呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病
テーマ:アナフィラキシー・ショック対策(その1)
<高円寺南診療所のアレルギー専門外来について>
アナフィラキシー・ショックの対処のために患者さんが自己注射する
エピペン®は、処方資格のある医師のみが処方可能な薬剤です。
処方医師はエピペンを患者の皆様に処方すること、
また緊急時の使用のためにエピペンを常備することが可能です。
高円寺南診療所は、アレルギー専門医として、アナフィラキシー対策を行っております。
当診療所公式ホームページのトップページをご覧ください。
以下の通り、ご紹介いたしております。
〇アレルギー科
ご存じですか? 気がつかないアレルギー!
アレルギー疾患は、国民の約5割が罹患する国民病です。
(厚生労働省:平成28年2月3日)
》基本は<環境調整><体質改善>
アレルギー科関連 追加処方資格
その他(アレルギー科の詳細はこちら)
ここで、<アナフィラキシー補助療法>をクリックしていただくと、
以下の記載をご確認いただけます。
○アレルギー科《アナフィラキシー補助治療剤の処方について》
(アドレナリン自己注射薬エピペン®)処方医資格取得日
(2004年11月9日)
アナフィラキシーとは、アレルゲンなどの侵入により、
アレルギー症状が複数臓器に引き起こされ、
生命に危機を与えかねない過敏反応です。
とりわけ、血圧低下や意識障害を伴う場合を
アナフィラキシーショックといいます。
このアナフィラキシーショック(過敏症性ショック)は、
Ⅰ型アレルギーを主とする即時型過敏反応です。
ヒスタミンが遊離されることによって起こるショック状態をいい、
血液分布異常性ショックの一つに分類されます。
体内を含め全身に血管透過性亢進による浮腫が起きますが、
口腔内の粘膜の浮腫は患者さん自らも観察可能です。
アナフィラキシーショックの症状には悪心(おしん)と嘔吐(おうと)がみられます。
<原因> 抗菌薬などの薬剤、食物(そば)、虫刺症(ハチ毒)、物理的刺激など多岐にわたります。
たとえば、お好み焼き粉などの粉製品を開封後、
長期間室温保存することで混入したダニが繁殖し、
その製品を摂取したことによるアナフィラキシーが報告されています。
アナフィラキシーショックは、IgE抗体を介する免疫学的抗原・抗体反応であり、
2回目以降に強く起こることが重要です。
<症状> 起因物質投与後、数分で粘膜浮腫、気管支痙攣(けいれん)、
血圧低下などの広範な症状を呈します。
早期の対応のためには前駆症状についての知識が役に立ちます。
気分不快感、違和感、唇や手足のしびれ、心悸亢進(動悸)などから始まることが多いです。
症状は次第に、血圧低下、頻脈(脈拍数の増加)、皮膚紅潮、蕁麻疹(じんましん)、
顔面蒼白(顔が真っ青になる)、喘鳴(呼吸がゼイゼイする)、呼吸困難、下痢などが生じます。
違和感として、悪心・嘔吐があります。
胃内容物(ときに十二指腸・小腸内容物)が不随意に逆流し、
食道・口腔から体外に排泄されることを嘔吐といい、
嘔吐したくなる差し迫った感覚を悪心(嘔気、吐き気)といいます。
なお、重症になると意識が消失し、死に至ることがあるため緊急対応が必要です。
<治療>迅速な処置が決め手になります!
1)アドレナリン自己注射用キット(エピペン®)を携帯していれば、それ使用します。
2)エピペン®をもってなければ、呼吸、循環(脈拍数など)の状態を直ちに把握して、
援助者(救急隊、可能であれば蘇生チーム)に連絡する。
3)医療機関でアドレナリンを大腿部(中央前外側)に筋注し、
患者を仰臥位(あおむけ)にして下肢を挙上する。
ここまでは、原理的には「1)」と同じです。
その後、必要に応じて酸素投与、静脈ルート確保、心肺蘇生を行います。
補足説明)専門的な話になりますが、アドレナリンを投与するのは、
血圧を回復させるだけでなく、c AMPを介してアナフィラキシー反応を
抑制に直接役立つことが知られています。
<検査>症状が落ち着き、投与薬剤の影響を受けなくなった時期に行います。
そこでアレルゲンの同定検査を行います。
1)血清特異的IgE抗体検査
2)プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト
高円寺南診療所では「1)」のみを実施しています。
感度は低いもののアナフィラキシー反応を誘発するリスクがないからです。
「2)」は感度が高いのですが、アナフィラキシー反応を誘発するリスクがあります。
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