6月15日(水) 消化器・代謝内分泌内科 Vol.3

今月のテーマ<消化管機能障害>

 

「胃食道逆流症」(GERD)

 

胃内容物が食道へ逆流して、

 

不快な症状や合併症を引き起こした状態を、「胃食道逆流症」といいます。

 

かつては、逆流性食道炎と診断することが多かったです。

 

 

「胃食道逆流症」の主症状は、

 

胸焼けや心窩部痛(みぞおちの痛み)ですが、

 

他にも、嗄声(かすれ声)や咽頭閉塞感(のどが詰まった感じ)

 

などの咽頭症状、咳、喘息などの呼吸器症状、胸痛など心疾患様症状、

 

など様々な症状がみられるので鑑別診断が重要になってきます。

 

 

この病気も胃カメラで食道病変を認めない機能性疾患である場合も多く、

 

その場合は非びらん性胃食道逆流症(NERD)とされます。

 

 

いずれにしても、「胃食道逆流症」(GERD)の症状は、

 

先日お話しした「機能的ディスペプシア」(FD)

 

の症状と重なり合いが多いのですが、

 

同様に共通する治療法で対処することも多いです。

 

 

日本消化器病学会より

 

「GERD診療ガイドライン」の改訂【2015年】が公表されているので、

 

現場でも参考にしています。

 

 

2006年の国際学会(RomeⅢ)で、

 

FDは食後困窮症候群、心窩部痛症候群に二分類されました。

 

 

ここで、FDの診断基準は、以下の3条件を満たすもの、ということになりました。

 

1)心窩部症状(胃・十二指腸領域からの発症)が中心である

 

2)食事に関連する症状である

 

3)胃の適応性弛緩障害である