【日曜コラム】聖楽の楽しみ

今月のテーマ:ヴォイス・トレーニング

 

その4:ヴォイトレ・セラピーと心身医学療法

 

 

ヴォイス・トレーニングは身体と精神とに同時に働きかけます。

 

ヴォイス・トレーニングは音楽療法の一分野として

 

神経症やうつ病などの精神障害に有効であることは広く経験されています。

 

ただし、それだけではありません。

 

ヴォイス・トレーニング心身医学療法の一つとして活用されるべきなのです。

 

 

心身医学療法とは心身症の患者について、一定の治療計画に基づいて、

 

身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにするとともに、

 

その患者に対して心理的影響を与えることにより、

 

症状の改善または傷病からの回復を図る治療方法です。

 

そして心身症とは、身体疾患の中で心身相関の病態が認められる場合をいいます。

 

この心身相関とは、精神的葛藤や行動様式が体の状態に影響を与えて病気を作り、

 

逆に体の状態が心の働きに影響を及ぼすことを言います。

 

 

 私が聖楽院で行いたいことの一つは、新しいタイプのヴォイストレーナーを養成することです。

 

新しいタイプのヴォイストレーナーとは、レッスン生の身体面のトレーニングばかりでなく

 

精神面でのトレーニングを行うことができるヴォイストレーナーなのです。

 

 

聖楽院ではヴォイストレーニングを上質の芸術活動を通して

 

健康の維持・増進および病気の科学的治療をも併せて目的としているからなのです。

 

そのためには、心身医学に裏付けられた新しいタイプのヴォイトレ・セラピストの養成が必要だと考えています。