循環器・腎臓・血液内科 Vol.3

今月のテーマ「血液病の最新医療」 

 

 

<急性骨髄性白血病(AML)> 

 

 

急性骨髄性白血病(AML)の診断は通常、症状の確認、血液検査、

 

および骨髄検査(骨髄生検、骨髄穿刺)の結果を組み合わせて行われます。

 

 

ただし、症状からだけでは診断できず、血液・骨髄検査を行い、

 

白血球数の異常と赤血球数や血小板数の減少が見つかれば、

 

急性骨髄性白血病(AML)を強く疑います。

 

確定診断のためには、骨髄液を吸引する「骨髄穿刺」や、

 

骨組織を含む造血組織を採取する「骨髄生検」が必要となります。

 

これらの検査は外来でもできます。

 

 

WHO分類では、染色体異常に伴って形成される融合遺伝子を有する

 

7つの急性骨髄性白血病の病型を規定しています。

 

 

このうち、以下の遺伝子を検出した場合は急性骨髄性白血病の診断基準の一つ、

 

(骨髄中の芽球≧20%)を満たさなくても、

 

骨髄異形成症候群ではなく、急性骨髄性白血病と診断されます。

 

1)t(8;21)(q22;q22)に伴う

 

RUNX1- RUNX1T1(AML1-ETO)融合遺伝子

 

・・・FAB分類のM2:骨髄系細胞の成熟分化傾向あり

 

 

2)t(15;17)(q22;q12)に伴うPML-RARA融合遺伝子

 

・・・FAB分類のM3:急性前骨髄性白血病(APL)

 

 

3)Inv(16)(p13.1q22)あるいはt(16;16)(p13.1;q22)に伴う

 

CBFB-MYH11融合遺伝子

 

・・・FAB分類のM4E₀:異常好酸球増多を伴う急性骨髄性単球性白血病