消化器・代謝内分泌内科 Vol.1

今月のテーマ <クリーゼ(危機)>

 

 

「クリーゼを理解する①」

 

 

クリーゼとは、内分泌系、つまり、ホルモンの異常によって危険な状態に陥っていることです。

 

内分泌系は、全身の調節系として、

 

自律神経系、免疫系とともに生命維持にとってとても重要な役割を果たしています。

 

 

そもそもクリーゼ(Krise)とはドイツ語で、英語のクライシス(crisis)に相当します。

 

 

クリーゼは具体的には、甲状腺クリーゼや副腎クリーゼ、高血圧クリーゼ、

 

重症筋無力症のクリーゼなど多くの種類があります。

 

 

これらのクリーゼのきっかけは、いずれも急激なストレスにさらされることが共通しています。

 

しかし、変化の方向性も違いもあり、大別して2つのパターンがあります。

 

 

その二つを仮に「機能亢進過剰型」と「機能低下急落型」と名付けることにします。

 

 

前者の「機能亢進過剰型」は、基礎疾患としてホルモンの亢進症があり、

 

急激なストレスが加わって、さらに過剰状態になるものです。

 

甲状腺クリーゼ、高血圧クリーゼがこれに相当します。

 

 

後者の「機能低下急落型」は、基礎疾患としてホルモンの低下症があり、

 

急激なストレスが加わって、さらに絶対的な欠乏状態になるものです。

 

副腎クリーゼや重症筋無力症のクリーゼがこれに相当します。

 

 

次回(明日)は、ストレスとホルモン調節異常、

 

それに伴うクリーゼの起こり方について説明します。