【報告】平成28年度 日本内科学会生涯教育講演会 No2

医師の目からみた内科医の群像 その2

 

 

平成28年度の日本内科学会生涯教育講演会を

 

東京と大阪での2回とも出席して、しみじみ感じたのは、

 

多くの参加者の表情が暗く、活気に欠けていることでした。

 

 

 

内科医の多くがこんな死神のような不健康な冴えない顔をしていて、

 

自分たちの患者さんの病気を治したり

 

幸せになるお手伝いをしたりすることができるのだろうか、

 

と俄かに心配になったくらいです。

 

 

溌剌としている方はほとんどみられず、

 

とても疲れ切っているのが良くわかりショックを覚えました。

 

 

それから、私も含めてではありますが、

 

とても地味で豊かな雰囲気からは程遠いのです。

 

 

わが身をも顧みつつ、また恩師や諸先輩方を見習いながら、

 

その原因について、思いを馳せること暫しでした。

 

 

 

 

『責任や義務ばかりが加速度的に増大し、

 

それに見合うだけの自由や権利が

 

保障されていないばかりか行使しにくい人たち』

 

そういう人たちの現実の姿。

 

 

そのうえ医師という専門家として当然であると考えられる

 

自由裁量権(プロフェッショナル・フリーダム)さえ

 

確保されていないのですから。

 

 

限りなく奴隷に近い存在といっても誇張ではないと思います。

 

 

 

ほころび始めた保険医療制度の限られた財源の中の窮屈な枠内で、

 

いろいろな制限がどんどん付けられてきました。

 

 

保険料を徴収されている受診者の皆さんの中には、

 

ご自分の願う最高の医療を受ける権利を行使できる

 

というファンタジーを信奉していらしたとしても

 

不思議はありません。

 

 

しかし、保健医療制度の枠組みの制限という現実の中で

 

日夜奮闘努力している臨床医の意識との間の

 

ギャップはますます広がるばかりです。

 

 

 

 

疲れ切った真面目で勤勉な内科医の群れに遭遇し、

 

また、現行の医療に過大な期待を掛けていらっしゃる

 

多くのナイーブな皆様のことを思うにつけても、

 

私に課せられた使命を深く自覚して、

 

果たすべき仕事をやり遂げなくては、

 

という思いに駆られています。

 

 

 

内科の生涯学習の講演会に出席しながら、『水氣道』と

 

『臨床聖楽法』は私のライフワークとして、きちんと維持継続し、

 

発展展開させることに終始していられる段階ではないと感じました。

 

 

 

それぞれの活動における有能な後継者を育成すると同時に、

 

内科医をはじめ多くの医師仲間たちに対しても

 

積極的に普及を図っていく。

 

 

そうしなければ希望の持てる可能性と活力のある未来は訪れない、

 

という思いを強くした次第です。

 

 

 

次回からは、内科の各領域についてのトピックスのうち、

 

高円寺南診療所の外来診療に直結するテーマについて、

 

少しずつ解説を試みていく予定です。