医学会ダイジェスト リウマチ学会(第2日目)その3

痛風治療のABC 山中寿(東京女子医大 膠原病リウマチ痛風センター)

 

 

 

はじめに:

 痛風はリウマチなどの膠原病とは異なるジャンルの病気です。

 

一括りにされる理由は痛風の関節炎症状(痛風発作)がリウマチ性疾患

の一つであると認識されてきたからです。

 

高円寺南診療所はリウマチ科も専標榜しているのですが、

痛風とその原因は高尿酸血症を代謝性疾患として診療しています。

 

それは高尿酸血症を脂質異常症、糖尿病などのメタボリック症候群と

同列に位置付けているからです。

 

 

高円寺南診療所は全国的にも早い時期に関節超音波検査を導入し、

迅速な対応による初期効果を挙げてきました。

 

しかし、問題は、発作後の管理中断例が多いことです。

 

少なからざる患者さんが治療中断による痛風発作を繰り返して、そのたびに再来院されています。

 

これは痛風に限らず、発作性の病気の患者さんにありがちな傾向です。

 

激烈な痛みから解放された高尿酸血症の状態にある患者さんをどのように支援していくか、

という課題は真剣に取り組まなくてはならないと考えています。

 

 

 

 

講演サマリー:

 

<総論>

 

痛風は一般の検診項目に含まれていることから早期の薬物療法が可能である。

 

他方、難治性痛風が大問題になっている。

 

 

高尿酸血症・痛風の診療の2側面

 

1)痛風関節炎の正しい診断・治療

 

2)高尿酸血症に対する正しい認識・治療

 

 

 

<各論>

 

高尿酸血症・痛風発症に関する遺伝子の多くは尿酸の排泄を司る遺伝子である

 

関節の超音波検査は有用である

 

血清尿酸値を6.0mg/dl以下にする

 

血清尿酸値の長期適正維持により痛風関節炎の再発・腎障害の進展が防止できる

 

新薬フェブキソスタット(新規キサンチンオキシダーゼ阻害薬)が使えるようになった