(心理)認知行動療法  HELP!力<4>

HELP!が言いにくい理由は、自尊心が「高い」ためでしょうか?

 

自尊心が高いと、自尊感情が傷つきやすいのでしょうか?

 

 

実際には、自尊心が低い人、また他者からの評価を気にしすぎる人は、

 

状況や他者からの評価を否定的に見過ぎて、

 

その心配が的中すると傷つきも大きくなるため、

 

さらに相談しにくくなるようです。

 

 

それでは、自尊心とは、どのようなものでしょうか?

 

 

まず、一般には<自惚れ(うぬぼれ)>などとも同一視されがちですが、

 

これとは区別しておきましょう。

 

 

ここでは自尊心とは心的態度の一つとします。

 

それは自己に対して肯定的な一般化された態度です。

 

 

つまり、自分自身の理解や評価に対して、維持から、

 

さらに高揚されようとする態度、

 

あるいは『ありのままの自己を尊重し受け入れる』態度です。

 

 

これに対して自尊感情とは、

 

自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情です。

 

自尊感情の高低は、本人の願ったものがどの程度うまくいくかによって決まります。

 

また、自尊感情には「安定性-不安定性(変動のしやすさ)」

 

という質的な次元もあるようです。*1

 

 

自尊感情が高く安定的な人は困難に出会っても粘り強く努力するでしょう。

 

しかし、自尊感情が高くても変動しやすい人は困難に嫌悪感を抱きます。

 

また成功した時には、他者の助けがあっても、

 

自己評価を高めるために「自分の能力によるもの」と思う傾向があるようです。

 

一方で、自尊感情が低い人は困難への対処をすぐに諦めてしまう、

 

助けを求めることすら諦めてしまうのかもしれません。

 

 

*1 参考文献:中間玲子.2016,「自尊感情の心理学」,金子書房

 

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子