6月17日(金) 消化器・代謝内分泌内科 Vol.5

今月のテーマ<消化管機能障害>

 

【今週のまとめ】機能性とは何か?

 

 

復習ですが、一般に、臓器や器官の働きが損なわれているが、

 

病変部位を視覚的に確認できないときに、器質的疾患がなく、

 

機能的疾患といいます。

 

 

消化管の病気は、圧倒的に機能性のものが多いです。

 

 

治療方法は

 

Step1:食事と生活習慣改善の指導、説明と保証

 

Step2:中枢機能の調整を含む治療

 

(漢方薬、抗うつ薬、抗不安薬、簡易精神療法)

 

 

Step3:心理療法、心身医学療法

 

 

 

消化管機能障害を理解するために、もう一度、

 

「慢性胃炎」という病名でおなじみの

 

「機能的ディスペプシア」(FD)を例に挙げて説明を加えます。

 

 

病気の原因として、心理的ストレス(心理的要因)や

 

物理的ストレス(身体的要因)が考えられています。

 

 

そして、胃の症状と心理的症状が複雑に絡み合って胃運動機能障害を起こし、

 

FDの症状が生じます。具体的には、全身倦怠感、

 

冷え、立ちくらみ、背部痛、肩こりなど種々の症状を訴えることが多いです。

 

 

このように、消化管機能障害は体の病気ではありますが、

 

心理的な要因が非常に大きい病気であることは明らかです。

 

 

こうした病気の治療を得意とするのが心療内科医なのです。

 

 

心療内科医とは決して精神科医もどきではありません。

 

基本的には総合内科医であって、しかも必要に応じて、

 

心理療法や心身医学療法を駆使して治療に当たる専門医である

 

ということをご理解いただければ幸いです。