循環器・腎臓・血液内科 Vol.2

今月のテーマ「血液透析」

 

 

血液透析患者の血糖管理

 

 

血液透析患者は全国で30万人を超え、その約半数が糖尿病合併例です。

 

そこで、血液透析患者の血糖管理については、

 

糖尿病患者や家族も理解しておく必要があり、ポイントを述べます。

 

 

1)インスリン使用患者では、糖尿病の病型にかかわらず、

 

透析前後で血糖値を測定するようにしましょう。

 

特に透析前血糖値が高い場合、透析中から血糖値が低下する場合が多いです。

 

 

2)透析によって血中インスリン濃度は低下するので、

 

透析日と非透析日でインスリン投与量や投与時間を変更しなければならないことがあります。

 

 

3)血液透析患者ではHbA1cが実際より低値を示すため、血糖コントロールの指標には使えません。

 

 

4)血液透析患者にとってトレラグリプチン(DPP-4阻害薬)、エキセナチド(GLP-1受容体作動薬)、

 

ナテグリニド(速効型インスリン分泌促進薬)は禁忌となる薬剤なので注意を要します。