水氣道へのご招待 第14回 【基本航法その2】

基本航法の実施要領(その2)

 

水氣道の基本航法は、第一航法(虚)と第二航法(実)、

 

つまり虚と実の反復によって、段階的に進行していきます。

 

ですから、第一航法と同様に奇数番目の航法である第三航法と第五航法は、虚の航法に属し、

 

第二航法と同様に偶数番目の航法である第四航法は、実の航法に属するといえます。

 

虚の動作ばかりだと、身も心も緩み過ぎになりますし、

 

実の動作ばかりだと、身も心も固まり過ぎてしまいます。

 

 

水も気も道(人道・天道)も中庸を好み、極端(破綻:はたん)を嫌います。

 

つまり、平衡(バランス)です。

 

ここで皆様に理解しておいていただきたいのは、

 

バランスには二つあるということです。

 

それは静的バランスと動的バランスです。

 

前者は止まっていること、固定していることであって死を意味します。

 

後者は、一定の許容範囲の中で、周期的に反復して揺れ動き続けることによって、

 

破綻を免れながら命をつないでいく営みです。

 

健やかに生きるということは、収縮・拡張という宇宙の鼓動のように

 

リズミカルに緊張・弛緩を反復させながら、動的バランスに乗りつつ、

 

外乱に巻き込まれずに歩み続けることです。

 

 

継続可能な動作とは、すべからく、メリハリが大切です。

 

メリハリとはメリとカリが転じたものされます。

 

これは邦楽の用語で、めり(減り)かり(上り、甲、浮り)から来ています。

 

めり(減り)とは低音で、かり(上り、甲、浮り)とは高音を意味します。

 

 

第一航法はメリ、第二航法はハリ、です。

 

水氣道はこうした音楽のようなものです。人体は楽器そのものです。