プライマリケア・救急・心療内科Vol.5

今月のテーマ<医療機関の科目標榜と専門医制度について>

 

 

第Ⅳ話:心療内科標榜の混乱①

 

 

実際の書き込み例です。

 

 

「2010・8・9の口コミの例 /親切すぎる精神科:

 

儲けを度外視して、真剣に患者と向き合い、その人に合った方法で、治療をしてくれます。

 

先生は独特ですが、患者の事を考えて、怒ったり指導してくれたりと、

 

なかなか普通では出会えないような、精神科医です(笑)」

 

 

(コメント: この患者さんは、とても感謝してくださったのだと素直に受け止めています。

 

ですから悪意はみじんも感じられません。ご活躍をお祈りしています。

 

ただし、善意ではあっても、誤解に基づく意図せぬ褒め殺し効果は後々に大きく現れるのは確かです。

 

一般に内科医としての医療費は精神科のそれより低廉です。

 

「診療費が安くて済んだから良心的な医療なのだ」という判断は全くの誤解です。

 

精神科医でなく内科医の括りだから安いのです。

 

この口コミを鵜呑みにして過剰な期待を胸に来院した方は、

 

悪い予感通り、大きな失望と怒りをもたらす結果となりました。)

 

 

「2010・10・27のクチコミ例/ 心療内科以外の知識も豊富なので、

 

医師としての技量・知識としては素晴らしいのかもしれませんが…。

 

心療内科として通われるのであれば、あまりオススメできません。」

 

 

(コメント:心療内科専門医は、

 

少なくとも日本内科学会が認定する内科医の資格が必須条件です。

 

ですから心療内科専門医の一般内科の知識が豊富なのは当然です。

 

心療内科専門医は受診者の重大な身体疾患を見逃すことは免責されないからです。

 

この方は心療内科としての心身医学的アプローチが必要な方でしたが、

 

心療内科=精神科の固定観念に縛られ前身できない状況に陥りました。)