神経・アレルギー・膠原病内科 Vol.2

今月のテーマ「膠原病の最新医療」

 

 

<関節リウマチ②…生物学的製剤による関節リウマチ治療>

 

 

関節リウマチは米国・欧州リウマチ学会関節リウマチ分類基準(2010)により、

 

早期介入・早期治療が可能になりました。

 

 

また、メトトレキサートの使用や生物学的製剤の開発により、

 

患者さんの日常生活活動性や病気の経過も著しく改善しました。

 

 

しかし、生物学的製剤のための医療費が高額になることも問題の一つです。

 

また治療の変化に伴い結核の他、ニューモシスチス肺炎、インフルエンザの発症、

 

B型肝炎の再活性化など注意すべき点も増えてきました。

 

 

そこで、関節リウマチにおける生物学的製剤投与においては、

 

注意すべき感染症とその予防のためのスクリーニングやモニタリングが重要です。

 

 

◎ ウイルス性肝炎スクリーニング検査にはHBsAg、HBsAb、HbcAbの検査が必須です。

 

◎ 結核スクリーニング検査は、IGRAやツベルクリン反応検査(PPDテスト)を用います。

 

◎ ニューモシスチス肺炎の予防にST合剤が推奨されています。

 

◎ インフルエンザワクチンは推奨されています。

 

 

ただし、生物学的製剤投与中には生ワクチンの接種は禁忌になります。

 

 

高円寺南診療所では、関節リウマチで生物学的製剤を使用する必要がある場合は、

 

入院施設のあるリウマチ専門医療機関への転医をお勧めしてきましたが、

 

ケースバイケースで対応するようにしています。