消化器・代謝内分泌内科Vol.3

今月のテーマ<痛風・高尿酸血症>

 

 

「高尿酸血症・痛風の診断」

 

 

Q1.そもそも尿酸とは?

 

A1.尿酸はプリン塩基(アデニン、グアニン)をはじめとするプリン分解の最終産物です。

 

 

Q2.高尿酸血症の原因は?

 

A2.尿酸の産生過剰、尿酸排泄の低下またはその両方の合併により生じます。

 

尿酸の産生過剰の原因は、食事からのプリンの過剰摂取や、

 

内因性のプリン産生増加、プリンヌクレオチドの分解亢進などにより起こります。

 

 

 

高尿酸血症・痛風の診断の実際:

 

1)高尿酸血症は血清尿酸値が7.0mg/dl以上をいいます。

 

 

2)高尿酸血症が急性痛風関節炎、痛風結節、腎障害、尿路結石

 

の原因になることは以前から知られていました。

 

 

3)近年、高尿酸血症が動脈硬化性疾患の危険因子でもあることが明らかになりつつあります。

 

 

4)高尿酸血症は、原因によって

 

「尿酸産生過剰型」、「尿酸排泄低下型」、「混合型」に大別され、

 

そのタイプ別に適した治療を行います。

 

 

5)痛風の診断では、単純エックス線(レントゲン)検査は、

 

他の類似の疾患との鑑別に有用です。

 

高円寺南診療所では、痛風の診断に積極的に超音波検査を活用し、

 

パワードップラー法による異常血流を検知し、

 

関節炎の拡がりと炎症の程度などを併せて評価し診断に役立てています

 

 

6)超音波検査は苦痛を伴わず、被爆の恐れもないので、

 

必要な時間をかけて、患者さんとコミュニケーションを図りながら、

 

丁寧に観察できるので実際上のメリットが大きいです。

 

骨病変の評価においてがレントゲン検査より優れ、

 

また軟骨表面の尿酸塩結晶の検証に有用であることが示されています。