日々の臨床 8月2日水曜日<心療内科は内科医だから責任重大なのです!①>

消化器系の病気

 

<心療内科は内科医だから責任重大なのです!>

 

3回シリーズその1

 

 

 50代女性。夫よりDVを受けていることで精神科

 

(本人は、心療内科と言ってはいますが・・・)に通院中だそうです。

 

高円寺南診療所に通院中の妹さん(看護師)のお話では、

 

最近、飲酒量も増えてきたそうです。

 

郷里から訪れた母親と共に部屋を訪れた際、

 

空の空き瓶が散在していて驚いたとのことでした。

 

なお、精神科の担当医はDVを専門とする、とあるマスコミ有名医ですが、

 

アルコール依存に関しては専門外とのことで、薬物治療のみの対応であったそうです。

 

 

高円寺南診療所では、患者さん本人の意思で来院される場合でない限り、

 

ご相談をお受けしないのを原則としておりますが、

 

相談者が継続的な通院患者さんである場合は、

 

最低限の必要な助言だけはお伝えできるように努めています。

 

そこで、まず基本的な身体状況・生活状況の確認をお願いしました。

 

 

お二人のお話から得られた情報は、

 

当該女性の眼球結膜(瞳の周囲の白目の部分)が黄色くなり、

 

お腹が異様に膨満していること。

 

 

その日は朝から、お酒を飲んでいないのに異様な口臭がすること。

 

 

身長152㎝、体重48㎏、脈拍(安静時)110/分、血圧94/52mmHg、呼吸数16/分。

 

SpO₂95%(高円寺南診療所の経皮的動脈血酸素飽和度測定装置をナースである妹さんにお貸しして測定)

 

 

ここまで、私は一切、話題の病人を診察しておりません。

 

しかし、暫定的診断はほぼ可能です。

 

 

<アルコール性肝障害>です。

 

ただし、重症度をきちんと評価しなければ適切な対応はできません。

 

そこで、ご本人に受診を促していただくことにしました。