神経・アレルギー・膠原病内科 Vol.4

今月のテーマ「膠原病の最新医療」

 

 

<出産を契機に起こりやすい関節炎>

 

 

関節リウマチは、妊娠により症状が軽快する場合があることが知られています。

 

 

しかし、出産を契機に新規に発症したり、増悪したりする場合もあります。

 

 

その原因疾患は、

 

1)関節リウマチ、関節リウマチ以外の膠原病、その他の自己免疫疾患

 

2)内分泌環境・生活環境の変化に伴う腱鞘炎(ドゥ・ケルヴァン症候群など)

 

 3)産後甲状腺炎(一過性甲状腺機能亢進症)に伴う関節症状

 

 

鑑別診断のポイントは以下の通りです。

 

1)関節症状の特徴を把握する

 

2)関節炎は1か所か複数か所か

 

3)急性発症か否か

 

4)関節症状の広がり

 

5)関節外症状の有無

 

 

したがって、関節の診察を基本としつつも、

 

単純エックス線検査、関節超音波検査などの画像検査をはじめ、

 

血液検査では関節リウマチの早期発見のためのスクリーニングとして

 

リウマチ因子、抗CCP抗体、その他の膠原病の鑑別のための自己抗体検査を行うほか、

 

必要に応じて甲状腺ホルモンなどを測定します。