【心理】認知行動療法 HELP!力 <24>

<第4ステップ> その1

 

「自分にどれだけの解決能力があるか」が判断できたら、

 

次は「人に助けを求めるかを決める」段階に入ります。

 

この段階での前提として大切なことは、気づきです。

 

たとえば、以下のような気づきです。

 

〇「自分は問題を抱えている」

 

〇「しんどいな」

 

〇「これは重大だな」

 

〇「一人では解決が難しいな」

 

しかし、人はそれでも助けを求めない場合があります。

 

それは<HELP!力>第3回~第9回で上げた数々の理由が存在するからです。

 

 

私が行った研究(宮仕, 2010)では、悩みが深刻である時に、

 

助けを求めよう(あるいは、求めまい)という意思決定が起こるのではない、ということがわかりました。

 

 

そうではなく、「自己スティグマ」が助けを求める妨げとなるというものでした。

 

つまり、「こんな自分は周囲に受け入れられないというレッテルを自分自身に貼ってしまうこと」が

 

「自尊心や自己評価が下がること」に繋がります。

 

その時こそが助けを求めることをためらってしまうプロセスを形成し始める、

 

という結果が得られました。

 

 

この研究結果は、臨床心理士として、

 

とりわけ認知行動療法を専門とする私の考え方を支える大きな柱の一つになったように思います。

 

 

* 参考文献: 太田仁,2005,「たすけを求める心と行動」,金子書房

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子