前回は「自動思考(認知のクセ)に気づくヒント」のお話でした。
カウンセリングでは、自動思考に気づくためのワークをくり返します。
すると、ご自身の思い込み・決めつけパターンが見えてきます。
そこで、「この考え方では辛いままだな」と問題意識が芽生えてきます。
これだけでもある程度の効果が期待できます。
ただし、自動思考の暴走にブレーキをかけるためには、
自動思考に代わる新たな思考を生み出す必要もあります。
認知行動療法の中には多くの手法があります。
今回はその一つである「認知再構成法」をご紹介いたします。
この方法は、自分を辛くしている元の自動思考をあらゆる角度から検討します。
そして、辛くない方へ向かえるよう、新たな思考を考え出します。
さらに、元の自動思考が出てくるたびに、新たな思考をくり返し思い浮かべます。
この手順に使い慣れていく=自然に新たな思考が思い浮かぶように練習を積み重ねます。
例えば、店員がそっけなかったときに
「私が何かしたのかな(自動思考)」
と悲しい思いをしたとしましょう。
元の自動思考を検討するには、
(※)「私が何かした」わけではない理由は?
「私が何かしたのかな」を信じるメリットは?
とご自身に聞いてみて下さい。
もし、この例のような反証やメリットを考えたこともない方は、
思考を広げるチャンスです。
ぜひ、この例を参考にされて上のような質問に答えてみて下さい。
物事のとらえ方は一つではなく、無数に存在します。
一人ではなかなか良いアイデアが浮かばないかもしれません。
カウンセリングでカウンセラーと一緒に取り組むことの長所。
それは、カウンセラーがその人に合わせたガイドができることです。
そうして、①『自動思考』に気づけたり、
②『より良い新たな思考』を生み出せたり、
つまり、新しい気づきや思考法を育むことができることだろうと思います。
※伊藤絵美先生の著書、
「ケアする人も楽になる認知行動療法入門」
を参考にさせていただきました。
臨床心理士 宮仕 聖子
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