(心理)認知行動療法  ストレスへの対処法-7

今日は前回挙げたAさんの『自動思考(頭の中にパッと浮かぶ考え)』から、

 

よくあるパターン1)~ 3)をお話しします。

 

 

例)Aさんは職場の会議のプレゼンの時に、

 

「資料の数値に間違いがある」と指摘されました。

 

 

Aさんが即座に思ったこと=『自動思考』は…

 

1)これでプレゼンは台無しだ。

 

2)上司の評価も下がり、もう昇進はなくなった。

 

3)自分は肝心な時にいつもミスばかりしている。

 

みんなにダメな人間と思われている。

 

 

 

 1)「全か無か思考」:

 

物事を白か黒か、0点か100点か、善か悪か、

 

と両極端に考えやすい傾向のことです。

 

完全・完璧を求めやすいです。

 

 

Aさんは少しのミスから「プレゼンは完全な失敗」と考えています。 

 

このような考え方ですと、柔軟な捉え方、解決策が思い浮かべにくくなります。

 

 

2)「論理の飛躍」:

 

根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう傾向のことです。

 

 

 Aさんははっきりした根拠もなく、状況も確定していないのに、

 

不安を先取りしてしまう傾向があります。

 

その結果、事態は確実に悪くなると決めつけてしまいます。

 

そうすると、気持ちも落ち込みやすくなります。

 

 

 

3)「一般化のし過ぎ」(過度な一般化):

 

たった一つの良くない出来事があると、

 

「いつも」「必ず」「何もかも」「みんなが」と一般化してしまう傾向のことです。

 

Aさんは一回のミスから「肝心な時にいつも」と、

 

また、たった一人からの指摘を「みんなが私に否定的」と解釈を広げ過ぎています。

 

すると、ミスした体験ばかりが

 

量的・質的に強調され、印象づいてしまいます。

 

 

 

みなさんの中で「あるある」はありましたか。

 

もし、あてはまるものがあったとしても心配しないでくださいね。 

 

認知のクセは誰にでもあるもの。  

 

工夫してより生きやすくなるきっかけにしていただければよいのではと。

 

次回は残りのよくあるパターン④~⑤についてお話しします。

 

 

臨床心理士 宮仕 聖子