外国語版の掲載の主たる目的は言語により、多少異なります。

 

 

『英語版』・・・高円寺南診療所へ来院された多くの外国人の皆様がご覧になっています。

 

しばしば、ご質問やご意見をも承り、内容や表記を改訂しています。

 

また、英語の本家である英国と米国との医療制度でさえ、相互に大きく異なります。

 

そこで高円寺南診療所のご案内を通して、

 

日本の医療制度について、ご理解いただけるように願っております。

 

 

 

『ドイツ語版』・・・受診者向け、というより、むしろ、診療研究上、

 

英語に次いで密接な連携をとっているドイツ語圏の専門家・研究者向けです。

 

医療の国際化は顕著です。ドイツ語を母国語とする医師は、概ね、英語にも堪能です。

 

 

しかし、日本人医師にも英語が不得手な方がまだまだ少なくないのと同様に、

 

ドイツ語圏の医師の中にも英語嫌いの方がおいでです。

 

『英語版』と『ドイツ語版』を併せ読んでいただくことを念頭においています。

 

 

高円寺南診療所のDr.飯嶋は

 

「ドイツ心身医学会」と「日本心身医学会」の姉妹関係締結の批准文書の作成者である関係上、

 

今後、毎年ドイツの学会への出張が予定され、

 

先方からのアクセス件数も増加しています。

 

 

 

『フランス語版』・・・『英語版』と『ドイツ語版』の中間を狙っています。

 

つまり、受診者向けであると同時に専門家・研究者向けです。

 

 

中国語、スペイン語ほどではないにしても、

 

フランス語圏の方が、しばしばご来院されますが、

 

カナダのフランス語圏(ケベックなど)を除いて、

 

英語が通じにくいことが少なくありません。

 

診察室にて、日本の医療制度の説明を懇切丁寧にさせていただくことは困難でした。

 

そこで来院されたフランス人の方に

 

準備していた『フランス語版』の原案を読んでいただきました。

 

すると「とてもわかりやすく安心しました」

 

と綺麗な日本語の発音でコメントをいただきました。

 

 

また高円寺南診療所は、日本水氣道協会の本部事務局を兼ねています。

 

薬物療法以外の治療法を非薬物療法、場合によっては自然療法といいますが、

 

近年、フランスにおいても高度な臨床成果を挙げています。

 

本年の9月初旬に、パリを拠点に、

 

学術交流や共同研究プロジェクトの立ち上げのため視察に向かう予定です。

 

 

 

高円寺南診療所HPの外国語版は、

 

高円寺南診療所の名刺代わりとしての機能も発揮しつつあることの手応えを感じています。

 

 

 

高円寺南診療所のHPの作成は、職員一同はもとより、

 

ご来院中の皆様、水氣道、聖楽関係者の皆様、それから国内外の多くの皆様のご協力によって、

 

今後も発展を続けていけることを希望いたしております。

今月のテーマ<中毒の特定内科診療>

 

「環境薬物中毒」No.2

 

 

『高円寺南労働衛生コンサルタント事務所』所長のドクトル(毒取る)飯嶋は、

 

一般内科をベースに、アレルギー専門医でもあります。

 

 

その専門性が背景となって作業環境測定の勉強をしました。

 

 

アレルギーの原因は実にさまざまで、

 

診察室で診療しているだけでは気づきにくい環境アレルゲンや

 

職場環境の有害物質についての

 

分析原理に対する知識や技能が不可欠であると考えたからです。

 

 

作業環境測定士とは、厚生労働大臣の登録を受け、

 

指定作業場について作業環境測定の業務を行う者です。

 

 

具体的な業務内容は、『作業環境測定法』に基づいて

 

労働作業者の職場環境に存在する有害物質を調査するため、

 

調査計画(デザイン)、試料採取(サンプリング)、

 

分析(簡易測定および測定機器を用いる)を行い、

 

労働作業者の健康を守る専門家としての資格です。

 

 

作業環境測定士になるには、作業環境測定士試験(国家試験)に合格し、

 

かつ、厚生労働大臣等の指定する者が行う講習を修了しなければなりません。

 

 

作業環境測定士は作業環境測定士には第一種と第二種があります。

 

 

第一種作業環境測定士になるには、まず第二種試験に合格しなくてはなりません。

 

 

第二種作業環境測定士は、デザイン、サンプリング、

 

簡易測定器による基礎的分析ができます。

 

 

これに対して、第一種作業環境測定士は、全ての分析ができます。

 

 

ただし、鉱物性粉じん、放射性物質、特定化学物質、金属類、有機溶剤の

 

5つの専門領域に分かれていて、領域ごとの試験に合格しなければなりません。

 

 

ドクトル飯嶋は、鉱物性粉じん、放射性物質、特定化学物質、金属類、有機溶剤

 

すべての試験に合格することができました。

 

 

次回は、この資格を活かしたコンサルテーションの一例をご紹介いたします。

高円寺南診療所のオフィシャル・ページ「English」には、

 

現在、『英語版』の他に『ドイツ語版』を掲載しています。

 

 

さて、このたび、『フランス語』版が完成しました。

 

 

本日と明日の2回に分けて、

 

診療所HP『外国語版』の目的などについて<事務局>からご紹介いたします。

 

 

8月中には追加掲載の予定です。

 

 

そこで、「English」のボタンを「Foreign Languages」

 

に変更することも併せて検討中です。

 

 

さて、高円寺南診療所を来院される外国人の患者の皆様の特徴は、

 

概して、日本語の日常会話は可能な方がほとんどです。

 

 

ですから、受付や待合室での型通りの会話には不自由しません。

 

 

しかし、ひとたび診察室にお入りになると、状況は一変します。

 

 

言葉がなかなか出てこないのです。

 

 

これは、私たち日本人が外国で病院を受診する状況を想像していただければ、

 

容易にご理解いただけると思います。

 

 

そのような場合には、まず、平易な日本語での医療会話を試みることにしています。

 

 

しかし、彼らが伝えたいことを

 

適切な日本語にすることは容易ではないことが少なくありません。

 

 

そこで会話を英語に切り替えます。

 

 

すると、堰を切ったように早口の英語が返ってくることが多いです。

 

 

背景とする文化や言語の違いを超えて、

 

「自分が受け入れられた、十分に理解された」

 

そう実感すると、患者の皆様の表情はとても明るくなります。

 

 

安心して、診察室を後にしていただけると、

 

受付の職員と流暢な日本語でコミュニケーションされているのが、

 

いつも不思議に思えてきます。

今月のテーマ<中毒の特定内科診療>

 

「環境薬物中毒」No.1

 

 

高円寺南診療所の施設内には、他に二つの事務所の拠点があります。

 

一つが『日本水氣道協会本部事務局』、

 

そして、もう一つが『高円寺南労働衛生コンサルタント事務所』です。

 

 

高円寺南診療所では、比較的若い世代の受診者が多く、彼らの相談内容は、

 

身体的問題をはじめ、メンタル的な不調のほか、

 

労働条件など社会的なストレッサーが関与することが少なくありません。

 

 

そこで、一般内科をベースに、心療内科専門医でもあるドクトル飯嶋は、

 

まず産業医としての勉強が必要であると考えて、産業医資格を取得しました。

 

 

ついで、医師免許とは独立した国家資格であり、

 

専門性のより高い労働衛生コンサルタントの資格を取得しました。

 

 

厚生労働大臣の行う試験に合格し、

 

労働衛生コンサルタント名簿に登録した労働衛生に関するスペシャリストです。

 

 

「わかっています、でも…」Part 4

 

皆様は、阿修羅(あしゅら)をご存知でしょうか。阿修羅は修羅ともいいます。

 

この修羅の世界を経験しましたのでご報告いたします。

 

 

修羅界の特徴は、

 

自分をいかにも優れたもの(減量目標の達成者)に見せようと虚像をつくります。

 

表面上は人格者や善人を装っています。

 

謙虚な素振りすら見せてしまうこともあります。

 

しかし、内面では自分より優れたものに対する嫉みと悔しさに満ちています。

 

修羅界の特徴を一言でいえば、内面と外面が異なり、心に裏表がある点であると思います。

 

阿修羅像

 

NoGucciの忌まわしい記録が、それを永遠に証明してくれることでしょう。

 

 

明かされたデータ、それは28キロの体重リバウンドです。

 

自己申告73.5Kg(実は 100Kg超、詳細データは後ほど)

 

 

三界の鬼のアドバイスは便利で魅力に満ちていました。

 

うっかりこれに従うと、楽になるどころか、ますます辛さが増していくのでした。

 

三界の鬼の誘惑に陥らないためには、

 

1.見通しをつける(大まかな行動計画を立案する)

 

2.見通しがつたら、できることから、まず「手を付ける」(着手する)

 

 

特に「手を付ける」ことが重要だと思います。

 

それから、何事も自力で解決しなくてはと無理をせず、

 

「誘惑に陥らないよう、三界の鬼からお救い下さい」と

 

謙虚に祈り、懺悔することもはじめてみました。

 

 

明日から本気出す!では永遠に「明日から」になってします。

声楽家として健康的かつ芸術的な声を保持するためには、

 

発声技術そのものの基礎訓練の継続が肝要だと思われます。

 

 

2時間におよぶ私の定例稽古は、概ね以下の流れで続けています

 

1)協力ピアニストのピアノ曲演奏の鑑賞。

 

2)目的に応じて選択した『声楽教則本』を用いた発声・歌唱技術訓練。

 

3)コンサート用の歌曲の稽古。

 

4)コンサート用のオペラ・アリアの稽古。

 

 

この4つの段階を踏むこと、

 

それぞれの段階で取り組む課題間の整合性について合理的にデザインすること、

 

それを着実に計画的に実行すること、

 

それによって顕著な効果が得られています。

 

 

なお、ピアニストの協力が得られなければ、

 

このメソッドでの稽古は一歩も前進しません。

 

 

 

最近、多くの声楽関係者の皆様、

 

ピアニストの皆様のご質問をいただくようになりました。

 

そこで現状での私のメソッドを

 

一部(予定も含めて)公開させていただくことにいたしました。

 

 

 

以下、各声楽教則本の作曲者を生年順にリストしました。

 

目的や課題、担当ピアニストの一覧をご紹介いたします。

 

 

 

18世紀以降>

 

パエール:Ferdinando Paer(1771 - 1839)伊の作曲家。

 

<コロラトゥ―ラとアジリタの技術習得のために用いる予定です。>

 

担当ピアニスト:(聖楽コンサート協力ピアニストに要請の予定)

 

 

ボルドーニ:Marco Bordogni(1788-1856)伊のテノール。

 

<最高音がA.B.Cのみ。最高難度。>

 

担当ピアニスト(四声唱法):荻原由実さん。 

 

研究課題:ロシア歌曲・スペイン歌曲

 

 

バッカイ:Nicola Vaccaj (1790 - 1848)伊のオペラ作曲家、歌唱指導者

 

<重い声が軽くなり、レガートで語るように歌えるようになる珠玉の一冊。>

 

《イタリア語の歌詞付きのアリエッタで構成され、サロン・コンサートにても好評を得ました。》

 

担当ピアニスト(第四週先任):吉田奈津子さん。 

 

研究課題:イタリア歌曲・アリア

 

 

ロッシーニ:Gioachino Antonio Rossini(1792- 1868)伊の作曲家。

 

<ロッシーニなどベルカント・オペラの歌唱技術向上のために用いています。>

 

担当ピアニスト(四声唱法):中村達郎さん。

 

研究課題:伊古典歌曲(カウンターテナー)

 

 

担当ピアニスト(四声唱法):荻原由実さん。 

 

研究課題:ロシア歌曲・スペイン歌曲

 

 

 

<19世紀>

コンコーネ:Giuseppe Concone(1801-1861)伊の作曲家。

 

<フランス歌曲を歌うために、「コンコーネ15番」を役立てています。>

 

担当ピアニスト(第三週先任):佐々木理之さん。

 

研究課題:仏歌曲、特にR.アーン

 

 

パノフカ:Heinrich Panofka(1807‐1887)独のヴァイオリニスト。声楽家。作曲家。

 

<テノールによるドイツ・リート歌唱技術向上のために用いています。> 

 

担当ピアニスト(第二週先任):齋藤亜矢子さん。 

 

研究課題:独歌曲、シューベルト『美しき水車小屋の娘』など

 

 

担当ピアニスト(第五週先任):齋藤文香さん。

 

研究課題:独歌曲、シューマン『詩人の恋』など

 

 

 

<19世紀以降>

 

マチルデ・マルケージ:Mathilde Marchesi(1821 ⁻1913)独のメゾソプラノ。作曲家。

 

<女声向けドイツ歌曲をカウンターテナーで歌うための準備に用いる予定です。>

 

担当ピアニスト(第五週先任):齋藤文香さん。

 

研究課題:独歌曲、シューマン『女の愛と生涯』など

 

 

サルバトーレ・マルケージ:Salvatore Marchesi(1822 - 1908)伊のバリトン。作曲家。

 

<バリトンとメゾソプラノの歌唱技術を磨くために用いる予定です。>

 

担当ピアニスト(第四週先任):吉田奈津子さん。

 

研究課題:伊歌曲、特にトスティ、アリア

 

 

担当ピアニスト(四声唱法):寺根佳那さん。

 

研究課題:伊古典歌曲(カウンターテナー)

 

 

担当ピアニスト(四声唱法):中村達郎さん。

 

研究課題:伊古典歌曲(カウンターテナー)

 

 

ヴュルナーFranz Wüllner(1832-1902)独の作曲家、指揮者。「コールユーブンゲン」

 

<佐々木理之氏より特別のお勧めです。リズム感養成のために用います。>

 

担当ピアニスト(第三週先任):佐々木理之さん。

 

研究課題:仏歌曲、特にR.アーン

 

 

トスティ:Francesco Paolo Tosti(1846- 1916)伊の歌曲作曲家。

 

<トスティの歌曲を高水準の技術で歌えるようになるために用いています。>

 

担当ピアニスト(第四週先任):吉田奈津子さん。

 

研究課題:伊歌曲、特にトスティ、アリア

 

今回から5回にわたって私自身の実際の経験を報告、

 

そして、解説をさせていただくことにします。

 

 

 

テーマは 「疲労度分類」

 

反復性疲労から疲労困憊までのプロセスについてです。

 

 

 

さて私は以前、とある接骨院に勤めていました。

 

そもそもの事の発端は、突然に言い渡された解雇通告でした。

 

その接骨院の経営者の柔道整復師から1ヶ月後に解雇されました。

 

 

仕事が無いこと。定職に就けないこと。

 

自尊心が根底から傷つけられてしまうと、

 

たとえ資格や技能や経験があっても、

 

それをまったく活かせないとなると、

 

かえって孤独と絶望感にさい悩まされるものです。

 

 

つまり、失業状態は、底知れぬ不安、

 

尽きることのない苦しみの元凶となりました。

 

 

 気力が根こそぎ奪われている状態での不安には、焦燥感が付きまといます。

 

その不安は、様々な耐え難い身体症状を、次々と引き起こしました。

 

 

次回は、そのプロセスについて、振り返ってみたいと思います。

 

 

≪ドクトル飯嶋からのコメント≫

 

やあ、坂本先生。

 

随分思い切った記事を書きましたね。

 

こうした手記を公表するということは、

 

想像以上に、心身に負荷が掛るものですよ。

 

 

もっとも、坂本先生ご自身が、避けて通れない作業とお考えである以上、

 

私は敢えて反対せず、見守ることにします。

 

 

ただし、治療者として配慮しなくてはならないことは、

 

読者の皆様の魂への配慮です。

 

 

Mr.NoGucciの懺悔録でもコメントしましたが、

 

シリアス過ぎるのはあまり良くありません。

 

 

自他の魂を癒す目的のために、

 

心身栄養学的に説明するならば、

 

心のカロリーの他に

 

魂のビタミンやミネラルが不足してはなりません。

 

それは、エスプリとユーモア。

 

つまり、芸術性と人間性なのだと思います。

 

 

楽しくてためになるシリーズになるよう祈っております。

前回は「ご自身の考えのクセをチェックしてみては」と提案いたしました。

 

しかし、これが実は難儀なことだったりします。

 

 

以前にもお話ししましたように、

 

「考えのクセ」は本人にとっては当然の、半ば無意識的に生じる思考です。

 

 

ですから、考え方が偏っている=思い込み・決めつけである、

 

とは自力では気づきにくいものです。

 

 

そこから気づくためのカウンセラーによるお手伝いがはじまるわけです。

 

 

そこで、今回まで熱心に読んで下さった皆さまに、

 

「気づくヒント」の具体的例をお伝えしたいと思います。

 

 

 

まず、ネガティブな感情が湧きおこった出来事について紙に書いてみましょう。

 

 

1)いつ、どこで、誰が、どうした、という具合です。ここまでなら書きやすいと思います。

 

 

2)次に、「どんな感情が湧いて、私はどうなった・どうしたのか?」を書きます。

 

 

3)そして、「その感情にはどんな考えが込められているの?」とじっくり自分に聞いてみます。  

 

熱心な読者の皆様は既にお気づきかもしれませんが、これこそが「自動思考」なのです。

 

 

例を挙げて説明してみましょう。

 

1)店員がそっけなかった。

 

2)私は頭にきた、飲み物もまずく感じた。

 

3)頭にきたのは、店員がそっけなかったから…

 

 

ここでストップ! ちょっと立ち止まって下さい。

 

「店員がそっけなかったから=当然頭にくる状況」

 

「当然」でも「絶対」でも「ほらやっぱり」でもないのです。

 

この思い込みに飲み込まれないように!

 

 

そして、どうして「A:店員がそっけない」と「B:頭にくるのか」。

 

 

その理由を自分に聞いてみましょう。

 

 

AとBをつなぐものは何でしょうか。

 

 

そこに認知のクセが隠れているのです。

 

 

ここに気づくことが鍵です。

 

 

例えば、「そっけない態度」というのは…

 

 「私に向けられたものだから」、「私をバカにしている証拠だから」、

 

「店員がすべき態度ではないから」、などなど理由(クセ)は人それぞれ。

 

 

「だから私は頭にくる」、確かに、そういう理由なら頭にくるかも。

 

 

でもそれは、真実ではないかもしれません。

 

 

もしかしたら、「私に向けられたものではない」、

 

「私をバカにしているわけではない」、「店員も完璧ではない」から。

 

 

「絶対」と思う度合いが強いほど、ブレーキをかけるのは大変です。

 

 

そこで、大事故につながる前に早めに

 

「これは決めつけかも、思考の暴走をやめてみよう」

 

と思ってみましょう。

 

 

このように気づくだけでも、物事のとらえ方はずいぶん違ってくると思います。

 

 

思考が暴走して極論までいって、感情の嵐でくり返しヘトヘトになってはいませんか? 

 

ヘトヘトな時は一人で悩まずに、ぜひご相談にいらして下さい。

 

 

臨床心理士 宮仕 聖子

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

仕事が残っていて、周りに迷惑をかけている。

 

どうしても入院したくない、とおっしゃるので、

 

最悪、明日以降も外来受診の可能性を考えながら血液検査をしました。

 

 

幸い、同居人の彼氏が同伴していたので、彼に十分説明したところ、

 

彼氏が、緊急入院を説得してくれました。

 

 

以下は、翌日に届いたデータです。

 

血液検査所見:赤血球370万、ヘモグロビン11.8g/dL、Ht36%、

 

白血球数15,800(桿状核好中球16%、分葉核好中球63%、単級4%、リンパ球17%)、

 

血小板16万。CRP30mg/dL

 

以上のデータを入院先の病院の担当医に送ったところ、

 

以下の返事をいただきました。

 

 

「緊急入院直後、ただちに頭部単純CTを撮り異常を認めませんでした。

 

そこで腰椎穿刺により脳脊髄液を採取し、

 

グラム染色をして鏡検(光学顕微鏡での検査)したところ、

 

グラム陽性双球菌を検出しました。

 

ご紹介ありがとうございました。」

 

 

この症例は、最終的に肺炎球菌による細菌性髄膜炎という診断でした。

 

髄膜炎を見逃すと、患者さんは不幸な転機をたどります。

 

 

しかし、髄膜炎と診断できても、原因はさまざまで、それによって対処法が異なります。

 

原因を突き止めずに、手当をすることは無謀です。

 

「解熱剤と痛み止めをください。」という患者さんの希望に添うだけで

 

帰宅していただいたら大変な事態を招いていたことでしょう。

 

 

髄膜炎の原因が細菌であることが早期に判明し、

 

適切な抗生物質が投与されたことによって無事に退院できたそうです。

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

「髄膜炎」Vol.1

 

 

20代の女性。激しい頭痛のため来院。

 

「市販の薬が効かないので、良く効く解熱剤と痛み止めをください。」

 

とのご希望でした。

 

今朝は高熱とともに頭がぼんやりするんで会社を休んで受診することにしたとのことでした。

 

 

簡単にお話をうかがうと、

 

頭痛の部位は額(前頭部)で3日前の金曜日に発熱とともに出現し、

 

いずれの症状も次第に増強して、月曜の朝を迎えた模様でした。

 

 

診察中にすでにウトウトしだし、

 

普通にお名前を呼び掛けると容易に開眼するため、

 

JCSⅡ-10と評価しました。

 

 

その他のバイタルサイン:

 

脈拍140/分、脈不整なし。血圧128/76mmHg,

 

体温39.8℃(平熱36.2℃)

 

 

神経学的検査:

 

うなじが硬くなって動かない(項部硬直)

 

ケルニッヒ徴候(陽性)

 

対光反射、眼球運動、四肢運動および腱反射は異常なし。

 

バビンスキー反射、異常なし。

 

今後の対応のため採血を実施しました。

 

 

発熱、頭痛、意識障害、項部硬直、ケルニッヒ徴候陽性という所見から、

 

すぐに髄膜炎を疑い、緊急入院先を手配しました。