日々の臨床 4月20日木曜日

呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

テーマ:ブルセラ症

 

 

<熱が出て、熱がさめたら、また熱が出て>という相談をよく受けます。

 

熱さえ下げれば病気が治ると誤解している患者さんの場合がほとんどで、

 

市販の解熱剤で対処しながら、無理な仕事を続けているパターンが多いです。

 

しかし、熱が高く、発熱と解熱が長期に及ぶ場合があります。

 

このように有熱期と無熱期を不規則に数か月にわたって繰り返す熱を波状熱といいます。

 

 

この熱型をとるのはホジキン病ブルセラ症です。

 

発熱以外の症状として、頭痛があれば髄膜炎、胸痛があれば心内膜炎、

 

腰痛があれば仙腸関節炎などを見落とさないようにしています。

 

肝臓や脾臓が腫れていないかもチェックします。

 

 

ブルセラは牛、羊、山羊などとの獣類とヒトが共に感染する人獣共通感染症の一つです。

 

感染した動物との直接接触により感染しますので、

 

都内に在住する方々にとっては、余り関係がないような印象を受けますが、そうとばかりはいえないようです。

 

それは加熱処理しないミルク、チーズなどから経口感染することもあるからです。

 

これは旅先での飲食などで起こり得ると思われます。

 

 

病原体は細菌です。好気性グラム陰性桿菌で細胞内に寄生します。

 

治療は適切な抗生剤を用います。