ピアニスト齋藤文香の音楽コラム

皆さま、こんにちは。

 

第1日曜日『聖楽』担当のピアニスト齋藤文香です。

 

 

最近、台風がとても多いですね。

 

先日、台風9号が東京に接近していた際、

 

私は某コンクールの伴奏で、ちょうど立川付近におりました。

 

道路の冠水や、電車の運休などに直面しました。

 

そのため宇都宮の自宅までの帰路が困難を極めました。

 

こうした身近な直接の経験により自然の災害の脅威を改めて感じた次第です。

 

皆様は、いかがお過ごしでしたでしょうか。

 

 

 

さて、私が昔から好きだった曲のお話。

 

 

最近、特にその曲に心惹かれるようになってきました。

 

今回は、その曲について少しご紹介させていただきます。

 

 

それは、ラヴェルの作品で3楽章から構成されるソナチネです。

 

 

ソナチネというのは、簡単に言うとソナタの規模を小さくしたものです。

 

概してソナタより短く、演奏しやすい内容であるものが多いとされます。

 

 

クーラウやクレメンティのソナチネなどが有名どころです。

 

 

小さい頃からピアノを習っていた方は、きっとお聞き覚えがあることでしょう。

 

 

しかし、このラヴェルのソナチネ。クーラウやクレメンティと同等に捉えることはできません。

 

それはソナチネとはいえ、本格的なコンサートレパートリーに入れて

 

違和感のないほどの高い完成度、難易度を持ち合わせているからなのです。

 

 

ハープを連想させるような響き(1楽章)、

 

メヌエットのようなどこか懐かしい優しさ(2楽章)、

 

トッカータ風の流れるような躍動感と鮮やかさ(3楽章)

 

 

どの楽章も、古典的な様式を取り入れつつ、

 

ラヴェルらしい独特な美しい和声や緻密な技巧が散りばめられています。

 

 

私のオススメはコルトーとソコロフの演奏です。

 

ラヴェルのソナチネ、ご機会があれば、是非お聴きくださることをお勧めいたします。

 

 

 

♡ ≪聖楽コンサート主宰からのコメント:

 

ラヴェルのソナチネをこよなく愛するピアニスト、

 

齋藤文香さんによる御演奏の実現を期待しています!≫

 

 

 

♬ コンサートのお知らせ

 

 9月19日(月・祝)18:40開演(18:30開場)

 

文京シビック小ホール

 

<及川音楽事務所 フレッシュガラコンサート>

 

 

曲目:シューマンの『詩人の恋』

 

 

連作歌曲であるこの曲のシリーズの何曲かを聖楽コンサート主宰、

 

テノール飯嶋正広さんが歌います。

 

私はピアノ伴奏者として共演させていただきます。

 

 

 

ぜひお誘い合わせの上ご来場くださいませ。

 

 

齋藤 文香