

 

 

4三次感染者の場合

 

三次感染者の場合,一次感染者である祖母からの感染であることを証明するための資料として,

 

祖母と二次感染者である母親または父親のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較したHBV分子系統解析結果,

 

さらに,二次感染者である母親または父親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較したHBV分子系統解析結果が必要となる場合があります。

血液・造血器の病気(3話連続)

 

<風邪?をひいて赤血球が溶ける病気>その3

 

 

25歳のイケメン男性Mさん。

 

普段は元気いっぱいに働いているという筋肉質の立派な体格の方でした。

 

マイコプラズマ肺炎の疑いで、アジスロマイシン(ジスロマック®)を3日分処方しました。

 

 

3日後の再診時には、ほとんどの症状は軽快していました。

 

血液検査の結果報告では、ヘモグロビン低下、網状赤血球増加を認めたものの白血球数は正常、

 

赤沈は亢進、CRP は中等度以上の陽性を示し、AST 、ALT などの肝機能のデータも軽度上昇していました。

 

寒冷凝集反応が強陽性であったためマイコプラズマの可能性が高いことが確認できました。

 

 

そこで尿検査を実施したところ尿中のウロビリノーゲンが増加していました。

 

そこで溶血を疑い、貧血(ヘモグロビン低下)と相まって、はじめて溶血性貧血を疑いました。

 

赤血球の早期破壊亢進により末梢血中の赤血球数が減少し、貧血を来す病気があり、これを溶血性貧血といいます。

 

 

どういうわけか、溶血性貧血という病気は、毎度その存在を忘れかけた頃に、それとは知らずに高円寺南診療所にやってくるのです。

 

 

その経験上、マイコプラズマ、サイトメガロウィルス、EBウイルス感染症、インフルエンザウイルスは、しばしば自己免疫性溶血性貧血を合併するという知識が役立っています。

 

 

自己免疫性溶血貧血は、自己の赤血球膜抗原に対する抗体(抗赤血球抗体)が生じ、

 

抗原抗体反応により赤血球膜が変化を受けることがきっかけで補体・貪食細胞などによる赤血球融解(すなわち、溶血)を来す病気です。Ⅱ型アレルギーに分類されています。

 

後天性溶血性貧血の中では最も頻度が高く、原因により、特発性(原因不明)、続発性の2つに分類されます。

 

 

続発性にはSLEなどの膠原病や、マイコプラズマ感染などの感染症によるものがあります。

テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その4)

 

朝起きが辛い方へ、1ヶ月でセルフ・リポーターA.Oさんからのメッセージをどうぞ!

 

 

現代人は多忙な毎日を過ごしています。そこで、自分自身の身体の大切さを忘れがちになったり、

 

健康の大切さはわかっていても行動が伴っていなかったり、というパターンに陥りがちです。

 

 

特に出産可能年齢の女性では、心身の不調が月経異常として現れることが多いことも特徴の一つだと思います。

 

心身不調の早期発見という観点からすれば、女性のデリケートな身体反応は、健康維持のためには必ずしもマイナスな点ばかりではないと考えています。

 

 

そうしたA.Oさんが取った最初の賢明な行動は、専門家の支援をとりつけたこと、つまり、受診したことです。

 

初診カードには、むくみ(ひざ下)と書かれていました。

 

喫煙者であり1日10本を5年間続けてきたが、直ちに禁煙しようと考えている、というところにクリックされていました。

 

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問診により、月経前症候群PMS:Pre⁻Menstrual Syndrome)があること、

 

体がだるくて起床困難であることがわかりました。

 

尿検査では浮腫(むくみ)の原因の一つである蛋白尿は認めず、わずかですが血尿を認めたため、鉄欠乏状態の疑いと見立てました。

 

基本的な信頼関係は直ちに構築できたため、ただちに血液検査を実施することができました。

 

 

血液検査の結果:

血中ヘモグロビン濃度13.5g/dl(≧12g/dlのため貧血ではありません)

 

血清鉄 94㎍/dl

 

総鉄結合能 428㎍/dl(>360㎍/dlのため鉄欠乏状態ではありません)

 

血清フェリチン6ng/ml(<12 ng/mlなので貯蔵鉄欠乏状態です)

 

 

区民検診など一般的な健康診断では、ヘモグロビン濃度検査は行いますが、

 

血清鉄、総鉄結合能、フェリチンなどの項目は測定しません。

 

つまり、貧血は検出できても、その前段階の未病である鉄欠乏状態や貯蔵鉄欠乏状態は見落とされている、ということになります。

 

早期発見・早期治療のためには未病段階での発見が大切ですが、一般検診には限界があることを知っておいてください。

 

 

原因:

#1月経前症候群(PMS)および月経困難症,

 

#2前潜在性鉄欠乏性貧血,

 

#3ニコチン依存症

 

 

治療:

#1健康意識の改善,

 

#2禁煙,

 

#3食事療法,

 

#4ミネラル・ビタミン・漢方薬

 

 

処方:

#1.カルシウム・ビタミンC・パントテン酸(シナール配合®【200mg】錠)

 

#2.ビタミンB1(ノイビタ®【25mg】錠)

#1.2は3食後に内服

 

#3.加味逍遥散エキス顆粒2.5g 朝食前

 

#4.当帰芍薬散エキス顆粒2.5g 昼食前・夕食前

 

 

経過:

#1.月経前症候群:月経血量の減少(過多月経の改善)、月経困難:月経痛の軽減

 

#2.前潜在性鉄欠乏性貧血:過多月経の改善により、貯蔵鉄の回復可能性が高い

 

#3.ニコチン依存症:禁煙に成功し、夫と共に禁煙を維持する段階

 

 

 

<まとめ>

 受診前の問診票への記入は、それ自体が行動療法です。

 

正しい健康意識を刺激することによって行動の変容を促すという意味では認知行動療法にもつながります。

 

初診時問診票への記入の段階で、喫煙の有害性を認識して、直ちに禁煙の決意をされる方がいらっしゃいます。

 

A.Oさんもその一人です。また、A.Oさんは

 

<薬ばかりに頼るのではなく、これを機に生活を見直し、これまで怠っていた身体のメンテナンスをしなくてはと思い>と書かれています。

 

きちんとした医学的に根拠のある養生を心掛けたうえで、必要なお薬を使う方は、お薬ばかりに頼っている方とは区別して、お薬を上手に活用している方であると思います。

 

それにしても、共に禁煙に踏み切ったというA.Oさんの御主人も素敵な方ですね。

 

 

中毒・物理的原因による疾患、救急医学

<老年病は内科の延長で診ることが危険なワケ!>

その3.高血圧の高齢者診療の落し穴

高円寺南診療所は、かつて医師が直接血圧を測定していました。これはとても意義深い方法ですが、白衣高血圧の例が増えてしまうため、それから高齢者の比率が増えてきため、あるときから自動血圧計に変更した経緯があります。高齢者の高血圧の測定は、聴診のみで行ってはならないとされます。

動脈硬化の進行した高齢者では、聴診法では聴診間隙のため血圧が低く測定されることがあります。血圧測定に際しては、聴診法のみならず、必ず触診による血圧測定や異なる原理に基づいて計測している自動血圧計を用いるなどの工夫が求められる、ということです。

もっとも、自動血圧計にしたところで、白衣高血圧が発生しなくなるわけではありません。気軽に計測できるためか、中には3回以上計測し直す方もいらっしゃるのですが、2回までとしていただきたいものです。

さて、一般に高齢者では、血圧の動揺性が大きく、白衣高血圧が高率になります。ですから高齢者では、1回の血圧測定のみで血圧を評価してはなりません。ましてや安易に、高血圧症の診断は下せません。高血圧症でない高齢者が高血圧症と誤診されている例は後を絶ちません。1回の測定では2回以上読み取り、日を変えて3~4回血圧を測定する必要性を説く指導医がいます。私も1回の測定で2回読み取るのは推奨したいところです。それ以上は、強迫的性格・気分・行動という健康上望ましくない傾向を助長するのでむしろ制限すべきではないかと考えているからです。

さらに注意すべきなのは、高齢者では降圧薬への反応が過度となり、壮年者より降圧効果が強く出る場合があるので注意をしています。そのため、家庭でも血圧を測定する習慣を作り、ふだんからセルフ・モニタリングするために血圧記録をとり、受診の際には主治医のチェックを受けるようにすれば、高血圧の管理はより適切なものになることでしょう。

このことの延長で言えることは、高血圧者の収縮期高血圧に対する降圧治療に際しては、血圧の正常化を急いではならないということです。高齢者の収縮期高血圧に対する降圧療法の効果は、すでに確立されています。信頼のおける妥当な方法であれば慌てる必要はありません。そもそも高齢者の収縮期高血圧の病態は動脈壁の硬化が背景にあります。そのため、一定の血流量を確保するために必要な血流抵抗が高いため、降圧を急に行うと重要臓器への血流を低下させてしまいます。降圧薬は少量から投与し、数か月かけた穏やかな降圧を図るべきとされている所以です。

 

<仕事を完結させ、次につなげる②>

 

 

「復命」:命令に従ってした事の経過・結果を命令者に報告すること。

 

前回、結果の報告をせず、やりっぱなしだったことを書きました。

 

 

仕事が完結していないため、次の指示が出せないことにつながります。

 

報告を終えていなくて仕事が完結していあい自分も、

 

そのことが気になったまま次に向かうため、

 

注意散漫となりミスをする可能性も高くなります。

 

 

こうやって、雪だるま式にミスが重なっていくわけです。

 

1つ1つをきっちりと復命し、完結してから次に進むことでミスを減らす。

 

「完結してから次へ」という意識で日々仕事をするように努力しています。