(鍼灸)「疲労度分類」に想う私の実体験 ③

前回までをお読みになった皆様の中には、

 

 

「交感神経の働きが過剰になっているから深呼吸してみたら?」

 

 

という対処法を思いついたことでしょう。

 

 

そのことによって、副交感神経を働かせることができるわけですから。

 

 

 

しかし実際には、前回ご紹介した状態にまで陥ると、

 

 

深呼吸どころか、普通の呼吸すら満足にできません。

 

 

なぜなら衰弱すると体幹に力が入りません。

 

 

そして姿勢を保持する筋肉が衰えていくと、

 

 

衰えた筋肉が硬直の度合いを増し、

 

 

呼吸がいっそう浅くなり、

 

 

さらに息苦しさが増し加わってくるのです。

 

 

 

冷静であれば、すぐにその悪循環に気づけたはずです。

 

 

自分を見失っていると、その苦しいだけの無理な呼吸を、

 

 

必死な思いで何度も試みてしまうのでした。

 

 

それでますます呼吸を乱て苦しくするばかりでした。

 

 

そうなると、呼吸数を増やして代償する道しか見出せません。

 

 

呼吸数を増やすことは、すなわち交感神経の働きを亢進させることにつながります。

 

 

それしか自己制御の手立てがなくなるのです。

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭