神経・アレルギー・膠原病内科Vol.2

今月のテーマ<脳神経内科>

 

 

「脳動脈瘤破裂」

 

 

脳動脈瘤破裂がくも膜下出血の原因の8割を占めることは、

 

昨日ご説明した通りです。

 

 

今回は、典型例である「脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血」の場合、

 

そのあと、どのような経過となりうるかについてのお話です。

 

 

その前に、前回<昨日>のクイズの正解は、

 

D 片麻痺 以外のすべて でした。

 

 

解説:特徴的な症状とは、その症状だけで、

 

病気の原因を絞り込むことができる症状を意味します。

 

 

くも膜下出血の自覚症状は、急激な発症(B突発性発症)、激しい頭痛(C)

 

悪心・嘔吐(A)、羞明(まぶしさに過敏な状態)等を特徴とします。

 

 

その他、意識喪失も頭痛とほぼ同時に、約半数の症例で生じ、

 

多くは一過性で数分から1時間以内に回復されますが、

 

急激に昏睡に陥る場合もあります。

 

 

くも膜下出血の他覚所見としては、脳の髄膜が刺激されて生じる症状(髄膜刺激症状)として、

 

うなじが硬くなり動かしにくくなる項部硬直(E)やケルニッヒ徴候などが重要です。

 

ただし、急性期や高齢者では、これが認められないことが多いので厄介です。

 

 

D片麻痺や不全片麻痺などの神経症状は脳実質の局所症状として重要です。

 

その場合は、脳の内部に血液の溜り(血腫)を形成した場合や、

 

血管が痙攣して脳梗塞を併発した場合に生じることが多いです。

 

 

脳動脈瘤破裂⇒くも膜下出血の流れについてご説明しましたが、

 

急性期や慢性期の合併症や後遺症もなかなか厄介な問題です。

 

 

意識障害、認知症、尿失禁、歩行障害のほか、

 

くも膜下出血そのものでは特徴的ではないと、前回説明させていただいた

 

片麻痺が、遅れて発症することがあります。