神経・アレルギー・膠原病内科Vol.2

今月のテーマ<脳卒中>

 

 

「脳梗塞」その2 <脳梗塞の急性期における治療>

 

 

組織が不可逆的変化に陥る前の再灌流(血栓溶解療法)、

 

微小循環改善(抗血小板、抗凝固薬)、脳保護薬、脳浮腫改善薬などがあります。

 

 

「アテローム血栓性」と「ラクナ梗塞」は「非心原性梗塞」にまとめられ、

 

「心原性梗塞」と区別します。

 

 

心原性脳塞栓症の急性期にはヘパリンが用いられます。

 

 

ただし、 「脳卒中治療ガイドライン2015」では

 

臨床病型別(アテローム血栓性、ラクナ、心原性)や

 

発症後の時間によって推奨する治療法が異なります。

 

 

 

<発症後の時間区分>

 

>発症後4.5時間以内:血栓を溶かす治療(血栓溶解療法)

 

 

>発症後24時間以内:脳保護薬(エダラボン)。世界で唯一認可されている薬です。

 

脳梗塞で発生し、組織を傷害するフリーラジカルという因子を捕捉して脳を保護します。

 

 

>発症後48時間以内:

 

病変最大径が1.5㎝を超えるアテローム血栓症性脳梗塞にはヘパリン、

 

選択的トロンビン阻害薬(アルガトロバン)が使用されます。

 

 

>発症後5日以内:脳血栓症

 

非心原性脳梗塞の場合は、血小板の働きを抑制する薬(抗血小板薬)により治療します。

 

抗血小板薬を2剤併用することがありますが、

 

一過性脳虚血発作の患者さんでは、亜急性期まで使うことができます。

 

ただし、発症早期の心原性脳塞栓症には用いません。

 

 

 

その他、頭部外傷や脳手術後の意識障害、脳梗塞急性期の意識障害、

 

脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復促進などにシチコリンが役立つことがあります。