神経・アレルギー・膠原病内科 Vol.4

今月のテーマ「神経疾患の最新医療」

 

<運動失調:小脳性と脊髄性との比較>

 

 

小脳の機能:小脳の役割は、知覚と運動のあいだを取り持つことです。

 

姿勢を保ち目的にあった運動を行うため、骨格筋の協調運動を助ける反射中枢です。

 

 

  1. 筋の緊張 2.平衡機能 3.姿勢反射の総合的調整 4.随意運動の調整

 

 

小脳性の運動失調症による共同運動不全では、主に以下の7つの要素により運動が阻害されます。

1測定異常(ジスメトリア) 2 変換運動障害 3 運動分解 4 共同収縮不能 

 

5 企図振戦 6 時間測定障害 7 筋トーヌス低下

 

 

小脳が障害されると、

 

 

症状:運動失調および協調運動障害による歩行障害(酩酊様歩行)

 

・上肢運動障害(ジスメトリア)、構音障害など

 

 

神経所見:筋力低下を伴わない筋緊張(トーヌス)低下、

 

眼振、企図振戦、反跳現症などが認められます。

 

ただし、小脳機能は、意識障害や運動麻痺があると検査が困難になります。

 

ジスメトリアとは、

 

反跳現症とは、リバウンド現象、ホームズ‐ステュワート現象ともいいます。

 

小脳に機能障害のある患者が,抵抗に逆らって動作しようとして,

 

その抵抗が急に除去されたとき,腕や脚は動かそうとしていた方向に急激にかつ力強く動き、

 

引き留めることができないという現象です。