第1日曜日の音楽エッセイ

第1日曜日『聖楽』コラム担当のピアニスト齋藤文香です。

 

 

いよいよ本格的な暑さになってまいりました。

 

そんな時の涼み方、エアコンのお友達になること以上に素敵な出会いがいろいろありそうです。

 

 

たとえば、水がテーマになっている涼しげな曲

 

(ラヴェルの「水の戯れ」やドビュッシーの「水の反映」など…) を聴きながら、

 

楽しくおしゃれでフレッシュなひと時を過ごす、というのはいかがでしょうか。

 

 

 

さて、御報告がございます。

 

皆様にご紹介させていただいた杉並区和泉の<ソノリウム>での7月30日のコンサート、

 

『真夏の夜の夢』は、満員のお客様の中大盛況にて終演することができました。

 

芸術的配慮の行き届いたとても素敵な小ホールでした。

 

 

共演者のフルーティストの一人、高橋詩織さんは

 

自ら作成した切り絵によるプロジェクションマッピングの才能をも十分に発揮されました。

 

 

本当に素晴らしく、お客様とともにファンタジックな世界へと誘われました。

 

 

まさに目で見て、耳で聴く、

 

そんな楽しみ方を共有できる画期的なコンサートのスタイルが完成しました。

 

 

同じ二人のフルーティストとの共演での次回コンサートのタイトルは、

 

『くるみ割り人形』です。

 

12月10日(土曜日)、宇都宮の栃木県総合文化センター・サブホールにて。

 

こちらも同じく切り絵によるプロジェクションマッピング付きのコンサートになっております。

 

お誘い合わせの上、宇都宮の魅力も味わっていただけたらと存じます。

 

 

また、8月3日に、第20回『聖楽』コンサートに出演いたしました。

 

ちょうど聖楽コンサートの第20回目の節目を迎え、祈念の特別企画でした。

 

 

私と同郷の栃木県出身で、新進気鋭のチェリスト、

 

芝崎紘生さんをゲストに迎え共演していただきました。

 

 

主宰であるテノール飯嶋正広さんの『詩人の恋』(シューマン作曲)に始まり、

 

チェロとピアノによるアンサンブルやそれぞれのソロを演奏致しました。

 

 

クラシック曲からはじまりポップスをも交えた90分の特別プログラムでしたが、

 

 

お客様の温かい拍手の中、最後まで楽しんで演奏することができました。

 

 

お客様と近い距離で演奏するという『音海』での演奏コンセプト。

 

 

奏者として、いつもとは違った刺激的な空間での体験です。

 

 

そこは多方面の気づきがいただける勉強の場でもあります。

 

 

いつもの環境での演奏とは量的にも質的に異なる緊張感も伴います。

 

 

しかし、それ以上に、聴衆と奏者が一体となった音楽が誕生する、

 

そうした素晴らしい触れ合いと芸術創造の喜びが、たしかに生み出されています。

 

 

『音海』でのコンサートは、

 

お客様が一緒になって本当に真剣に音楽を感じてくださっています。

 

それがひしひしと伝わってくる、とても貴重な素晴らしい空間だなと感じます。

 

次回、また『聖楽』コンサートにて演奏できるのを心待ちにしております。

 

 

齋藤文香