神経・アレルギー・膠原病内科Vol.3

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

「髄膜炎」Vol.1

 

 

20代の女性。激しい頭痛のため来院。

 

「市販の薬が効かないので、良く効く解熱剤と痛み止めをください。」

 

とのご希望でした。

 

今朝は高熱とともに頭がぼんやりするんで会社を休んで受診することにしたとのことでした。

 

 

簡単にお話をうかがうと、

 

頭痛の部位は額(前頭部)で3日前の金曜日に発熱とともに出現し、

 

いずれの症状も次第に増強して、月曜の朝を迎えた模様でした。

 

 

診察中にすでにウトウトしだし、

 

普通にお名前を呼び掛けると容易に開眼するため、

 

JCSⅡ-10と評価しました。

 

 

その他のバイタルサイン:

 

脈拍140/分、脈不整なし。血圧128/76mmHg,

 

体温39.8℃(平熱36.2℃)

 

 

神経学的検査:

 

うなじが硬くなって動かない(項部硬直)

 

ケルニッヒ徴候(陽性)

 

対光反射、眼球運動、四肢運動および腱反射は異常なし。

 

バビンスキー反射、異常なし。

 

今後の対応のため採血を実施しました。

 

 

発熱、頭痛、意識障害、項部硬直、ケルニッヒ徴候陽性という所見から、

 

すぐに髄膜炎を疑い、緊急入院先を手配しました。