中毒・物理的原因による疾患、救急医学
<老年病は内科の延長で診ることが危険なワケ!>
その1.高齢者糖尿病の血糖コントロールの難しさ
加齢にともなって尿糖の排泄閾値は上昇します。
つまり、高齢者では同じ血糖値でも尿糖は陽性となりにくくなります。
これは、何を意味するかというと、血糖コントロールの目安として
尿検査をする場合には、高齢者では実際の血糖値に比べて
「血糖コントロール状態が低めに評価される可能性があるということです。
このことを根拠に、血糖コントロール状態の指標として、
尿糖を参考にすることを止める、あるいは尿検査をしないで、
毎回血液検査を勧める医療機関もあるようです。
それでは、尿糖の代わりの血糖コントロール指標としての
検査にはどのようなものが使えるでしょうか。
血糖値、グリコヘモグロビン(HbA1c)値
<測定時から1~2か月前の平均血糖値を反映します>、
フルクトサミン<測定時から4週間前の平均血糖値を反映します>、
グリコアルブミン値<測定時から2週間前の平均血糖値を反映します>
高円寺南診療所の見解は、それでも尿検査は有益であるため、
工夫して活用するという立場です。
血糖コントロールの指標として、血糖値とグリコヘモグロビン(HbA1c)値を
3か月に1回(春夏秋冬の4季に応じて)計測することにしているので、
尿糖との関連が把握できます。
つまり、尿糖の検出感度が低下しても、相対的な変化は十分に観察可能だからです。
高齢者に対して頻繁に採血をすることは、できるだけ避けたいと考えております。
もっとも、インスリン自己注射を実施している方に対しては、
自己血糖測定をしていただくことを原則とします。
幸いなことに、高円寺南診療所では糖尿病予備軍の早期発見・早期対策が功を奏し、
現状でインスリン使用例はほとんどありません。
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