中毒・物理的原因による疾患、救急医学
テーマ:改正臓器移植法
1997年10月16日「臓器移植法」が施行されたことにより、
脳死後の心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸などの提供が可能になりました。
しかし、脳死後の臓器提供には、本人の書面による意思表示と家族の承諾を必要としており、
この意思表示は民法上の遺言可能年齢に準じて15歳以上を有効としていたため、
15歳未満の脳死臓器提供はできませんでした。
したがって、小さな臓器を必要とする体の小さな子供たちへの心臓や肺の移植は不可能で、
多額の募金を集めて海外に渡航移植をする子供が後を絶ちませんでした。
2010年7月17日に改正臓器移植法が全面施行され、
本人の意思が不明な場合には、本人の書面による意思表示が無くとも、
家族の承諾で臓器が提供できることとなりました。
これにより、15歳未満の方からの脳死での臓器提供も可能となりました。
つまり、年齢制限が撤廃されたため、
全ての年齢で臓器を提供することができるようになりました。
また、本人が書面上の許可をしていても、
家族が拒否すれば臓器移植は行うことはできません。
また、死後に臓器を提供する意思に併せて
親族に優先的に提供できる意思を書面により表示できるとした
「親族優先提供」も2010年1月17日に施行されています。
私が問題とするのは、臓器は誰のものか、ということです。
自分の臓器の扱われかたが、自分の遺志ではなく、
家族とはいえ自分以外の他人に決定されてしまう、
ということについて疑問を抱かざるを得ません。
また、現代社会において家族とは何か、
ということも真剣に議論すべき課題ではないかと思います。
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