(心理)認知行動療法  ストレスへの対処法-8

今日は前回の続き、Aさんの『自動思考(頭の中にパッと浮かぶ考え)』から、

 

よくあるパターン④~⑤をお話しします。

 

 

例)Aさんは職場の会議のプレゼンの時に、

 

「資料の数値に間違いがある」と指摘されました。

 

 

Aさんが即座に思ったこと=『自動思考』は…

 

 

これでプレゼンは台無しだ。上司の評価も下がり、もう昇進の可能性はなくなった。

 

自分は肝心な時にいつもミスばかりしている。みんなにダメな人間と思われている。

 

 

④ みんなのように完璧な資料を作らなければならないのに。

 

 

⑤ 業績が伸びないのも、全て自分のせいだ。もう会社の人に顔向けできない…

 

 

④「すべき思考」:

「~すべき」「~すべきでない」「~しなければならない」

 

「~してはいけない」と考える傾向のことです。

 

この基準を自分に当てはめると自分を追い詰め、

 

実行できないと罪の意識を持ちやすいです。

 

また相手にもその基準を求めるため、怒りや葛藤を感じやすくなります。

 

また、これには④の「完璧な~」は「ストレスへの対処法7」で

 

すでにお話しした「全か無か思考」も関与していることにお気づきでしょうか。

 

 

 

⑤「自分への関連づけ(個人化)」:

 

何か良くないことが起こった時、

 

自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまう傾向のことです。

 

Aさんはこの考えにとらわれて、

 

「ではこれからどうするか」「自分ができることは何か」

 

といった生産的な考えが思い浮かびません。

 

 

 

今回までに、自動思考に基づく基本的な考え方のクセを

 

5つの要素に分類してご紹介してきました。

 

 

これまでに挙げてきた、これらのパターンが、

 

いくつも合わせ技で係わってくると、問題はより複雑化しがちになります。

 

そのような状況では、自分一人で振り返って整理することは、より難しくなるでしょう。

 

 

より一層、自分を追い詰めたり相手を責めたりして、

 

落ち込みや不安、怒りを感じやすくなるかもしれません。

 

 

今一度、ご自身の考えのクセをチェックし、

 

機会があればご相談くださいますように。