神経・アレルギー・膠原病内科 Vol.3

今月のテーマ「膠原病の最新医療」

 

 

<関節リウマチ③…メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患>

 

わが国の関節リウマチ臨床の問題点の一つは、欧米に比べて、

 

悪性リンパ腫を含むリンパ増殖性疾患の発症率が優意に高いことです。

 

 

特に関節リウマチの第一選択薬であるメトトレキサート療法経過中に

 

リンパ増殖性疾患が発症することがあり、「メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患」と呼ばれます。

 

 

これは、原因不明の発熱、寝汗、体重減少、リンパ節の腫れなどが現れます。

 

 

原因となったメトトレキサートを中止することで症状が消失することもあります。

 

 

しかし、自然に小さくならない場合をはじめ、触診で肝臓や脾臓の腫れを認め、

 

血液検査で貧血や血小板減少、白血球分画異常、高LDH血症を認めた場合には、

 

早めに血液内科の専門医と協議して、化学療法を検討します。

 

 

リンパ節以外の病変も比較的多く、皮膚病変などにも注意が必要だとされています。

 

 

以上を「メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患」と一括りにしていますが、

 

実際には、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫など様々な組織型が認められています。

 

B細胞リンパ腫ではびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)という型が多いです。

 

なお、EBウイルス感染との関連が強く示唆されています。