血液・造血器の病気

 

テーマ:発作性夜間血色素尿症

 

 

<朝起きた時の赤ワイン色のおしっこが出るので怖い>

 

という患者さんのお話を医学カンファレンスで聴いたことがあります。

 

他の症状としては腹痛があり、診察すると貧血が確認されました。

 

発作性夜間血色素尿症は国内には500人以下なので稀な病気ですが、

 

血液のしくみを説明する上で有用なヒントを与えてくれます。

 

 

一目で出血があきらかな血尿を肉眼的血尿といいます。

 

溶血とは赤血球の細胞膜が破壊されて壊れることです。

 

血液が紅いのは、赤血球の存在によります。

 

そして、その赤血球がなぜ赤いのかというと、

 

赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)が赤いからなのです。

 

また血尿とは尿に赤血球が混じることです。

 

 

同様の理由で、赤血球が壊れても血色素が尿に混じれば血尿になります。

 

これが血色素尿です。

 

 

発作性夜間血色素尿症とは、造血幹細胞の病気です。

 

後天的にPIG-A遺伝子が変異することによって造血細胞がクローン性に拡大して、

 

補体による血管内溶血をもたらすものです。

 

補体とは、生体が病原体を排除するときに

 

抗体および貪食細胞を補助する免疫システム (体系) を構成するタンパク質です。

 

補体系は自然免疫に属しています。

 

 

<発作性>という名称がついていますが、

 

溶血は持続的に生じていて、発作的に起こるのではありません。

 

ただ、<夜間>に溶血が盛んになるので血尿が朝に多いために名づけられたものです。

 

なぜ、夜間に溶血が盛んになるのかというと、就寝中は換気量が減少し、

 

体液が酸性に傾くこと(呼吸性アシドーシス)がきっかけで

 

補体が働き赤血球膜が破壊、つまり血管内溶血が起こるからです。

 

 

この病気ではなくとも、肥満の方は、睡眠時の換気量が特に減少し、

 

低酸素、呼吸性アシドーシスになりがちなので要注意です。

 

極端な例では、睡眠時無呼吸症候群となります。

 

 

発作性夜間血色素尿症に特有な赤血球の証明と溶血が証明されれば診断可能です。

 

発作性夜間血色素尿症の三大症状は、血管内溶血(⇒貧血)、血栓症(⇒脳梗塞、心筋梗塞)、骨髄不全です。これらは補体が関与して発症します。

溶血の治療に遺伝子組み換えヒト化モノクローナル抗体であるエクリズマブが使われますが、高価格であること、無効例があることなどの問題があります。

 

日々の臨床

4月26日水曜日 

消化器系の病気

テーマ:肝細胞がん

 

<お腹が張ってきて、白目が黄色い>といって来院された初老の男性例。たしかに眼球結膜は黄味がかっていて、どちらかというとセピア色に近い。張っているというお腹には多量の腹水が貯留していました。詳細にお尋ねすると、C型肝炎を患っていて全身倦怠感は続いていたが職を失ったため通院を中断していたとのことでした。ここまでで、たいていの内科医は肝細胞がんを疑います。

 

初診時に、ただちに超音波検査と腫瘍マーカーを含む血液検査を行いました。超音波では肝硬変の中にモザイクパターンの結節を3つ認めました。高円寺南診療所の超音波診断装置にはカラードプラーが使えるので確認したところ、結節内の異常血流を検出することができました。

肝細胞がんは、このように自覚症状に乏しく、癌が進行して初めて腹水や黄疸が出現することが多いです。

 

肝細胞がんは原発性肝がんのうち、肝細胞に由来するものです。多発する傾向があります。

約75%に慢性肝炎、約60%に肝硬変があります。C型肝炎ウイルス由来60%、B型肝炎ウイルス由来15%など原因が明らかなものが多いです。

紹介先の病院に入院され、およそ半年後、ご自宅で元気に過ごされましたが、それから3年後に亡くなられました。

 

中毒・物理的原因による疾患、救急医学

 

テーマ:病原性大腸菌食中毒

 

 

<下痢、腹痛、風邪様症状>を訴える患者さんは、今年の正月明けからしばらく続きました。

 

そうした患者さんの中で、下痢から症状が始まり、

 

すぐにコレラのような頻回の水様性下痢となり、

 

強い腹痛と血便が見られることがあります。

 

2日以内で改善しても腹痛が激しくなり、血便を来すことがあります。

 

血便は血液のみのようになり腸粘膜が混在することもあります。

 

 

これは病原性大腸菌食中毒でみられる症状です。

 

輸入腸管感染症の原因菌として最も多いのがこれです。

 

潜伏期はふつう1~3日です。

 

病原性大腸菌は種類も多く、健康な人でも菌を持っていることがあります(健康保菌者)

 

全ての病原性大腸菌が危険というわけではありませんが、

 

O-157のようなベロ毒素を出すタイプは重症な合併症を併発することがあり、要注意です。

 

 

普通の食中毒は菌が百万個以上体内に入らないと発症しませんが、

 

病原性大腸菌O-157は、わずか100~1000個の菌でも発症します。

 

人~人の感染もありますので早期に適切な処置が必要です。

 



毒素原性大腸菌ETECは、小腸上皮吸着能と毒素産生能を有し、

 

コレラ様の激しい下痢でおさまります。

 

発展途上国を旅行中の人がかかりやすいです。

 

基本的に軽症であれば検査は行われません。

 

また、一般検査室での毒素検査は、保険状も認められていないので、

 

症状に対する治療が優先され、輸液(点滴)が行われます。

 

 

腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌)EHECは

 

感染型(生体内毒素産生型)の食中毒で、潜伏期は、1~9日、

 

症状は、ベロ毒素が原因で、主に盲腸や結腸に炎症性変化を来します。

 

感染源は家畜、とくに牛です。

 

牛の糞により二次的に汚染された食材によることもあります。

 

ベロ毒素は血管内皮細胞における蛋白合成を阻害することによって細胞毒性を発揮します。

 

そのため水溶性下痢で収まらずに、

 

1~2日で激しい水様性血便と腹痛をともなう出血性大腸炎を来します。

 

現在、要注意とされている病原性大腸菌は、O-157、O-26、O-111、です。

 

他にO-74、O-91、O-103、O-121、O-145、O-161、O-165、なども

 

時にベロ毒素を出すことがあります。

 

その他のタイプでも稀にベロ毒素を出すことがありますので、

 

病原性大腸菌には油断禁物です。下痢がはじまって1週間後から、

 

溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全などの溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症の合併が問題となります。

 

 

出血性大腸炎の場合、腹部超音波検査で、右側結腸壁の著しい肥厚を認めます。

 

下痢発症後早期に、抗菌薬を3~5日間投与することが治療のポイントになります。

 

 

【溶血性尿毒症症候群(HUS)】は、生命に関わるくらい重症ですが、

 

早期に治療すれば回復が早いです。発症早期は下痢しか症状がみられませんが、

 

下痢くらいと考えず早めに医療機関を受診しましょう。

 

特に血便が見られたら、いくら元気に見えても様子など見ることなく、すぐ受診しましょう。

 

 

腸管組織侵入性大腸菌EIECは、細菌性赤痢様(粘血便、腹痛、発熱など)の急性胃腸炎を来します。

 

糞便検査で診断し、輸液と抗菌薬で治療します。

 

今回はお酒や飲み物を見ていきます

 

1単位=80キロカロリーでどの程度の量かを比べます

 

まとりあえずビールということで

ビール200ml

 

発泡酒180ml

 

ワイン100ml

 

日本酒70ml

 

焼酎50~60ml

 

ウイスキー30ml

 

リキュール類25ml

 

いかがですか?濃いものほどカロリー高いですね。

 

次はジュース類です

 

清涼飲料(コーラやサイダー)200ml

 

ジュース(天然果汁)200ml

 

豆乳130ml

 

牛乳(無加工)120ml

 

牛乳(低脂肪)160ml

 

意外にも豆乳と牛乳のカロリーが高いのが解りました。

 

Nogucciは牛乳大好きですので気を付けています。

 

以前は牛乳500mlを食事と一緒に飲んだりしていましたので…

 

約4.2単位(336kcal)もそれだけで摂取していたことに!

 

体に良いし美味しいので牛乳をゴクゴク飲んでいました。

ゲルノート・クランナーGernot Kranner 氏との出会い

 

それは3月25日(日曜日)ウィーン滞在最後の日の夜のオペラ観劇、

 

演目はアルフレード・カタラーニ作曲の歌劇<ラ・ワリー>でした。

 

 

フォルクス・オーパーで既に私の左隣の席に着いていた親切そうな紳士に、

 

念のため私の席が隣で良いかどうか、私のチケットを見せて尋ねたところ、

 

彼は間違いないですよ、という感じで確認してくれました。

 

 

さて、オペラ開演の前、まだ舞台の幕の下りたままのオーケストラ・ピットでは

 

楽団員たちが音の調整に余念がありませんでした。

 

そこで、彼の紳士は「今日のオケの連中、とっても良い音を出している。絶好調だな!」

 

という内容のドイツ語で小さく独り言をつぶやきました。

 

シャレではありませんがドイツ語の独語を始めて聴きました。

 

すると、彼は響きの良い、とても純正なピッチで軽く鼻歌を始めるのでした。

 

「これは只者ではない。」と私は直感し、

 

反射的に「突然で恐縮ですが、貴殿は絶対音感をお持ちのようですが?」と英語で尋ねたところ、

 

「いえ、そこまでは持ち合わせていませんよ。あなたは、お持ちなのですか?」と優しく問い返されました。

 

そこで「私の音感は全く優れていません。突然おうかがいして、大変失礼しました。

 

貴殿が、音楽のマエストロの雰囲気をまとっておいでだったものですから、

 

ついお伺いしてしまった次第です。」などと言い訳をしていると、

 

「私がマエストロなんて飛んでもありませんが、明日と、明後日の夜、この舞台に立ちます。」

 

とおっしゃるのでした。

 

そこで、私は、「それは、あいにくとても残念です。私は、明日、東京へ帰ります。

 

しかし、もし可能であれば、このオペラが終了した後に、お名前をいただけませんか。

 

私は東京の医師で、毎年この季節、ウィーンに医学と音楽の修業に来ています。

 

次回、私にレッスンしていただけないでしょうか。」と畳みかけると、

 

「お引き受けいたしましょう。」といって彼は私に名刺をくださいました。

 

 

ホテルに戻って早速、ネット検索をすると、彼はフォルクス・オーパーに所属する

 

歌手(Sänger)・劇作家Schauspieler・演出家(Regisseur)・著述家(Autor)

 

・舞台芸術監督(Künstlicher leiter)を兼ねるゲルノート・クランナー氏でした。

 

http://www.gernotkranner.at/

 

 

フォルクス・オーパーの日本公演が上野の東京文化会館で

 

2008年5月31日(土)14:30開演、

 

ヨハン・シュトラウスⅡのオペレッタ「こうもり」で、

 

ブリント博士役で出演されていたことがわかりました。

 

http://www.nakash.jp/opera/review08/32volksoper/r.htm

 

旅先での出会いは不思議なものです。

神経・精神・運動器

 

テーマ:視神経脊髄炎(NMO

 

 

<最近、注意力が落ちて、人ごみの中で、他人にぶつかりやすくなった、頭痛も気になる>

 

という40過ぎの女性。更年期に差し掛かる年頃の女性の訴えは、実に様々で、ときに複雑です。

 

 

自律神経失調症とか更年期障害だとかの診断を受けているような患者さんの場合は、要注意だと思います。

 

詳しい問診が欠かせません。

 

 

患者さんは、<最近>、といいましたが、実は、<突然に、ある時期からずっと…>でした。

 

<他人にぶつかりやすくなった>のは注意力低下ではなく、

 

両側が見えにくい、見えないからでした。

 

痛みは、頭痛だけでなく目も痛むことを確認しました。

 

その他、ご本人は気づいていない、あるいは気にしていなかった症状、

 

両側の軽度の麻痺、失禁、自律神経障害症状もみられました。

 

たいていの患者さんは、自分が困っていることや心配している症状以外のことまでは気が回らないものです。

 

簡単に視野のチェックをしてみると、両側の耳側半盲が疑われたので、

 

眼科での精密検査を勧めたところ、果たして両耳側半盲で視神経炎があることがわかりました。

 

<最近、注意力が落ちて、人ごみの中で、他人にぶつかりやすくなった、頭痛も気になる>

 

という訴えのほとんどは、これで説明できるためか、眼科での検査はそこで終わった模様です。

 

 

しかし、それだけでは、両側の軽度の麻痺、失禁、自律神経障害症状などの説明ができません。

 

私は、視神経炎という診断をもとに、多発性硬化症を疑いました。

 

そこで脊髄の検査が必要だと判断し、関連病院に紹介して、頭部と脊椎のMRIと髄液検査を依頼しました。

 

 

検査結果:頭部MRIT2強調画像:視神経に高信号⇒視神経炎)

 

脊椎MRI頸椎に4椎体におよぶ病変⇒横断性脊髄炎)

 

髄液:異常なし

 

血液:血清抗AQP4抗体(NMO-IgG)陽性

 

診断:視神経脊髄炎(Devic病)

 

この病気は、主に視神経炎横断性脊髄炎を繰り返す炎症性脱髄性疾患です。

 

 

医学の進歩は日進月歩です。

 

この病気は、多発性硬化症の一病型と考えられていました

 

しかし、血清抗AQP4抗体(NMO-IgG)の特異性が高い、

 

髄液でのオリゴクローナルバンドが陰性など多発性硬化症とは異なる特徴も多いため、

 

現在では別の病気と考えるようになってきています。

 

この患者さんは、比較的早期の発見であったため、ステロイドパルス療法が良く効きました。

 

今回は臨床で使っているツボ「⑧ 足三里(あしさんり)」を見ていきましょう。

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膝の皿の下そ外側のくぼみから指4本分にあります。

 

 

 

このツボは胃の調子を整えることによる体力増強、病気予防、

 

 

 

また足の疲れ、むくみ等に効果があります。

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

内分泌・代謝・栄養の病気

 

テーマ:腺腫様甲状腺腫

 

 

甲状腺にしこり(結節性病変)ができて心配で来院される患者さんを振り返ってみます。

 

甲状腺の結節性病変として最も頻度が高いのは腺腫様結節もしくは腺腫様甲状腺腫です。

 

指で触れて確かめることができる結節は複数で、

 

甲状腺が全体的に大きくなっていることが多いため、

 

経験豊富な専門の医師でさえ心配になるので、まして素人の患者さんが心配するのは良くわかります。

 

 

触診のあとは、超音波検査です。大小様々の結節性病変で、内部の状態も様々です。

 

専門的には低エコー領域という所見が特徴なので容易に診断できます。

 

ほとんど良性ですが、悪性腫瘍を合併することがあるので慎重に判断し、経過観察をします。

 

 

これは甲状腺の過形成病変であり、甲状腺ホルモンの異常は伴わないので、しこり以外の症状は現れません。

 

しこりが単発のものを腺腫様結節、甲状腺内に大小様々な結節が生じるものを腺腫様甲状腺腫といいます。

 

 

超音波検査は、最高の安全性に加えて、日常診療において有効性の高い検査技術です。

 

(15の続き)

 

人は悩みによっては、たとえ親密な相手であっても、逆に打ち明けられないことがあります。

 

そして、悩みを一人で抱えこんでいると、ますます孤立を深めていくことになります。

 

 

そういった時に利用できるのが、臨床心理士をはじめとする専門家(心理カウンセラー)です。

 

カウンセラーはクライアントさんのお話に、良し悪しといった評価をせず、肯定的に親身に耳を傾けます。

 

秘密も厳守されます。そして、安易な助言などはしません。

 

クライアントさんに役立つことであれば、専門的な見地から助言をいたします。

 

 

しかし、もっと大切なことは、その人自身が今ある困難を乗り越えられるよう、サポートをしていきます。

 

つまり、困難に出会ったことをきっかけとして、その人自身の成長を育み、見守る役割もするのです。

 

 

ところで、「サポート」といってもいろいろな種類があり、次のように分類することができます。

 

それは、①情緒的サポート、②手段的サポート、③情報的サポートです。

 

 

①「情緒的サポート」とは、辛さや苦しさ、悲しさなどの気持ちの面に寄り添い、共感したり、励ましたりしてくれるようなサポートです。

 

 

②「手段的サポート」とは、勉強やパソコンの操作といった、

 

やり方がわからない時に具体的な方法を教えてくれるようなサポートです。

 

道具的サポートとも呼ばれます。

 

 

③「情報的サポート」とは、自分にとって役立つ知識や情報を提供してくれるようなサポートです。

 

ヒントのようなもので、それを利用して本人が問題解決に役立てます。

 

 

(次回へ続く)

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子

心臓・脈管 / ・泌尿器の病気

 

テーマ:尿細管性アシドーシス

 

 

高円寺南診療所では、簡単で安価(3割負担で70~80円)な尿検査を積極的に行っています。

 

尿検査の基本項目は、糖、たんぱく、潜血、pHなどですが、

 

これだけで、実に多くの無自覚・無症状の病気の早期診断ができます。

 

また重要な病気の見落としを減らし、また、病気の鑑別を容易にできるスクリーニング・テストとして、

 

血圧測定と同様に、本来は欠かすことはできない検査項目であると考えています。

 

そこで初診時には全員に実施する価値があると考え実施してきましたが、

 

残念ながら100円足らずで実現できる健康投資の意義を

 

理解していただけない方々への対応は難渋しがちで、実施を見送ることがあります。

 

 

腎臓は、体液の酸度(pH)を一定に保つための中心的な臓器です。

 

腎臓は糸球体という部分で血液を濾過して最初の尿(原尿)を作ります。

 

この原尿が通過する尿細管では、酸を中和する「重炭酸」を作ったり、

 

酸である「水素イオン」を尿へ排泄したりします。

 

「アシドーシス」とは体液が酸性に傾いた状態を示します。

 

 

尿は血液とともに代表的な体液です。日々の生活では体内に大量の酸が発生するため、

 

本来は酸性に傾き(アシドーシスといいます)がちです。

 

それにもかかわらず、生命活動を維持するためには血液のpH(酸度)は

 

7.4(弱アルカリ性です)の前後に厳密にコントロールされなければなりません。

 

そのため、尿には酸が排出され、尿のpH6.2~6.8程度の酸性に傾きます。

 

 

アシドーシスの軽症例は無症状です。

 

しかし、進行すると意識障害、頭痛、過換気、吐き気、嘔吐、成長障害を起こしたりします。

 

また、尿の濃縮障害が生じると、多尿、脱水、

 

カリウムが低下すると、筋力低下、四肢麻痺、知覚障害、不整脈などが出現します。

 

 

 

尿細管性アシドーシスは、腎臓の尿細管のはたらきが障害された病気です。

 

 

Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅳ型の3つに分類

 

 

Ⅰ型:尿に水素イオンを排泄できないタイプ(遠位尿細管性アシドーシス)

   

酸の中和のため骨からカルシウムが抜け、尿細管内でのクエン酸が低下することで

 

血液中の重炭酸とカリウムが低下し、腎臓の石灰沈着や尿路結石

 

シェーグレン症候群がみられます。⇒クエン酸カリウムが治療薬として有効です。

 

 

Ⅱ型:重炭酸イオンの吸収が低下するタイプ(近位尿細管性アシドーシス)

  

血液中のカリウムが低下し、ファンコーニ症候群骨粗しょう症がみられます。

 

 

Ⅳ型:カリウム調整ホルモン異常のタイプ(高カリウム血症型アシドーシス)

 

 血液中のカリウムが上昇します。