今月のテーマ「神経疾患の最新医療」
<脳卒中慢性期の薬物療法>
脳梗塞慢性期の治療は、従来、病態別に治療法が推奨されています。
近年、新しい抗血小板薬としてプラスグレル、クロピドグレルなどが、
また新規経口抗凝固薬(NOAC)と総称されるトロンビン阻害薬(ダビガトラン)、
Xa阻害薬(リバーロキサン、アピキサバン、エドキサバン)が登場しています。
○抗血小板療法(アスピリン)は、非心原性脳梗塞で推奨されます。
非心原性脳梗塞の再発予防においては
抗血小板薬2剤療法の併用効果はなく単剤使用が推奨されています。
シロスタゾール、プラスグレル、クロピドグレルはアスピリンと
同等以上の有効性があります。
○抗凝固療法(ワルファリン)は、心原性脳梗塞、弁膜症性心房細動、器質的心疾患や
機械人工弁をもつ患者では第一選択になります。
ワルファリンは個人差や食事(ビタミンK含有食品)、薬物相互作用により薬効が一定しないため、
PT-INRによるモニタリングが必要です。
心原性脳梗塞でワルファリンによる抗凝固療法中では、
PT-INRを2.0~3.0に維持します。ただし、7
0歳以上では低めの目標設定(1.6~2.6)出血性合併症のリスクを下げます。
虚血性心疾患に対するステント留置後では、
再狭窄予防のための抗血小板薬2剤療法が一般的です。
○新規経口抗凝固薬(NOAC)は、非弁膜症性心房細動で第一選択とされます。
新規経口子凝固薬は、頭蓋内出血を含めた重篤な出血性合併症が
ワルファリンよりも明らかに少ないとされます。
また薬効の個人差が少ないことから、PT-INRによるモニタリングは不要です。
ただし、ワルファリンに対する優越しているのはダビガトラン300mg/日投与のみです。
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