日々の臨床 8月13日日曜日<突然、顔面に生じる耐え難い痛みの正体は?②>

神経・精神・運動器

 

<突然、顔面に生じる耐え難い痛みの正体は?>

 

4回シリーズ(第二話)

 

 

50代半ばの主婦。主訴は顔面痛発作、初回発作は1週間前。

 

まず、診察の前に、彼女の訴えを再度整理し、問診や診察内容をプログラムしてみます。

 

痛みの部位:顔面←①両側か片側か、②顔面の全体か、局所か

 

痛みの持続時間:数十秒ほど←一分以内か、数分間か、それより長く続くのか

 

痛みの性質:突然で、えぐられるような、突き刺されるような耐え難い痛み←①自発痛のみか、圧痛を伴うか、②圧痛を伴うとしたら、明らかな圧痛点は確認できるか

 

痛みの誘因:洗顔、歯磨き←特定の動作が関与するのか

 

発作間歇期:発作と発作の間は無症状(痛みなし)

 

 

<問診結果>

痛みの部位は右中顔面、持続時間は1分程度、右中顔面を洗顔時に刺激したり、右上の歯を磨いたり、などの動作に伴い痛みが誘発される。

 

 

<診察結果>

疼痛領域が右中顔面であるため、圧痛点を捜索した。

 

右三叉神経第2枝(上顎神経)領域、特に下眼窩神経の出現部

 

解説:

上顎神経(V2)は頭蓋底の正円孔を出たのちに、名称のとおり上あごの全体にわたって分布し、歯茎や上唇、口蓋や下瞼、頬部、篩骨洞、蝶形骨洞や上顎洞などを支配しています。

 

 

<初診時暫定診断>

三叉神経痛:右第Ⅱ枝(上顎神経)

 

 

さて、これからどのような対応をすべきでしょうか?